0034話 パーティネーム
「納得いかない!」
バァンとテーブルを叩くアイリス。
ミコトはそれを必死で宥めている。
ここはギルドの待合場だ。俺たちは登録の順番を待っているところだ。
「落ち着けよ、アイリス」
ガイルもミコト同様にアイリスを宥めている。
「俺はアイリスに賛成だな、貴族だからといって特別扱いされていることには納得できない」
はぁっと、ため息をつきながらガイルが言う。
「リュウまで…まぁ、気持ちは分かるがここは押さえておけ」
「分かってるよ、別に貴族相手にどうこうしようというつもりはない」
ガイルはニヤリと笑うと俺の肩をポンと叩いた。
「分かってるならいいさ」
ガイルが席を立つ。
「そろそろ行くか、俺たちの番だ」
数人の冒険者の手続きを待って、俺たちの番がやってきた。
「あらぁ、ガイルさん、お久しぶりですぅ、今日はクエストさがしですかぁ?」
ルイムの町にいたナタリーと同じような話し方だ。
舌足らずの話し方に、おっとりした動作に、大きな胸元…
「ちょっと、リュウ…」
後ろから冷ややかなアイリスの視線を感じる。
そうこうしている間にもガイルが話しを進める。
「久しぶりだな、ナタリー、今日は俺たちのパーティメンバーの登録に来たんだ、リュウ、アイリス…」
「ああ…」
「よろしくお願いします」
「お二人は冒険者登録からですかぁ?」
ガイルが答える。
「そうだ、冒険者登録して、その後、パーティ登録だ」
「ではぁ、どの班で登録されますかぁ?」
「班?」
「討伐班、探索班、採集班、研究班があります」
ナタリーの説明によると各班は以下のような棲み分けになっているらしい。
討伐班…魔獣討伐を主な活動にする冒険者
探索班…未開の地や迷宮、遺跡などを探索を主な活動にする冒険者
採集班…薬草などの採集を主な活動にする冒険者
研究班…魔法やアイテムなどの研究を行い、新たなモノを生み出すことを主な活動にする冒険者
「俺とミコトは討伐班だ」
「だったら俺たちも討伐班だな」
こうして俺とアイリスの冒険者登録が行われた。
「はい、登録はこれで完了ですぅ、リュウさんとアイリスさんはランクGになりますぅ」
ランクはギルドで定められているもので冒険者の強さを表すものとされている。
ランクGは最下級のランクで、いわゆる初心者だ。
「続いてパーティ登録ですぅ、パーティネームは何になさいますかぁ?」
「パーティネームか…」
「それとぉ、リーダーも決める必要がありますぅ、リーダーはガイルさんですかぁ?」
少しの間をあけてガイルが言う。
「いや、リーダーはこのリュウだ」
「えっ?」
「えっ?」
俺とアイリスは同じリアクションをしていた。
「かしこまりましたぁ、リーダーはリュウさんですねぇ」
「いやいや、どういうことだ?、ガイル」
「いやぁ、俺はリーダーには向いてないんだわ、得意なのは敵に突っ込むことだしな」
確かに。ガイルは基本、敵の真ん中に飛び込んで戦う。
「で、あとはミコトにアイリスだろ、リーダーはリュウしかいないってことだ」
「まぁ、分かったよ」
「では、パーティネームを教えて下さい」
「なんにする?、リュウ」
「そうだな…」
まさかパーティネームが必要だとは思ってなかったので、俺は考え込んでしまう。
「ねぇねぇ、リュウ、せっかくだから冒険者になったリュウが飛び立つような名前がいいんじゃない」
そういったのはアイリス。
「そうだな、まぁ、俺はリーダーが決めた名前であればなんでもいいぜ」
「あたしもだよ、リュウに任せる」
ガイルとミコトも俺に丸投げだ。
「分かった、じゃぁ、好きにつけさせてもらうぞ」
皆が頷く。
「決まりましたかぁ?」
アイリスの案をもらって、俺は考える。
リュウが飛び立つ…龍が翔ける…龍翔…ドラゴンソア…
そして一つの名前を思いつく。
「ああ、決まった…パーティネームは…」
「はい、登録しますのでお願いしますぅ」
「俺たちは、龍翔<ドラゴニア>だ」
ようやくタイトル回収しました。




