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エマニュエル・サーガ―黄昏の国と救世軍―【side:B】  作者: 長谷川
第2章 シャングリラは微笑まない
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35.ようこそ、黄都守護隊へ ☆


     挿絵(By みてみん)




 黄都(こうと)ソルレカランテから伸びる街道を南に六四〇(ゲーザ)(三二○キロ)ほど下った先に『アンカルの壁』と呼ばれる長大な城壁がある。西の国境に(そび)える『マザールの壁』にも劣らないその頑強な城壁は、かつてこの地がまだエレツエル神領国(しんりょうこく)の支配下にあった頃、かの国が西からの脅威を防ぐために築いたものだそうだ。

 当時ソルレカランテを〝第四聖都ディザハヴ〟と呼んでいたエレツエル人たちが、何に怯えてこれほど高く堅牢な壁を築いたのかは定かではない。


 ただ、トラモント黄皇国(おうこうこく)の始祖たるフラヴィオ一世がかの国を海の向こうへ追いやったのちも修繕が繰り返され、今なお変わらぬ威容を誇るアンカルの壁は、黄帝(こうてい)の天領であるジョイア地方とレーガム地方を文字どおり分断していた。

 西は三神湖(さんしんこ)のひとつであるタリア湖、東は竜牙山(りゅうがざん)に次ぐ天嶮(てんけん)と名高い黒竜連山(こくりゅうれんざん)まで続く城壁の中心には、灰色の石材で築かれた非常に武骨な城がある。名をスッドスクード城。他ならぬ黄都守護隊の軍事拠点であり、今日からエリクの新たな我が家となる城だ。ソルレカランテを出発してから五日目の朝、旭日を浴びてそそり立つ城の雄姿を街道の先に認めたエリクは、思わず馬上でため息をついた。


「あれがスッドスクード城……」

「ああ。以前は〝南方監視砦〟と呼ばれる小さな砦だったものを、先代隊長のラオス殿が六年かけて増築された城だ。今も改築工事は進められていて、最終的には二万の兵を常駐させられる城にする計画だという」

「現在の黄都守護隊の兵力は全体で一万三千ですよね。ラオス将軍はいずれ隊を増強する心算でおられたのですか?」

「いや、今の我が国の人口と税収を考えるに、兵力を増強するとしても二万は実現不可能だろう。ただ黄都で何か変事が起きた際、皇族に随行してくるであろう近衛軍や第一軍本隊を収容できるようにという意図で改築を進めておられたようだ。まるで第二次正黄戦争(せいこうせんそう)が起きることを見越しておられたかのような築城計画だな」

「シグムンド様。着任当日から不穏当な発言はお控え下さい」

「ああ、すまん、スウェイン。どうも昨日、アンゼルムが用意してくれた食事を口にしてからというもの頭が回らなくてな」

「アンゼルム。次にシグムンド様の食事に毒物を混入したらお前はクビだ」

「だ、だから誤解だと申し上げてるじゃないですか! 私は誓って毒物なんて入れてませんよ! ただちょっと香辛料の配分を間違えただけで……」

「何をどう間違えたらただの香辛料で人が卒倒するほどの料理を作れるんだ?」

「そ、それは私にも分かりかねますが……そもそも私としては、昨夜の料理は二十年間の人生で一、二を争うくらいの会心の出来だと確信していましたし……」

「スウェイン。今回は料理番を固辞したアンゼルムに無理矢理仕事を任せたお前にも責任がある。今後はどんな些細な任務であろうと人選には細心の注意を払え。でないと次は死人が出るぞ」

「申し訳ございません、シグムンド様。以後気をつけます」


 前を行く上官二名に散々な言い草をされ、エリクは羞恥と失意のあまり打ち震えることしかできなかった。後ろからはシグムンドに随行してきた他の従者たちが必死に笑いをこらえている気配が伝わってくるが、まったく笑いごとではない。

 だから料理番だけは絶対にできないと言ったのに、新人が仕事を選り好みするなと押しつけてきたのは他ならぬ彼らだ。ということは昨夜の件は従者一同の連帯責任じゃないか。なのに自分ひとりが責められるなんてあんまりだ。まあ、先輩従者のひとりを卒倒させたあげく、敬愛すべき上官をうっかり毒殺しかけた責任の九割は自分にあるということは、もちろんエリクも自覚しているのだけれども。


 記念すべきスッドスクード城着任の日。エリクたちは黄都から数日間の旅を経て、いよいよ黄都守護隊に合流しようとしていた。新任の隊長であるシグムンドに付き従っているのは従士であるスウェインを筆頭とした数名の従者のみ。

 他には荷を背負う駄馬が数頭いるのみで、かなり質素な陣容だと言っていい。

 本来なら数百単位の護衛兵の他、料理番や馬丁(ばてい)、荷運び等の人夫が同行する大行列になって然るべき場面だというのに、シグムンドは余計な経費を使うことを嫌って最低限の人員と最低限の旅荷での入城を希望した。

