0027話 砦内部の戦い その2
「えっと、この階段を上がった先はすぐに広間になってるよ」
見取り図を広げながらミコトが言う。
「1階と同じと考えると2階の広間にも何かいるよね…」
アイリスの不安そうな声が聞こえる。
「いるだろうな、少なくともまだハンフリーも発見できていないしな」
「そうだな、そして広間が一番可能性があるだろう」
俺たちは顔を見合わせると、一つ頷き、一気に階段を駆け上がった。
しかし、そこは予想に反して誰もいないし、何もなかった。
「あれー?、誰もいないね」
ミコトがあたりを見回しながら言う。
「おかしい…何か変だ…変な気配を感じる…」
「リュウの言う通りだな、姿は見えないが何かいやがる」
ガイルは警戒を怠っていない。
俺も神経を集中させる。
その時、背中にぞくっとした気配を感じる。
咄嗟に首元を刀で守る。
キィンという金属と共に、そいつは姿を現した。
「なんだ…」
それはガイルと同じような大剣を構えた男が立っていた。
目はうつろで焦点はあっていない。
しかし、確実にこちらを敵と見なしている。
そんな感じで攻撃を繰り出してくる。
「なっ、お前はハンフリーか!」
ガイルが剣を受け止めながら問いかける。
「えっ、この人がハンフリーさん?」
アイリスも声を上げる。
しかし男は答えない。
「操られているみたい!」
「ということは、まだ別の敵はいやがるのか…」
ガイルは何とかハンフリーの剣を受け止めている状態だ。
あのガイルのパワーと互角とはハンフリーらしき男のパワーも侮れない。
「えっ、まさかアンデット化しているの?」
アイリスが感じた不安を声に出す。
「いや、アンデット化はしていないようだ!」
「そうだね、生物の匂いがする」
俺の発言をミコトが補完してくれる。
「がぁっ!」
男が力任せに大剣を振り切ったことで、ガイルは一旦、刃を離す。
「なんて馬鹿力だ…コイツは俺が引き留める!」
今度はガイルから斬りかかる。
「お前たちはコイツを操っているやつを倒せ!」
ガイルほどの闘士でも、油断して何とかなる相手ではないのだろう。
それからガイルは男の足止めに専念することになる。
「あっちはガイルさんに任せるとして操っているやつってどこにいるんだろう」
アイリスがあたりを見回しながら言う。
その時、アイリスの足元が崩れ落ちる。
「きゃぁぁ!」
「アイリス!」
俺は慌てて手を出すが、一歩届かない。
アイリスは階下へと落ちていく。
それは1階よりも深い場所。
地下まで続いているようだった。




