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龍翔記  作者: GIN
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0073話 クエストは素材を届けるまでがクエスト

「…」


アイリスが何か怒っている。


朝の挨拶をしたもののつーんとした感じでぼそっと言葉を返しただけだ。


「なぁ、ミコト…」


ミコトに声をかけるが、ミコトもジト目で俺を見ている。


「うーむ…」


「リュウ…」


悩んでいる俺にラウルが声をかけてくる。


肩にさんじゅーろーを乗せている。


「おう、ラウル…今日はアイリスとミコトの機嫌が悪い様だな」


「…リュウのせいですよ」


「えっ」


レムがフヨフヨ浮きながら言う。


「リュウサマ、サクバンオクガタタチトハベツノジョセイヲテントニツレコミマシタネ」


「にゃー(修羅場だな)」


「連れ込んだっていうか、あれは客だったからな」


「へっ、どうやらそれをミコトが偶然見ちまったようでな」


「あー、そういうことか…」


「客とはどういうことですか、リュウ?」


「ああ、あの二人は砂漠の民から使者だったんだ」


俺は昨晩の話しをガイル、ラウル、レム、さんじゅーろーに聞かせた。


今はいないがラルガンスも証人になってくれるだろう。


「そういうことでしたら二人の怒りも収まるでしょう」


こうして朝食の準備をしている間に俺はアイリスとミコトに事情を説明し、誤解をといた。


「へっ、一時はどうなることかと思ったぜ」


「ご、ごめん」


「あたしも…ごめん」


アイリスとミコトが謝っている。


誤解をしてしまったことよりもその後の対応についてだった。


ここはまだ砂漠の中で、今日オアシスまで戻らないといけない。


そんな中で自分の感情を優先してしまい、下手をすればパーティが危険な状態になっていたかもしれないためだ。


「俺も悪かった、突然の訪問だったのと夜だったので一人で応対したんだが、ラウルを呼べばよかったな」


「まぁ、みんなで謝りあってても始まりません、以降、お互い気を付けることにしましょう」


「へっ、俺とラウルも疲れてぐっすりだったからな」


「うん」


「わかった~」


「よし、では準備出来次第、オアシスへ向けて出発しよう」


オアシスを経由し、王都ルーラーンまでの移動は驚くほどスムーズだった。


予定通りに宿泊をし、街道へ合流した後は魔獣に襲われることもなく、王都へ帰還した。


ガイルとミコトはヒューイの様子を見るためミリルの診療所へ向かう。


残った俺たちはラウルの屋敷へと向かうことにした。


ジョセフの案内で、俺たちは屋敷の割り当てられた部屋へ荷物を下ろすとラウルの私室に集まった。


「さて、リュウ、ここからが本番です」


「ああ」


「どういうことなの?、リュウ、ラウルさん」


「チーム:龍翔<ドラゴニア>はこれからクエストの目的素材を持ってエリーン伯の元へ向かいます」


「ああ」


「そうね」


「そして無事に届ければ報酬は破格の金貨10枚」


「呪い…呪術師の情報料、30万イエルと比較してもを考えても十分な額ね」


「ええ、ですがそれは無事にクエストをクリアした場合の話しです」


「というと?」


俺の問いにラウルは一つ頷いてから話しを続ける。


「考えられることは2つ、一つは…」


「にゃー(報酬を支払わないためにクエストを失敗に見せかけるんだな)」


さんじゅーろーが答える。


「ええ、そうです…エリーン伯に届けるまでに盗賊や刺客を差し向けて素材を奪いとる」


「チーム:龍翔<ドラゴニア>としてクエストは失敗、素材は伯爵のものってわけか」


「ええ、そしてもう一つは…」


「にゃー(屋敷でこちらの不手際を指摘して監獄行きだな)」


「なるほど…」


「さんじゅーろー、すごいね」


アイリスが驚きの声をあげている。


「そうです、伯爵とすれば素材さえ手に入れば報酬は払いたくないはずです」


「ということは、どちらの手も使ってくる可能性があるな」


「ええ、その通りです、エリーン伯の屋敷へ向かうのは明日なので、まずは今晩の襲撃に備えましょう」


「襲撃はともかく搦め手の方はどうする?」


ラウルは薄い笑みを浮かべる。


「このことは鉄蠍襲撃前から分かっていましたからね、すでにカルロス殿に依頼して手を打っています」


ラウルは自信ありげに語ったのだった。

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