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翡翠の守護書庫 17

「ん~、どうしたの?」


 起き抜けのレイアがベッドから体を起こしながら聞いてくる。


「コレを見てどう思う?」


 私の手にしている物を見ると寝惚け眼が急速に見開かれて行く


「凄く・・・大きい魔石!」



 いま、長さ30cm、直径10cm程の水晶の魔石を持っている、ついさっき、目が覚めて一番最初に魔石の状態を見ようと壺を見ると蓋が傾いていた、おかしいと思いそっと蓋を取ると水晶の先端が現れた、左手で壺を抑えて、右手で水晶をつかみクッと力を入れるとペキッと音を立てて水晶が壺からはがれたた。そのまま水晶を引き抜く、エーテルは水晶には元から触れてなかったかのように引き抜くと同時に一滴残らず壺に落ちて行った。


「どうしようコレ、貰っちゃダメかな、私が作ったのだしいいよね!」


 人にあまり見せられない、いい笑顔をしながらのたまうが、すぐさま反論が有った。


「いやいやダメでしょ、諸々の材料は研究所が用意したものなんだからちゃんと聞かなくちゃ」

「けど手放したくない」

「けど、作ったものは提出しなきゃいけないんじゃなかったの?」

「うぐ」

「手放したくないのなら一旦提出して、その後返してもらう交渉するしかないんじゃないの?」

「うーん、それが最善かな・・・あ!」

「どうしたの?」

「もう一個作ればいいんだ!」

「着服しちゃ駄目よ」

「そ、そんなことしません、え~っとあれです、交渉の材料にするんです」


 さて、目論見が一瞬でバレたけど取りあえず作ろう。エーテルは見た感じ殆ど減ってない、魔石の大きさからみて、昨日貰ったて全部入れた水晶は殆ど使われたと思うから、代わりに手持ちの水晶を使えばいい形が不恰好とか小さかったりするのがタップリある、と言うか王都から出るときたくさん貰ってきた、、魔力は寝たので完全に回復してるから問題なし。

 と言うわけで即実行!仕込み完了!後は待つだけ。


「これで良しっと」

「リタ・・・あなた、結構あれねぇ、それでどうするの?その魔水晶を見せに行く?」

「そうですか?いつも通りですけど、魔水晶は明日提出かな、もう一個が上手く行くか分からないけど、出来たら二つある状態で交渉した方が良いと思うし、それに今日は幾つか行きたい場所が有るので」

「私も出かけるわ、今日は魔道具クラブ所有の工房に行こうと思ってたし、ついでに魔石について調べてみるね」

「私も図書館で調べてみる」


 この後レイアに夜のパーティーに遅れないようにだけ釘を刺されて寮を出た。最初に向かったのは教会だ、王都から出る前にクリューデさんからここの教会宛の手紙を託されている、届けるのは暇な時で良いと言われたので色々回る前に届けてしまおう。

 朝から営業している屋台で朝食を買って食べながらサクサク歩いて教会に到着、王都の教会より小さいがそれでも大きな教会だ、教会の扉をくぐり中に入る、お爺ちゃんお婆ちゃんが拝礼しているだけで他はシスターが居るだけだった、朝も早いからこんなもんなのだろう。


「おはようございます、少しよろしいですか?」

「はい、おはようございます、何か御用でしょうか?」

「王都の教会のクリューデさんからお手紙を預かっていますのでそれを届けにきました」


 言い終ると同時にシスターに手紙を渡そうとするが受け取らない、シスターは手紙を見ているだけだ、いや。手紙の封蝋と著名をみて固まってるので声を掛けようかと思っていると再起動が完了したのか、少し待っていてほしいと言われ、小走り、じゃないな普通に走って奥の扉へ入っていった。直ぐに戻ってきたが今度は一緒に初老でめがねの神父さんも一緒だった。


「おはよう、お嬢さん、手紙を届けてくれた用だけど私には見せて貰えるかな」

「はい、こちらですどうぞ」

「はい、確かに、どれどれ」


 神父さんはめがねをずらして目を細めて手紙の宛名と、封蝋をみたとたんに冷や汗を出し始めた。


「君、手紙を出した方は何か言っていたかい?」

「えーと、いつでもいいから届けることあとは・・・ああ、手紙を読み終わるまで待って居るように言われました」

「そうか、解った覚悟を決めなければな、応接間まで案内しよう、君は私とこの子にお茶を入れてきてくれ」

「解りました、ご武運を」


 さっきからちょいちょい戦争映画で死地に突入するみたいな台詞が出てるけど何なんだ?ただ手紙を届けに来ただけなんだけどな。

 応接間でお茶をすすりながら神父さんが手紙を読み終わるのを待っている、始めは地雷原でも歩かされるような顔をしていたが読んでいくに従って徐々に顔の強張りがとれていき最後には地雷原を抜けて楽園にでもついたような晴れやかな顔に成っていた。


「ふう、君はこの手紙の内容を知らないのだね」

「はい一切知りません、何が書かれていたのですか?」


 流石にあそこまで百面相されたら気にもなる


「端的に言えば、君が回復魔法を使えるから何か有事の際に協力して貰うようにと、逆に何か手伝えることがあれば無理の無い範囲での協力するようにと書かれていたよ」


 手紙を差し出されたので読んでみると確かにそんな風に書いてある、割と普通だった、何であんなにびびってたんだ?

 まあ、取りあえずミッション終了だ、次は図書館に行こう。としたのだが。


「このあと一緒にお祈りをどうですか?今、この生を女神さまに感謝したい気持ちなのですよ」

胸膜炎治りました、一時はしゃっくりとかゲップするだけでもメッチャ痛かったけど薬飲んで寝てたら治りました。

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