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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
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第3話 遭遇

一本の街道を砂ぼこりをあげながら、ものすごい速度で駆け抜ける一頭の馬がいた。

まぁオレ達のことなんだけど……

草原から街道のようなものに出たのはいいけど、人が見当たらない。

もう一時間は街道に出てから走っている。ほーくんが……

まさか、人がいない世界とかないよね?

とか考えていると、前から金属がぶつかる音が聞こえる。

オレは、ほーくんの首を撫でて指示をだす。


「たぶん、人がいるから急いで!すぐ着くとは思うけど」

「ブルル!(了解です!)」


ほーくんが速度を上げた。

これ、全力じゃね?

5秒もかからずに着いたが、ほーくんの息が上がっている。


「ご苦労様、かごのなかで休んで」

「ブルっ……」


これからあまり、急げと言わないようにしよう。

ほーくんが辛そうだし。


っとそのことは置いておいて……

前を見ると人が魔物の群れに教われていた。

武器を持った四人組がゴブリンとオーガに囲まれている。

20はいるかな?


「一匹ずつ確実に倒せ!!隙を見せるな!」


大剣を持った大きな男が叫んだ。


ヤバそうだなぁ……


相当消耗しているらしい。

辺りには30を越えるゴブリンとオーガの死体があった。

ずっと戦っているのだろう。

オレは、男に声をかけた。


「おーい!助けはいるかぁ?」

「誰だ?!誰か知らんが頼む!俺達もうギリギリなんだ!」

「りょーかぁーい!!」


助けを頼まれたオレは、持ち物リストからただの鉄の片手剣を出した。


「キング!行くぞ!変化したままいけるか?」

『ゴブリンとオーガごときならこのままでも余裕ですよ!』

「よしっ!!」


オレは、剣を肩に担ぎ、魔物の群れに突っ込んだ!

もともと喧嘩とか戦いに無縁のオレだったが、ゲストの体ならイケる気がした。

ゲームの時のように流れるようにゴブリン達を斬り伏せていく。

すごいすごい!

オレ、めちゃくちゃ強いぞ!

ゴブリン達の首を斬り裂き、または縦に割っていく。

4mもあるオーガに対しては、足を斬り、倒してから頭に突き刺す。

オレの反対側ではキングが無双してた。

美少年の姿でゴブリンとオーガの顔を殴って潰していた。


「あはははっ!!弱すぎですよ!あなた達!」


ちょっと引いたわ……

ほら四人組の方達も引きつってますよ!

とはいえ1分もかからず終わった。


「あ、ありがとう……、ほ、ホントに助かったよ……」

「いえいえ、大したことではないから気にしないで」


未だに引きつってますよ、この男。

ちょっとやり過ぎた感あるなぁ。

しょうがないじゃん!

なにが普通かわからないんだし!


「とりあえず、一息つこう!かなり消耗してるでしょ?」

「すまない……」


オレは、死体の片付けをキングに指示して彼らと話をするために腰を下ろした。


「オレの名前はゲスト!そしてアイツはキング!いろいろ質問していいか?オレ達こっちに来たばかりでなにもわからないんだ。」

「構わないぞ。助けてもらったんだ、それくらいなんでもない!オレは、グスタフ!このパーティーのリーダーだ。」


それからしばらく休憩ついでに話を聞いた。

彼らは冒険者らしい。

依頼を受け、魔物の討伐、植物の採集などをする職業らしい。

要は何でも屋ってことだ。

リーダーのグスタフは重戦士って感じだ。

実際にはジョブはメインが戦士、サブがウォーリアーらしい。

サブリーダーはフィリーネ。

金髪巨乳の美人さんだ。

魔法使いらしい。

魔力切れで魔物の殲滅ができなかったらしい。

それからニーナ。

槍士と剣士をやっているポニーテールのかわいこちゃん!

で、最年少のスヴェン。

彼はレンジャー駆け出しだった。

そして彼は無口だった。


ここから近い街について聞いた。

1番近い街がアンファングという街だった。

今いる場所から歩いて半日の場所にあるらしい。

街の名前を聞いて驚いた。

アンファングという街はゲームに存在する街で、ゲームを始めて最初に訪れる街だった。


ということは、やはりゲームの世界と同じということかもしれない。

お金についても聞いてみた。

オレが持っている硬貨、ゲームの中で使っていたお金だが、この世界で使われているものと同じだった。

所持金を言ったら引かれたが……

オレの今の所持金、金貨にして1000万枚。

それは、小さな国の国家予算レベルだった。

この世界で建国でもするか(笑)

実際に出すまで信じてはもらえなかったが……

出す時も何もない虚空から出したもんだからまた驚かれたが。

空間魔法が使えるのかと言われてしまった。

ジョブを変えれば使えるが……


オレのことも話した。

聞いてばかりじゃ悪いしね。

腰に下げたかごを軽く叩きながらテイマーだと話した。

そしてキングのことも。

彼らは驚くのが疲れたのか呆れ顔だったが……

っと話し込んでいたらグスタフが言った。


「そろそろ出発しないと。夜になったら門が閉まるからな。

今日中に帰る予定だったし。」

「了解!案内頼んでもいいか?」

「構わないぞ!」


グスタフの言葉に皆が立ち上がる。

冒険者組が歩き出そうとしたときに、オレは声をかけた。


「どうせなら、早く着いたほうがいいよな?」

「それができるならそうしたいが……」

「じゃあこいつに乗るか!」


かごの中からオレは、一匹の魔物を取り出した。


「グオォーー!!!」

「「ひぃぃぃ!」」


女性二人の悲鳴が響く!

オレが出したのはドラゴンだ。


「おぉーー!!でっかいなぁー!リュート!元気か?!」

「当たり前だ!ゲストよ!何用だ?」

「オレ達を近くの街まで乗せてくれ!」

「わかった!みな我の背に乗れ!」


オレが出したドラゴンは、フレアレッドドラゴンのリュートだ。

10mを越える体躯で、口からあらゆる物を灰にする青い炎を吐き、戦闘機のように早く空を飛ぶ。流石に音速は無理だが。

女性二人は抱き合いながら震えている。

スヴェンは直立したまま動かない。

気絶してる?

グスタフは意識を保っているもののカチカチと歯が鳴っている。


「おーい!みんな大丈夫?ちゃんとテイムしてるから安心だよぉ!襲われてもオレが斬るから大丈夫よぉ!」

「なっ?!!ゲストよ、それは流石にないし、酷いぞ……」


リュートが震えているのを見てグスタフが口を開いた。


「ほ、ホントに大丈夫なんだな?」

「青年よ、安心しろ。ゲストは我の主人だ。そして主人の友人を襲うはずがなかろう。」

「わ、わかった……街までよろしく頼む……」


その会話を聞いてか、女性二人も落ち着き、スヴェンも帰って来た。


「ゲストさんって何者?こんなドラゴンが配下なんて偉い人?魔王?」


フィリーネがボソボソ呟いていた。

全部聞こえていたが、聞いてないフリをした。

そして皆が背中に乗った。


「よし!じゃあリュート頼むよぉ!」

「了解だ!皆、しっかり捕まっておれよ!」


グオォーー!!!っとリュートは吠え、アンファングに向かい飛び上がった。

冒険者組の悲鳴を響かせながら。


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