第2話 確認
今、オレは、広い草原に立っている
そして、オレの目の前にはスライムがいる。
こっちに接近している。
キョロキョロと辺りを見回しても誰もいない。
やはりオレに接近している。
怖くなり身構えるが何故か嫌悪感がない。
気になって頭に浮かぶ名前を呼んでみた。
「お前、キングか?」
するとスライムは感情表現なのか激しく上下にプルプルしている。
『ご主人、当たり前じゃないですか!』
少年のような声が頭の中で響く。
予想していたことが1つ当たった。
オレのゲームの中での相棒、メガスライムのキングだった。
「じゃあオレのことはどう見える?」
「どうって?ご主人、ゲスト様に見えますが……」
やっぱりかぁー!!
どうやらオレは、ゲームのアバターの姿になってるらしい。
ってことは、ここはゲームの中か?
「ここどこかわかるか?」
「さぁ?自分も気づいたらここにいたので」
ゲームとは違うのかぁ?
ゲームでできたこといろいろ試すしかないかな。
ひとまずログアウトしようと言葉にしてみたがダメだった。
次にメニュー画面の表示もできなかった。
できたとしたらどうなるのか。
そしてステータス表示。
これはできた。
ネームはゲスト、ジョブはテイマーと魔法剣士。
最後にプレイしてたときと同じだ。
レベルもそのままだった。
そしてかごの中身の確認だ。
もし他の子達がいなかったら泣ける。
恐る恐る確認の為にかごを覗いた。
テイムした魔物みんな健在だった。
ホントに良かった。
あとは、持ち物確認もした。
持ち物リストが目の前に表示された。
思わずうわっと声をあげてしまった。
装備品や回復アイテムの類いもしっかり残ってた。
生きるだけならしばらくは安心だろう。
今、オレがどこにいるかはわからない。
確認しないと……
「キング!移動するぞ!何が起きたか調べないと!人に見られると不味いから変化してくれ!」
「了解です!」
するとキングはプルプルと蠢き、あっという間に10才くらいの少年の姿になった。
かなりの美少年である。
「こんなに美少年だったか?そう設定したっけ?」
「これはご主人の子供時代を想像して変化したのです!美少年になって当たり前です!!」
「えっ?!」
ってことはオレ、今かなりのイケメンか?
女の子にモテモテじゃないのか?
まてまて、そんなことはどうでも……良くはないが置いておこう。
とりあえず人に会ってみなければ。
オレは、移動手段と実験の為に一匹の魔物を出した。
でっかい馬、グレートホースだ。
っことで魔物の呼び出し実験は成功だ。
このグレートホース、競走馬の体躯を越す3mの高さがある。
その体格に似合わず全力を出せばF1カー並の速度で走ることができる。数秒だが……
そしてオレが育てた(ゲームの中でだが……)グレートホースはスピードに特化させている為に音速に迫る速度も出せる。数秒だが……
このグレートホースに、オレと美少年と化したキングが跨がる。
「ほーくん、元気か?とりあえず人がいそうなとこまで頼むね」
「ブルルル!!(任せてください!主様!!)」
そんなわけでグレートホース、ほーくんはすごいスピードで走った。
全力じゃないよ!数秒で力尽きるから!!