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0002話 孤児と老師
俺とアイリスは孤児だった。
そしていまは目の前の老師の世話になっている。
老師が言うには俺とアイリスは二人並んで捨てられていたらしい。
当然、親の顔は知らない。
なぜ名前は分かるのかって?
それも老師がいうには魔法刻印として名前が刻まれていたらしい。
俺がリュウセイ。
そして一緒に居た女の子がアイリス。
老師に拾われたあと、俺とアイリスは老師の厳しくも優しい教えを受けながら育ててもらった。
老師には様々なことを教えてもらった。
言語や暮らしの知恵だけでなく、この世界の成り立ち、世界情勢、王貴族、亜人、魔人、魔法、魔物、悪魔に天使に魔王に勇者。。。
剣技と格闘技も老師に教えてもらった。
そして、この老師、異常に強い。
魔法は使えないとのことだが、いまだに一度も勝ったことはない。
それどころかアイリスと二人掛かりでも全く歯が立たない。
「さっさとせんかぁ!!」
今日も外から怒号が響く。
さて、今日も優しく厳しい修練の時間が始まる。
「さぁ、行くか、アイリス!」