 ゆえにスウェインを始めとする従者一同が彼の身の回りの世話を交代でこなすことになり、昨夜はエリクに料理番が回ってきたのだ。


 が、実を言うとエリクは昔から家事と名のつくものは壊滅的に苦手で、中でも料理だけは何度特訓を重ねてもまったく上達しなかった。おかげで妹のカミラには「絶対に台所に立たないで」と涙ながらに哀願され、親友のイークには「お前の手はきっと誰かに呪いをかけられてるんだ、そうに違いない」とまで評される始末。

 ゆえに昨夜もスウェインから料理番に任じられたとき「自分には無理です」と頑なに拒否したのだが、できないなら先輩に習って身につけろと叱られ渋々命令に従った。結果、味見をしてくれた従者のひとりがその場で泡を吹いて倒れ、「何かの間違いだろう」と同じものを口にしたシグムンドをも危うく毒殺しかけるという大失態を演じたわけだ。いつもの料理と違って、昨夜のものは食材がどす黒く変色したり異臭を放ったりはしていなかったから、やっとまともな料理を作ることができたと内心快哉(かいさい)を叫んでいたのに。


「しかしまったく驚いたな。非の打ちどころがないほど優秀な人材だと思われていたアンゼルムに、食材を劇物に変えてしまうという致命的な欠点があろうとは」

「ええ、こればかりはさすがに予想外でした。私もアンゼルムには期待を寄せていただけに残念ですが、すべての人間が己の尺度で測れると思ったら大間違いだということを教えられた気が致します。今回の件を教訓により一層精進する所存です」

「あ、あの……差し出がましい口をきくようですが、その話題はもうやめにしませんか? じきにスッドスクード城に到着することですし、ほら、ええと……そ、そう言えばギディオン将軍が、現在の黄都守護隊はラオス将軍仕込みのイロモノ部隊だとおっしゃっていましたけど、一体どんな部隊なのでしょうね!」

「そうだな。少なくとも君が誤って兵士のひとりやふたり毒殺してしまったとしても、さほど問題にならない程度には特異な部隊だ。覚悟しておくといい」

「す、既に問題だらけのように思えるのは私の気のせいですよね……?」


 街道に向かって口を開けるスッドスクード城の城門まであと二十幹(十キロ)もないというのに、エリクはとんでもなく不穏な言葉を耳にしたような気がして蒼白になった。きっといつもの毒っぽい冗談だろうと思いたかったが、スウェインも他の従者たちも悟りきったような顔をして何も言わないのが不安を煽る。

 けれど今のエリクにとって唯一幸いなのは、先日シグムンドが名づけてくれた〝アンゼルム〟という名前が早くも皆の間に浸透しつつあることだった。

 何でもトラモント黄皇国では仕官や昇格の際に験担(げんかつ)ぎとして名を改めるという風習がわずかながら認められているらしく、今回のエリクの改名もそうしたものの一種として周囲に受け入れられたのだ。そして何より、他でもない名づけ親(シグムンド)が率先して「アンゼルム」と呼びかけてくれるのが大きかった。おかげでスウェインを始めとする先輩従者たちも、今やすっかりエリクをもとの名では呼ばなくなっている。


(うーん……それにしてもまさかちょうど一年前、郷を発ったのと同じ日に任地に着くことになるとはな。これも何かの暗示なんだろうか……)


 黄暦(こうれき)三三三年、豊神(ほうしん)の月、永神(えいしん)の日。未だ寒風()(すさ)ぶ枯れ色のエオリカ平原で、エリクは風に飛ばされそうになる襟巻(えりま)きを押さえながら地平を眺めた。

 南部では野が春めき始める季節だというのに、黄皇国内でも北寄りのジョイア地方は冬に取り残されたまま。雪の降る日こそ減ったとは言え春神(ミズラフ)の祝福はまだ遠い。平原にいくつも連なるゆるやかな丘陵を越え、北から吹きつける風は亜熱帯育ちのエリクには冷たすぎた。叶うことなら一刻も早く城に入って暖を取りたいのだが──と、再び視線を街道の先へ戻したところでふと気づく。


「シグムンド様」


 と思わず主の背に呼びかけたものの、エリクが声をかけるよりも早くシグムンドも城から飛び出してきた複数の騎影に気がついたようだった。騎数は十。

 いずれの馬も竜騎兵団に属する亜竜のごとき鋼鉄の鎧を身にまとい、輓馬(ばんば)を思わせる力強さで地を掻いて接近してくる。先頭を()せているのはかなり大柄な禿頭(とくとう)の男。見ているこっちが寒くなるような頭だが、(たくま)しい肉体は騎馬がまとっているのと同じ白銀の鎧に包まれていた。年齢はシグムンドよりやや上くらいだろうか。

