0018話 倉庫にあったもの
「戻ってきたぁ!」
言うなり自分のベッドにダイブするアイリス。
「やっぱり自分の家が一番だよね!、リュウ」
「そうだな…」
俺は自分のベッドに腰掛けながら言った。
「だけど準備ができたら、すぐに行かないと」
「そうね、ハンフリーさんの足取りが残っているうちにダールベン村に行かないとね」
アイリスもベッドから起き上がると、旅の準備を始めた。
それを見て俺も準備に取り掛かる。
「ねぇ、リュウ。ダールベン村ってどこにあるの?」
「バルガスが言うには西…の方だったよな」
「やっぱり、私たちって小屋をほとんど離れたことないもんね」
「ルイムの町を中心に西に向かっていくしかないか、クレハなら何か知ってるかもしれないな」
「そうね、あっ、倉庫に地図がなかったっけ?」
「地図…あったかな?」
「あったと思うよ、ちょっと見てくるね」
アイリスは倉庫へ向かう。
俺は乾燥食糧や武器の手入れ道具などを準備していた。
しばらくの静寂。そして。
「きゃぁぁぁぁっ!」
アイリスの悲鳴が響き渡る。
俺はアイリスの元へ走る。
「どうした、アイリス!」
倉庫の入り口を入ってすぐのところで尻もちをついているアイリス。
特に怪我などはしていないようだ。
「アイリス、何があった?」
「あっ、リュウ…あ、あれ見て…」
アイリスが指さした方向には、小さなゴーレムがフヨフヨと浮いていた。
「なんだこれ?」
「え、ええとっ…地図を探していたんだけど、箱の中にあった人形を見つけて…」
「うん」
「その人形には紙みたいなのが張ってあって…それには”剥がすな”と書いてあって…」
「うん」
なんだか嫌な予感がする。
「人形を手に取って…」
「それで?」
一瞬言い淀んだアイリスだったが、意を決したように言葉を続ける。
「つい…その紙を剥がしちゃって…」
「なるほど、で、そしたら動き出した、と」
「そ、そいうことになるかな…」
「危害を加えてきそうな感じはないな、この…人形というよりゴーレムか」
フヨフヨと浮いているゴーレムに近づく俺。
警戒は怠っていないが、攻撃してきそうな素振りはない。
その時。
「ピピッ…オナ…マエヲオ…オシエクダサ…イ、マ…スタ…ー」
ゴーレムはアイリスの方を見て声らしき音を発したのだった。




