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翡翠の守護書庫 13

ゴンドと言う教官にお説教をしているのでどうしようかと思っていると、フレーラが、ガーズ教官に寄っていき何か伝えると、


「なるほど、それは良い、総務を丸め込めるかもしれない」

「研究されている方への根回しはお願いしますわ、こっちは私が何とか致しますので」


 話し終わると二人ともこっちを見ながらいい笑顔だった。嫌な予感がする。

 そんなこんなをしている内に戦闘訓練は終わったので、呼び出しを受けている生徒議員室に向かわなければ成らないのだが、訓練の時間が終わると同時にどこからともなく大量の人が新入生に詰め寄ってきた。


「そこのかわいい君!被服研究会に入らない!かわいい服のモデルを探してるのよ!」

「いやいや、そんなクラブより、我々の武装鑑賞部で様々な武器や防具を愛でようでは無いか!」

「是非、深淵を覗く会で一緒に深淵を覗きましょう」


 等々元いた世界にも有りそうな物から何かしらヤバそうな物まで、様ざまなクラブ勧誘の波だった、ちょっとした本ができそうなくらいの勧誘チラシを渡されながらも一旦寮に帰って来た。チラシは帰ってから読むとして、訓練で制服が汚れたので着替え様と思ったのだが、いつの間にか汚れが無くなっていた、どうも自動浄化効果が有るらしい、無駄に高性能な制服だ。服はいいとして体は汗をかいたので風呂で最低でも汗を流してから行こう、無属性魔法で体を洗う魔法でもないだろうか。


 さっぱりしたので、獲物、もとい新入生を狙う勧誘者に見つからない様にしながら案内板で場所を確認して生徒議員室向かう。


コンコンと扉をノックし中から「少々お待ちください」と聞いたことのある声で返事が有ったので似た声の人も居るもんだな~などと考えていたが、開かれた扉からは知った顔が有った。


「生徒議員室にようこそ」


 そこには柔和な笑みを浮かべる人が居た。


「なんでフレーラがここに?」

「私たちも今年の生徒議員だからですわ、ただちょっと特殊に成りますけどね」


 初日の生徒議員発表時には出てこなかったはずだがはて?それともう一つ。


「達?」


 言葉に疑問を持ち部屋の中を見るとマーサとウルリーカも居た。


「なるほど達ね、どうして黙っていたの?言ってくれれば一緒に来れたのに」

「ふふふ、リタさんの驚く顔が見たかったのでつい、一応言いますけど、私たちはウルリーカに[クリーン]を掛けて貰って綺麗にしましたので汗臭くは有りませんことよ」

「そろそろ私も話をしたいのだがいいかな?なんで彼女たちが居るのかも説明しよう」

「すいません生徒議長、さあどうぞ中へ」


 中に案内され長机の下座まで来たところで挨拶をした。


「お初にお目にかかります、リタ=ラインバースと言います」

「ご丁寧にありがとうリタ君、そんなに硬くならなくても大丈夫だよ、まあまずは座ってくれたまえ」


 ふかふかとした椅子に座る、フレーラは私の右前、マーサとウルリーカは左前にそれぞれ座っている、他に15人座っている。


「御足労すまないね、知っていると思うが生徒議長のユンカー=フィロツだよろしく、早速だが、なぜ君を呼んだかなんだが、端的に言って魔力量が多い事と的の破壊の件で呼ばせてもらった」


 ああやはり、ミスリル製は高いんだろうな・・・


「弁償でしょうか・・・」


 どうやって金も稼ごうか考えていると笑い声が聞こえてきた。


「ハッハッハッ!違う違う、あの的は防具開発のための素材耐久実験も兼ねていたからね、中々壊れずにいたから研究が滞ってた様でね、開発している素材研究者達はどう壊れるか分かったと言って喜んでたよ、でだ、その研究者チームから君に研究を手伝ってほしいと言われたのが一つ、魔力量が膨大なので魔導研究者達から魔石生成を手伝って欲しいと言うのがもう一つ、最後にこの都市の治安維持に協力してほしい、この三つが君を呼んだ理由さ」


 とりあえず弁償でないと分かったので一安心だが


「そうでしたか、能力を評価して下さった様でありがとうございます、正直どれも乗り気ではないですが、魔石の生成だけ興味が有ります」

「まあまあ、そう結論を急がずに、もう少し補足しよう、これら三つに関しては基本報酬と成功報酬としてお金が出る、他に材研と魔導研からは素材や機材を優遇してもらえる、治安維持はたまに森から魔獣が押し寄せるからそれの迎撃協力をお願いしたい、ついでに都市内で犯罪を見付けた場合取り締まることも出来るようになるけど別に強制ではないからおまけ見たいなものかな」

「特にお金が欲しいわけでも使いたい機材が有るわけでも無いのでやっぱり魔導研以外はちょっと」


 私はNOと言える日本人、魔石の生成は興味あるから話を聞くだけでも聞いてみよう、ほかのめんどくさい事に時間を取られる位なら翡翠図書館で調べ物をする。


「議長、やはり断られましたね」

「ああ、フレーラ君の言った通だった、ではこの後はお願いするよ」

「はい、ではリタさん、先ほどの依頼を受けてくださればいい物を差し上げますわ」

「良い物?」

「そうですね、具体的には、こちらなどはどうでしょうか」


 フレーラの手には透明で深く青い鉱石が有った、掌の半分ほどの大きさのまだ磨かれていない原石に母岩(宝石や鉱床等の周りに存在する岩石の総称)もついている、これは


「それはアイオライトですか?」

「流石です、どうでしょうか?まずこの三つを受けて頂ければこちらを差し上げましょう、そして、それらの成功報酬を私の持っている原石の価値と釣り合えばお渡しするという条件でお受けいただけませんか」


 ふっ、そんなことで私が受けるとお思いか!


「はい!よろしくお願いします!」

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