 立派な口髭(くちひげ)を北風にそよがせながら馬を駆る男の背後では、従騎が掲げる黄都守護隊旗──竜守る天馬の紋章が(ひるがえ)っている。

 恐らくは新隊長(シグムンド)の出迎えにやってきた黄都守護隊の将官だろう。

 男の姿を認めたシグムンドは右手を挙げてエリクたちに静止を促した。

 ゆえにエリクも手綱を絞り、先日買いつけたばかりの軍馬の歩みを止める。


「シグムンド・メイナード将軍でいらっしゃいますか」

「いかにも」


 やがて彼我の距離が二十(アナフ)(百メートル)ほどのところまで近づくと、男の方がぎょっとするほどの大音声(だいおんじょう)でそう尋ねてきた。いかにも歴戦の指揮官といった風体に(たが)わず、戦場でもよく通りそうな野太い声だ。

 ほどなくエリクたちの目の前で馬を止めた男の眼光は鋭かった。顔つきも遠目に見た印象よりいかめしく、気の弱い者なら睨まれただけで腰を抜かしそうだ。

 何より鎧を着込んだ図体の威圧感がすごい。

 馬を下りたら身の丈は三十八(アレー)(一九○センチ)に届くはず。何か粗相をしようものなら雷のごとき怒号が飛んできそうで、エリクはごくりと生唾を飲んだ。


「ご無沙汰しております、メイナード卿。ご挨拶が遅れて申し訳ござらぬ。此度(こたび)は異例の昇格と黄都守護隊長としてのご着任、誠におめでとうございます」

「久しいな、バントック卿。こちらこそ長らく隊長代理を任せきりですまなかった。ラオス殿の後任として収まるには卑小の身だが、今日から何卒(なにとぞ)よろしく頼む」

「ご謙遜を。我ら一同、次なる隊長が貴殿と(うかが)い、揃って胸を撫で下ろしておったところです。万一隊長と呼ぶにも値しない下郎めがのうのうと現れようものなら、素っ首()()って黄都へ送り返すつもりでおりましたからな」

「相変わらず剛毅(ごうき)なことだ。では私も今日よりは、この首捩じ切られぬよう最善を尽くさねばなるまい」

「我々もそのように願っております。貴殿には無用の心配でありましょうがな」


 そう言ってニヤリと笑った禿頭の男を見やり、エリクはふたつの意味で震え上がった。何しろバントック卿と呼ばれた男は今、隊の総意にそぐわなければ上官殺しも(いと)わぬとほのめかしたばかりか、場合によってはシグムンドに対しても容赦しないと脅してみせたのだ。そんな馬鹿な話があるだろうか。

 エリクの記憶の照合が確かなら彼はブレント・バントック。黄都守護隊第一部隊、通称『鉄馬隊(てつばたい)』の隊長だ。黄都守護隊に在籍している五人の部将の中では最年長で、爵位は晶爵(しょうしゃく)。つまり家格も階級もシグムンドより劣るというのにこの不遜な態度は何事だろう。エリクは主が侮辱されたと感じて色めき立った。が、ときにこちらを(かえり)みたスウェインに目だけで制される──〝余計な口を挟むな〟と。


「しかしまずは長旅でお疲れでしょう。早速我らの城へご案内(つかまつ)ります。他の部隊長たちも将軍のご到着を首を長くしてお待ちしておりますゆえ」

「そうであってくれると有り難いのだが。では先導は頼んだぞ、バントック卿」

「お任せあれ。ですがその前に、私めのことはどうぞ〝ブレント〟と気安くお呼び下され。今日からは貴殿とも上官と部下の関係になるのですからな」

「心遣い痛み入る。では今後は遠慮なく上の名で呼ばせていただこう」


 貴族同士の機微というやつなのだろうか、シグムンドはブレントの非礼を(とが)めることなく、むしろ下手に出ているとも取れる鄭重(ていちょう)な態度で接していた。

 あるいはブレントが年上であることを顧慮してのことなのかもしれないが、隊長就任初日からそんなことでいいのだろうか。

 黄都で保守派貴族たちと相対(あいたい)しているときのふてぶてしさはどこへやら、今のシグムンドはまるで借りてきた猫のようだった。かくて談笑しながら前を行くふたりをエリクが怪訝(けげん)な面持ちで眺めていると、不意にスウェインが馬を寄せてくる。


「アンゼルム。くれぐれもバントック殿に無礼な態度は取るなよ。あの方は黄都守護隊唯一の良心だ。彼を失えばいかなシグムンド様と言えど、隊をまとめるのは至難の(わざ)かもしれん」

