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龍翔記  作者: GIN
120/692

0120話 ベルとの戦い

「そらそらそら!」


ベルは片手剣での連続した攻撃を繰り出してくる。


俺はなんとかそれを受け止め、受け流していく。


ベルが持つ剣は全体が黒い、禍々しい剣だった。


その一撃一撃が非常に重い。


受け止めるだけで体力が削られていく。


「くっ!」


俺は防御に集中する。


この状態での中途半端な攻撃は、相手に隙を与えるだけと判断したからだ。


いったん距離を取るベル。


「なんだい、反撃してこないのかい?、つまらないねぇ」


挑発しつつ俺を見つめてくるベル。


俺は構えを解かずに、油断せずベルを見据える。


「ふーん…じゃぁ、これはどうだい!」


ベルが左手を俺に向ける。


俺はとっさに火の魔法を放つ。


「「火属性魔法:火球≪ファイアボール≫」」


俺とベルが同時に放った魔法は、互いの中間地点でぶつかると相殺され、火球はその姿を消す。


「ほう、魔法も威力もナカナカ…」


ベルはニヤリと笑うと、再び剣を構えた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


召喚者の命令に応えるべく上位悪魔<グレーターデーモン>は持てる力のすべてを使って、目の前のガイルに向かって魔法との連続攻撃を繰り出していた。


無詠唱で放たれる魔法。それをガイルが避けたり防いだりしている間に距離をつめて、物理攻撃を加える。


いまだに直撃した攻撃がないのはガイルの強さの現れだろう。グレーターデーモンもそのことには驚いているようだ。


ただ、時間の問題とも感じているだろう。


受肉していない状態のため、限られた時間内での活動になるが、オーガの1体を倒すくらいなら十分な時間がある。


そんな余裕すら感じさせる態度だった。


「へっ、ナメやがって!」


ガイルもただやられてはいない。


迫りくる魔法攻撃の間隙を縫い、近づいてきたグレーターデーモンに大剣を振り下ろしていた。


強力な攻撃だが、受肉していない悪魔に物理攻撃は意味をなさない。


すなわち、どれだけガイルの攻撃力が高くても通常の攻撃では悪魔にダメージを与えられない。


「ちっ!」


まるで手ごたえのない状態にいら立つガイル。


「剣技を放ってどうにかなるってことでもなさそうだなっ!」


不利を悟ったガイルは防御に集中する。


召喚された悪魔が活動できる時間には限りがある。


攻撃手段がない以上、ともかくその時間が来るまで耐えるしかないというのがガイルの答えだった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


アイリスが突きを繰り出すが、この攻撃はレッサーデーモンにダメージを与えられない。


「やっぱりダメ!」


「うん、こうなったら避け続けよう!」


「オテツダイシマス!」


2体のレッサーデーモンは何も考えずに魔法を連発してくる。


その威力はガイルが対峙しているグレーターデーモンとは比べ物に倣い程低いが、それでも直撃すればとてつもないダメージを受けるだろう。


レッサーデモンが発見された場合、通常攻撃を受け付けないという優位性もあり、攻撃手段がない場合は村程度ならあっという間に壊滅させられる。


召喚され活動できる時間に限りはあるが、魔法を連発できるためその時間のなかでも目についたものを破壊して回るやっかいな存在だ。


自我がないため、交渉も意味をなさない。


聖属性や光属性の魔法であればダメージを与えることも可能だが、その使い手は多くない。


アイリスやミコトはこれらの魔法は使えない。


すなわち、この二人も目の前の悪魔に対する攻撃手段を持っていないということになる。


ガイルの攻撃が効いていないのを横目で見ていたミコトは、早々に回避に専念することをアイリスに提案、アイリスも自分の攻撃が効かないことを確認し、それを了承していた。


レムが真帆攻撃を吸収し、二人の回避を助ける。


また、ミコトは魔法防御や俊敏性を上げる補助魔法を使い、自分たちの回避力を上げていた。


アイリスとミコトそしてレムは必ず助けが来ることを確信していた。


リュウが助けに入るまで回避を続けることを心に決めるのだった。


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