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龍翔記  作者: GIN
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0045話 風狼戦-反撃

折しも激しい驟雨が平原を襲う。


「ムデノ平原名物のスコールだ!」


ここ数日も同じように激しい雨が降っていた。


「お、お前は…」


「ふふふ」


影がその姿の全容を現した。


「ラルガンス!」


ダールベン村近くの砦で戦ったラルガンス。


砦での戦いで俺が斬った後、影が散るように消えていったのだが。


「ふふふ、このラルガンス、復活しましたぞ」


「「えーっ!」」


アイリスとミコトが驚きの声を上げる。


ガイルは言葉を失っているようだ。


「ラルガンス、お前死んだんじゃないのか」


「ふふふ、主に斬られ、一度はこの命尽きかけましたが、アストラル体のままなんとか生き延びましたわい」


「ちょっと待て、主というのはなんだ?」


俺は思わず口を挟む。


「この私を退けたのです、もはやリュウ様は私の主でございます」


恭しく頭を下げるラルガンス。


ラルガンスの心境は分からないが、とにかく人数は揃った。


「足止めできるか、風狼2体」


「容易いことです」


いうが早いかラルガンスは両手に魔力を集中させる。


「わが魔法で足止めして見せましょう」


「よし、行くぞ!、レムはアイリスの傍にいろ!」


その時、淡い光が俺たちを包んだ。


「わわっ、なにこれ?」


ミコトが驚きの声をあげる。


「…力が湧いてくる」


「主のお力のようですな」


ラルガンスが言う。


「俺の力?」


「ええ、主の声や思いに反応して周囲のエーテルが我々に力を与えていると思われます」


「暖かいね」


アイリスは何か嬉しそうだ。


「へっ、こりゃチャンスだな」


「…まぁ、なぜ、主の声や思いに反応したのか理由は分かりませんが」


「細かいことはいい、行くぞ!」


俺は再び号令をかける。


「闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」


ラルガンスの魔法攻撃。無数の黒い矢が風狼2体の足元に向かって放たれる。


それに反応して、ガイル、ミコト、アイリスがそれぞれのターゲットに向かう。


「2体の足止めは任せた、ラルガンス!」


俺の声に驚きの顔を見せるラルガンス。


「…私を信用なさるのですか?」


「正直ラルガンスの心境はまだ分からないが協力してくれるんだろ?」


「もちろんでございます」


「ラルガンスの強さは知っている、だから俺はお前の言葉を信用し、その力を信頼している」


黙ってうなずくラルガンス。


すでにガイル、ミコト、アイリスは戦闘に入った。


放っておくと俺担当の1体が他の邪魔をしに行きかねない。


「俺も行くぞ!」


アイリスたちと戦っているところに向かおうとしていた風狼に俺は魔法を放つ。


雨が降っているので火属性は使えない。


「雷属性魔法:雷撃≪ライトニングストライク≫」


やはり避ける風狼。


俺はすかさず追撃を行う。


「龍星剣術奥義:一閃」


俺はこれまでの戦いでは使用しなかった剣技を使う。


光のように見える剣撃は風狼の左前脚を斬り飛ばしていた。


雄たけびを上げる風狼。


俺は刀を構える。



「やれやれ…信頼ですか…そこまで言われたやるしかありません」


剣技を放った主の姿を見て、ラルガンスはより一層、魔力を込める。


足止めと言われたが、実際には風狼の連携を止めるのが役目だと理解していた。


素早い動きを見せる風狼に魔法は当たりにくいが無視はできない。


自分の魔法に集中させることで他の風狼との連携をさせない。


「闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」


詠唱時間の短い魔法を連発する。


「闇属性魔法:闇の手≪ダークハンド≫」


2体の風狼を近づけさせない。


ラルガンスは信頼してくれた主のために持てる力を使い、その期待に応えた。



「アイリス、そっち!」


「うん!」


ミコトとアイリスは風狼の動きについていけていない。


だが、それは一人で戦っている場合のことだ。


連携は風狼の専売特許ではない。


今度はこちらが連携して戦う番であった。


「やぁっ!」


アイリスの突きを躱した風狼は、着地してすぐにアイリスに爪の攻撃を繰り出す。


「させないよ!、補助魔法:魔法障壁-物理≪フィジカルバリア≫」


風狼の攻撃は魔法障壁に弾かれる。


「…!、虎華剣術奥義:茨棘」


アイリスお得意の突きが決まり、対峙していた風狼の右目は光を失っていた。



「へっ、やるじゃねぇか!」


右でリュウが、左でアイリスがそれぞれ風狼に一撃を加えている。


ガイルは大剣を握る手に力が入っていた。


平原を駆けるガイル。


眼前に迫った風狼に対し、剣を振り下ろす。


続けて奥義を放つ。


「オーガ流剣術奥義:両刃」


風狼は後ろに飛び退いて躱す。


「へっ、読めてんだよ!」


ガイルはすかさず、次の奥義を放つ。


「こっちが本命だ、喰らいやがれ!」


ガイルは二本の大剣を重ね、両手で持つ。


「オーガ流剣術奥義:双刃」


風狼の胸に二本の閃光が走り、そこから血が吹き出す。


「まずは1体か!」


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