0010話 ルイムの町
「ようこそ、ルイムの町へ!」
町の入り口で、どこかで聞いたようなセリフを言う人を華麗にスルーした俺たちはギルドへと足を進めた。
「…あのセリフって本当に言う人いるんだな」
「どういうこと?」
「いや、なんでもない、ギルドへ急ごう」
「そうだね」
ギルドの場所を聞いた俺たちは教えてもらったとおり、大通りを進んでいた。
「ねぇ、リュウ…」
「言うな、アイリス」
「う、うん」
アイリスが言いたいことはなんとなく分かった。
ルイムの町は思っていたより、荒れていたのだ。
ぱっと見は問題ないように思えるが、大通りから見える路地には
倒れている人がチラチラと見える。
原因は分からないが、倒れている人がいるが誰も気にする様子がない。
町ですれ違う人たちに生気はなく、他人を気にする余裕がないといった方が正しいのかもしれない。
「なんだろ、何かあったのかな?」
「うーん、病気って感じじゃないな…」
「そうだね」
アイリスも考えている。
「ただまぁ、ここで俺たちが考えたところで分かりっこないさ、それよりギルドへ急ごう」
「そうだね」
再びギルドへ向けて歩き出した俺たち。
この時、俺たちは気づいていなかった。
背後から俺たちを見つめる目が光っていたことを。




