0030話 砦内部の戦い その5
「闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」
ラルガンスと名乗った魔導士の魔法から戦闘が始まる。
無数の黒い矢が俺めがけて放たれるが、体術と刀を使ってそれに対処する。
「躱すか、ならばこれはどうじゃ!」
続けて魔法を詠唱するラルガンス。
「闇属性魔法:闇の手≪ダークハンド≫」
巨大な黒い手が現れると、机を叩くような要領で攻撃を仕掛けてくる。
後ろに飛び退き、なんとか躱す。
巨大な手は拳を作ると正拳突きを仕掛けてくる。
刀で受け止めようとするが、パワーの違いで吹き飛ばされて、壁に打ち付けられる。
「ぐはぁっ」
「続けていくぞ、闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」
ラルガンスは攻撃の手を緩めない。
「闇属性魔法:闇の刃≪ダークブレード≫」
黒い矢に続いて、黒い剣の魔法を繰り出す。
何とか刀で打ち払うが、数撃喰らってしまう。
「くっ…」
「リュウ…」
アイリスの声が聞こえる。
俺はアイリスの方を向くと、安心させるように言う。
「大丈夫だ、俺は負けない!」
立ち上がり刀を構える。
「闇属性魔法:闇召喚LV.1≪スケルトン≫」
数体のスケルトンが現れる。
どこまでも容赦がない。
「おっと、ここは私の出番だよ!」
ミコトが短刀で斬りつけ、スケルトンの注意を引き付ける。
「闇属性魔法:闇の刃≪ダークブレード≫」
そうしている間にもラルガンスは次の魔法を放ってくる。
ミコトもラルガンスの魔法を躱しながらスケルトンの相手をしている。
俺はラルガンスに集中することにした。
「お前の相手は俺だ」
「ふん、闇属性魔法:闇の刃≪ダークブレード≫」
飛んでくる闇の刃を打ち払う。
「闇属性魔法:闇召喚LV.1≪スケルトン≫」
続けざまに魔法を放つラルガンス。
「闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」
魔法攻撃が激しくて近づけない。
近づければ、攻撃さえ当てられれば倒せるはず。
しかし、ラルガンスも分かっているのだろう。
続けざまに魔法攻撃をしてくるのは、俺を近づけさせないためだ。
「闇属性魔法:闇の手≪ダークハンド≫」
「くっ!」
同じ手は喰わない、すべて躱すものの、ラルガンスとの距離は詰められないでいた。
「リュウ!」
アイリスの声が聞こえる。
と同時にラルガンスが次の魔法を放つ。
「闇属性魔法:闇の矢≪ダークアロー≫」
同時に俺はラルガンスに向かって飛び込む。
「風属性魔法:風斬≪ウインドカッター≫」
合わせるようにアイリスの声が響く。
ラルガンスの魔法を、アイリスの魔法が相殺した。
一気に縮まるラルガンスとの距離。
その時、ラルガンスがニヤリと笑うのが見えた。
「その程度の考えは読めているよ、闇属性魔法:闇の手≪ダークハンド≫」
ラルガンスは、もう次の魔法を準備していた。
俺はその魔法の中に飛び込むような動きをしていたのだ。
「死ねぃ!」
「死ぬのはお前だ、レム!」
「ジュンビデキテオリマス」
俺の懐に隠れていたレムが顔を出す。
「重力属性魔法:吸収≪インホール≫」
ラルガンスの魔法はレムの作った穴に吸い込まれ消える。
「なっ!」
ラルガンスの間の障害物はなくなった。
得意の居合一閃。
「ぐぁぁ!」
一筋の閃光が走ったように見えた後、ラルガンスは膝をつき倒れた。
「勝った…な」
こうして砦での戦いは終わったのであった。




