0037話 薬屋へ
「呪い!?」
俺は思わず声が出た。
アイリスは両手で自分の口を押えている。
声も出ていない。
よほど驚いたようだ。
「ええ…老師様から相談されたのは呪い解く方法、もしくは呪いを抑える方法だったわ」
「それで?」
「残念ながら呪い解く方法は分からなかった、そこで薬の形で呪いを抑える方法を取ったのよ」
「解く方法が分からなかったということは…?」
ふぅ、とジーナはため息を漏らす。
「鋭いわね…そう、どういった呪いなのかが分からないのよ、いつ誰が何の目的でアイリスに呪いをかけているのかが分からないのよ」
「なるほど…」
呪いの元が分からないので解きようがないということだ。
下手に解除しようとするとどういった影響があるかも分からない。
そこで呪いの発症を抑える方を優先していたようだ。
「呪いによる影響はある程度分かっていたわ…」
「あ、あの胸がきゅうっと締め付けられる感じのが…?」
アイリスが説明している症状が呪いの影響のようだ。
「そうね…でもそれが将来的にどういった形に変わっていくかは分からないわ」
あくまで今の状態を抑えているだけ、ということか。
「呪いの元凶を突き止めるしかないか…」
思わず口にした俺にアイリスがそっと寄り添ってくる。
「うん、ありがと…リュウ」
「さぁ、ともかく薬師の所へ行きなさい、いまのところ呪いに薬が有効なんだから」
「そうだな…分かった」
ジーナに促されて俺たちは店を出るために席を立った。
「…待ちなさい、リュウ」
「んっ、どうした?」
「あなた、ツいてるわね」
「んっ?」
確かに俺はついている。
老師は死んでしまったが、アイリスの薬を手に入れる手掛かりを発見できた。
ガイルやミコトのような仲間もできた。
ジーナから大事な話しも聞けた。
アイリスとの絆も感じている。
「そうだな…俺はついてるよ」
「そう、分かってるのならいいわ…気を付けるのよ、あななたちの絆があれば大丈夫だと思うけど」
ジーナの店の前で待ってくれていたガイルたちと合流し、紹介された薬師の店へと向かう。
薬師の店もウエストタウンにあり、すぐに分かった。
店に入ると元気な声が聞こえてくる。
「はいはい~、お客様ですか?」
見るとカウンターには誰もいない。
「下ですよ~」
目線を下に向けると小さな女の子がいた。
「ようこそ、瑠璃の薬屋へ、ご用件はなんですか?」




