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龍翔記  作者: GIN
21/692

0021話 ウルフとの戦闘

俺は刀を一閃する。


斬り飛ばされた魔獣【ウルフ】が断末魔を上げる。


既に七匹のウルフを倒しているが、数はまだまだ多い。


「アイリス!」


アイリスに声をかける


「やっ!」


アイリスの突きがウルフを吹き飛ばす。


「もー、どうなってんの、これ!」


アイリスもウルフを倒しているが、数はなかなか減らない。


「キリがないな…」


「どうする?、リュウ…」


俺とアイリスは互いの背中を合わせながら息を整える。


ウルフの残りは30体。


一体一体はそれほど強くない。というか俺たちなら負けないが、なにせ数が多い。


牙や爪で少しづつ受けたダメージも蓄積されてきている。


俺は攻撃魔法が使えるが、30体もの魔獣を一気に倒すほどの威力はない。


しかもウルフの素早さから逃げるのも容易ではない。


「置いていくわけにもいかないな」


「そうね」


俺はチラッと後ろで倒れている馬車に目を向ける。


そこには怪我をして倒れている商人の男とその家族が隠れている。


俺たちはこの家族がウルフに襲われている音を聞いて、ここに駆けつけていたのだった。


二人いた護衛は、一人はすでにウルフにやられており、一人は逃げ出しているようだ。


戦えるのは俺とアイリスのみ。


レムは商人家族の傍にいる。


ウルフたちは群れのリーダーらしき個体の声をきっかけに再び襲い掛かってくる。


突撃してきた3体。


俺は一歩踏み出し、居合切りで1体。返す刀で2体目を斬り倒す。


同時にアイリスは得意の突きで1体倒した。


「アイリスサマ、ウエデス!」


レムの声が聞こえる。


俺たちは後ろに飛び退き、ウルフの攻撃を躱す。


上空から襲い掛かってきていた2体は、俺とアイリスに着地と同時に襲い掛かってくる。


後ろに飛びながら、俺はウルフを斬る。


アイリスもウルフを倒した。


「くっ…」


「アイリス!」


「ごめん、足をやられちゃった…」


アイリスは今の攻防で足に怪我を負ったようだ。


弱ったアイリスに襲い掛かる2体のウルフ。


俺は素早くアイリスの前に立ち、ウルフたちを切り倒した。


「ありがとう、リュウ」


「ああ、だが…」


俺は周囲を見なわしながら言う。


「まだまだ、いるな…状況はよくない…か…」


20体以上のウルフに囲まれている。


アイリスも怪我をした状態。


ただ、ウルフたちも無闇に襲い掛かってこない。


俺たちの強さを理解しているようだ。


ジワジワとこちらを弱らせるつもりなのだろう。


その時、ヒュンという風切り音と共に1本の矢がウルフに刺さる。


それを合図に無数の矢が降りそそぐ。


「これは…?」


一瞬、矢に目を取られた俺に向かって1体のウルフが飛び掛かってくる。


リーダーと思しき個体だ。


「リュウサマ!」


「分かっている!」


一閃、斬り飛ばされたウルフが地面に落ちる。


他のウルフは先ほどの矢の雨に粗方倒され、さらにリーダーが俺に斬られたことで、なんとか生き残ったウルフは一目散に逃げて行った。


「大丈夫か、アイリス?」


「うん、なんとか」


俺はアイリスを抱きかかえる。いわゆるお姫様抱っこの格好だ。


「ちょ、ちょっとリュウ!」


アイリスは何か言いたげだったが、それを無視して俺は言う。


「俺たちを助けてくれた人たちが来たぞ」


アイリスが目を向けた先に耳が特徴的な種族「エルフ」の男性が立っていた。

〇魔獣

瘴気を纏った獣の総称で、本能のままに生きている。

それぞれの魔獣に対し定められたランクがあり、総じて人類にとっては脅威の存在である。

ランクによっては人類では太刀打ちできない存在もいる。


〇瘴気

強力な魔獣が生まれる原因となるものだが、

発生する条件やどういったものであるか、などは不明。

精神生命体のエネルギー源にもなり、

<闇の魔力>に関係するものと考えられている。

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