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翡翠の守護書庫 7

「ところでパーティーが有るなんて言っていましたか?」

「生徒議長が言っていたわ、明後日の夜に入学祝いのパーティーがあるから制服を着て来なさいって」


 そういえば言っていた気がするけど、その後の呼び出しのせいで忘れていた。


「その後の呼び出しの事で忘れていました」

「そういえば誰が呼ばれたのかしらね」

「私ですね」


 制服に着替えたレイアが詰め寄ってきて私の顔を両手で挟んでムニムニしてきた。


「かわいい顔して入学の早々に何をしたのよ」

「何もふぃてまうふぇん、ただ」


 頬の手をはがしてから続きを言う


「生徒議員に成らないか学長に聞かれて、断ったのでそのことかと思います」

「てことは、主席合格って貴方だったのね!へ~、あの土壁の魔女がこんな小さかった何て思わなかったわ」


 ん?土壁の魔女?


「あの~、土壁の魔女って何でしょうか?」

「私は見てないんだけど、土壁作り出してそれを更に魔法を飛ばして的を穴だらけにしたんでしょ、あのミスリル製の的を」


 ミスリル?なんでそんな高い物で的なんか作ってるんだ・・・確かミスリルは魔法に耐性が高いはずだから何百人も魔法を当てるから丈夫な方がいいのか?


「あ~、あの時の試験管の驚きはそのせいだったのですね・・・生徒議長からの呼び出しで修理費を請求される可能性も出てきましたか・・・」

「ご愁傷さま、けどきっと大丈夫よ、それだけ凄ければ直ぐに返済できるわ、それよりこの後はどうする?何所かお昼でも食べに行く?」

「あ、いけない、ルースとお昼を食べようと待ち合わせしてたんでした!」

「私も行っていいかしら?」

「もちろんです、ルースにも紹介しなくちゃいけませんから」


 服は制服のまま女子寮から出ると、隣の男子寮の前にルースともう二人立っていた、一人はお兄様だが残りの一人は知らない人だ。


「ごめんなさいルース、相部屋のレイアとお話ししていたら遅くなってしまいました」

「大丈夫だよ、時間も決めてなかったし、リウス兄と相部屋に成ったヴェルナーと喋ってたから」

「リタ!やっぱり制服も良く似合うな、この後はアーリーと合流して6人で昼を食べながら親睦を深めようじゃないか」


::::::


「「「入学にカンパーイ!!!」」」


 コンッ、と木製のコップに入ったワイン、ではなくブドウジュースで乾杯をしてそれぞれの自己紹介に成った。

私、レイアさん、ルースとつづき、次はヴェルナー君だ。


「は、初めまして、ヴェルナー=ヴェルベルトです、年は11歳、出身は古都ヘルトで両親は冒険者をしています。ここには魔獣の研究をしたくて入学しました」

「魔獣の研究ですか、それはどのような風にですか?」

「興味が有るのは魔獣の生態や戦い方等です、もちろん体の仕組みや魔獣特有の器官なども興味が有ります!」

「あら、いいわね魔道具には魔獣の一部を使うものもあるし、魔石は基本的に必要だし今度語らいましょ」

「魔石の話は私も興味有りますから私も一緒させてください」


 お兄様とアーリーさんの自己紹介した後は、雑談をしながら食事をして、みんな食べ終わった後は、露店をめぐることに成った、しばらく見て回っていると、ここまで送って頂いたカーターさんの露店を見つけたのであいさつに行くと、硬貨の入った袋を渡してきた。


「あの、このお金は?」

「何って、この前の盗賊の報奨金と売り払った分の嬢ちゃんの取り分だ、昨日届いてな、手すきの時に寮に行こうと思ったんだが手間が省けたわい、金額が多いのはどうも賞金首か首領格が居たみたいでなそれでだろう」


 受け取った袋の中身を見ると金貨と銀貨が1対2の割合で入っていた、そこそこ詰まった袋なので結構な金額だ。貰えるものは貰う主義だがちょっと貰いすぎなので一部だけ受け取ろうとするが断られた。


「それは嬢ちゃんの打ちのめした盗賊分だからしっかり受け取らないと駄目だ!」

「ん~分かりました、だったら何か買い物で還元します、何か良い物は有りますか?」

「よし、だったらこの白砂糖か岩塩、ガラス瓶なんかがおすすめだ、どれもそうそうダメにならないからな」

「砂糖は1キロ、岩塩は500グラム下さい、ガラス瓶は幅が広くて倒れにくい物が有ればお願いします」

「あいよ!」


 岩塩とガラス瓶はそんなに高くなかったが、白砂糖はやはり生成に手間が掛かるからか高かった、それだけで金貨1枚もするのか。


「リタ姉、そんなに買ってどうするの?」

「ちょっとやってみたいことが有ってね、それよりルース、気に成ることが有るんだけど」

「どうしたの?リタ姐?」

「それよ、リタ姐じゃなくて、リタって呼び捨てで良いんじゃないかしら、同じ学年に成ったんだから問題ないわよ」

「え~と・・・り、リタ?・・・すっごく変な感じがする」

「慣れよ慣れ、そのうち違和感も無くなるわ」

「ほい、お待ち!」


 革袋に小分けにされた砂糖と岩塩、瓶は割れない様に敷き藁と一緒に箱詰された物を受け取った。去り際にもうしばらくここで露店を出しているので何かあったら来なさいと言われた。


 ぷらぷらといくつかの露店やアーリーさんおすすめの店を見て回って私はいろいろ買い込みながら、ほかの人もちょっと買い物を楽しんでから寮に帰って来た。

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