「黄都守護隊の良心? 彼がですか?」

「さっきお前が言っていただろう、黄都守護隊は軍内でも屈指の()()()()()()だと。要するに他の将校はさらに難物揃いで扱いにくいということだ。その点、バントック殿は非常にまっとうな軍人貴族で、先代隊長であるラオス将軍の信頼も厚かった。何しろ本人が固辞していなければ、彼は今頃大将軍のひとりとして一地方を任されていたはずだからな」

「えっ……つ、つまり統帥(とうすい)候補だったということですか? で、でしたら何故今も中級将校の座に甘んじていらっしゃるのです?」

「正黄戦争終結後、ラオス将軍が唱えた黄都守護隊の設立に賛同し、彼の下で働くことを望んだからだ。現在オディオ地方の統帥に任じられているハーマン将軍はもともとバントック殿の部下で、あの方が若くして大将軍の座に就けたのもバントック殿の推挙があったためだと言われている。彼は自分が大将軍を辞退する代わりに、己の部下を軍のトップへ押し上げたんだ。家格の昇格すら拒んでな」


 正直エリクは度肝を抜かれた。何故ならトラモント黄皇国軍において、大将軍の肩書きを名乗れるのは基本的に各地を治める五人の統帥と近衛軍団長、そして第一軍副統帥の七名だけだ。つまり雲霞(うんか)のごとくいる将校の中でも、大将軍として歴史に名を残すことができるのはほんのひと握りの傑物のみということになる。

 ところがブレントはその大将軍として取り立てられることを拒み、自分の部下の方が統帥にふさわしいと言って推薦したというのだ。確かにエリクも黄皇国の軍制について学んでいたとき、現在のオディオ地方統帥はずいぶん若いなと感心した覚えがあるが、まさか彼の栄達の裏にそんな経緯があったとは夢にも思わなかった。

 要するに今のスウェインの話が事実なら、ブレントは本来大将軍にも匹敵する実力を持った軍人ということになる。本人が拒まなければ家格もガルテリオと並ぶ詩爵位(ししゃくい)まで昇格になっていただろうし、そう考えればひとつ下の翼爵位(よくしゃくい)にいるシグムンドが彼に(うやうや)しい態度を取るのも納得だった。


「で、ですがまさか大将軍格の人物が部隊長のひとりとして在籍しているとは……あ、あの、ではよもや黄都守護隊の将校たちは、ブレント殿のような陰の実力者ばかりだったりするのでしょうか?」

「いや。バントック殿を除く四名の部隊長のうち一名は元傭兵、二名は平民出身だ。いずれも正黄戦争で功を挙げた者たちでな。爵位こそ持たないものの、軍人としての実力は確かだと聞いている。歳もまだ若かったはずだ」

「そ、そうですか……私でも親しくなれそうな方がいてほっとしました。ですが残りの一名は?」

「ああ……彼は皇位継承権第九位にいる名家の子弟だ。くれぐれも不興を買わないようにな」


 と、いつもどおりの無表情と抑揚のない声で言い置いて、スウェインは乗騎に軽く鞭をくれた。すると彼を乗せた青鹿毛(あおかげ)は歩調を速め、軽快な足取りでシグムンドたちを追いかける。しかし後方に取り残されたエリクは、常歩(なみあし)でのんびり進む鹿毛の背に揺られたまま固まっていることしかできなかった。

 いや、だって──皇位継承権第九位にいる貴族だって?

 そんなとんでもない人物が黄都守護隊にいるなんて聞いていない。

 シグムンドも特に言及していなかったし、何かの間違いではなかろうか?


(いや、けど、あのスウェイン殿が誤った情報を伝達するとも思えない……ということは、俺は今日から未来の黄帝になるかもしれない御仁(ごじん)と毎日顔を合わせて過ごすってことか……?)


 そう思い至ったら、暑くもないのにだらだらと汗が垂れてきた。しかしエリクが心の準備をする暇もなく、スッドスクード城の城門がもうすぐそこに迫っている。


「黄都守護隊新隊長、シグムンド・メイナード将軍のご到着である。全軍敬礼!」


 瞬間、城門の真下に到着したブレントが大地も割れんばかりの号令を発した。

 すると城門の向こう、新隊長(シグムンド)を迎えるために居並んでいた将士が一斉に足を踏み鳴らし、拱手(サリュート)を組んで、寸分の乱れもなく声を揃える。


黄皇国万歳(ヴィヴァ・パトーリア)!」


 巨大な灰色の石の城が鳴動するかのような唱和だった。

 神術の爆音にも慣らされたはずの軍馬がびくりと怯えるのを視界の端に留めながら、エリクはビリビリと音を立てる空気の振動を感じ取る。


「歓迎致します、メイナード将軍。ようこそ、黄都守護隊へ」


 そのときエリクはようやく理解した。


 ──ああ、どうやら自分はとんでもない部隊に配属になったらしい、と。



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