0072話 深夜の会談
俺の前に座った二人の少女。
一人は左目が黄色、右目が青色のオッドアイ。もう一人は色が逆になっている。
二人はこの砂漠でガイドや護衛をして生計を立てている冒険者とのことだった。
ここまではラルガンスが聞きだしてくれた情報だ。
「えー、で俺に何か用が?」
座ったまま言葉を発しない二人を前に、とりあえず声をかけてみる。
「「…あなた、サンドワーム倒した?」」
二人同時に声を発する。
あまりにシンクロしたその様に少し驚きを隠せない。
「あ、ああ、まぁ、俺がというより俺たちのパーティで、だけどな」
「「…」」
二人の少女はお互いの顔を見合わせている。
目と目で会話しているようだ。
「「少し前からこの砂漠で異変が起きていた」」
「ああ」
「「突然大きなサンドワームが現れた」」
俺がそれが異変なんだろうか。
「「これまでも突然変異した魔獣はいた」」
違ったようだ。
「「異変は突然変異が予兆なく現れたこと」」
「予兆?」
「「突然変異が現れる前に魔獣が多くなったり、オアシスが干上がったりしたという伝承がある」」
「で、その後に突然変異、今回のサンドワームのような魔獣が現れる、と?」
「「そう」」
二人はまた顔を見合わせている。
「「今回、あいつはいきなり現れた」」
”突然”変異だが、現れる前には予兆がある。
「それが異変なのか」
二人は同時に頷く。
「「伝承には過去の突然変異のことが全て記録されている」」
砂漠を主戦場としている彼女たちが言うのだから間違いないのだろう。
「「異変現れた、でもあなた、それを倒した」」
「いや、だから俺たちのパーティなんだけどな」
「「突然変異は砂漠中の魔獣や冒険者が時間をかけて討伐していた」」
それも伝承なんだろうか。
「「それも異変…だから私たちが確認しに来た」」
「あー、つまり突然変異のサンドワームが現れた、そいつは砂漠中の魔獣を喰いまくっていた」
二人は俺をじっと見ている。
「で、あんたらとその一族はサンドワーム討伐の準備をしていた、ところがそいつが突然倒された、で、倒した俺たちと接触したというわけか」
二人は同時に頷く。
「「そう、異変はあなたたち」」
はっきり言われてしまった。
「そんなこと言われてもな、俺たちはただの冒険者だし、サンドワームも襲われたから戦っただけだしな」
二人は同時に溜息をつく。
「「倒そうと思って倒したというのが異変」」
「ギリギリだったけどな、全員の力を使って何とか勝ったという感じだし」
「「でもあなたたちを見ても特に危険は感じない」」
「あー、まぁ、分かってくれたならいいさ、ありがとうな」
「「私たちはこれで」」
「俺たちも敵対する気はない、このまま王都に戻って冒険者家業を続けるだけだ」
二人は同時に頷く。
「聞いたかもしれないが、俺はリュウ、チーム:龍翔<ドラゴニア>のリーダーだ」
「「名乗りもせずに失礼しました、私たちは…」」
二人は顔を見合わせる。
左側にいる左目が黄色、右目が青色のオッドアイの少女が言う。
「私はララァ」
続いてもう一人が言う。
「私はリリィ」
二人は自分の胸に手を翳しながら言う。
「「砂漠の民からの使者です」」




