0019話 レム
「私はアイリス、あなたは?」
「ププッ…マスターノオナマエ…アイリス…サマ…メモリーシマシタ」
フヨフヨと浮いているゴーレムはアイリスをマスターと呼んだ。
おそらく自身を起動させたアイリスのことを製作者と思っているのだろう。
「アイリス」
「あっ、そうか、あのね、私はあなたの製作者じゃないわ」
「マスター…デハナイ」
「そう、私はあなたを起動させただけよ」
「マスターハ…ドコ…ニ」
俺も口をはさむ。
「お前を製作したやつが誰かは分からないな」
「デハ…マスターセッテイ…ダイニフェーズヘイコウ…」
「なんだ?」
ゴーレムはアイリスの方を向き直す。
「キドウサセタカタヲマスタートセッテイシマス」
「それって…?」
「アイリスがマスターってことだな」
「えー」
アイリスはやっちゃったとばかりに頭を抱えている。
俺もため息一つ。
「まぁ、こうなったら仕方ない…ところでお前の名前は?」
ゴーレムは俺を無視する。
「ゴメイレイヲマスター」
「あー、アイリス…マスターの言葉しか聞かないのか」
「ねぇ、あなたの名前は?」
アイリスはゴーレムに聞く。
「コタイメイハアリマセン…シキベツバンゴウ…ジーオーエルイーエムゼロゼロイチハチ…」
「Golem…ゴーレムか…」
「うーん、それじゃ長すぎて覚えにくいわね…んー、じゃぁ、あなたの名前はレムね」
「レム…ププッ…メモリーシマシタ」
アイリスは名前を覚えたらしいレムに顔を近づけて言う。
「いーい、レム、そこにいるのはリュウ…リュウセイよ、覚えなさい」
レムは俺の方を向きながらメモリーする。
「ププッ…リュウセイ…メモリーシマシタ」
「リュウは私の大事な人なんだから、私と同じように大事にするのよ、分かった?」
「ププッ…リュウセイハダイジ…メモリーシマシタ」
「リュウでいいよレム」
「リュウセイハ…リュウ…ププッ…メモリーシマシタ」
ずっと浮いていたレムはゆっくりと床に降りる。
「アイリスサマ、リュウサマ…」
片膝をついたレム。
アイリスはそれをさっと抱き上げる。
「よろしくね、レム!」
こうしてレムが仲間に加わった。




