表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/35

翡翠の守護書庫 6

 この都市は大小の正方形を重ねたような不思議な形をしている、何かに似ていると思ったらビスマスの人工結晶に似てるんだな、なんかすっきりした。

 初めに都市の説明が有った。聞いていくと人や施設が増えればその都度大きくしていったようで魔獣用の外壁の無い場所すらあるそうだ、魔獣が来たらどうするんだろうか?

 え?そこらじゅう魔導・非魔導式のトラップが仕掛けてあるから絶対に近づくな?外壁代わりに凶悪な物を仕掛けてあるとか怖いな。

 まず真ん中に領主の住居兼中央議会所、この都市と領地は特別に議会制が採用されている、過去に事あるごとに専門家の意見を採用していった結果らしい。今いるのはそこから西の端にある広場、広場というか一昨日魔法の試験会場だった場所だ、ここでは魔法や剣術など戦闘の訓練、こういった集まりにも使われる。また、気が付かなかったが防御魔法で結界が敷かれてるらしく、魔法はこの広場の内外への通過はできない。

 そこからさらに周辺の施設の説明を受けた。今回入学するクランパ学院はその施設だけで、この都市の半分以上を占めている、なるほど、体力が無ければ移動だけで倒れてしまうかもしれない。

 施設の説明後、授業形態の説明が有った、始めの3ヶ月間は基本的な事、語学、算術、戦闘などの初歩を教えられる。これはどの分野でも最低限必要な知識だからとの事。

 その後は元の世界の大学と似ていて必須と選択の講義に別れている。

 二年目からは選択のみになるらしいが、殆ど研究室に入る様にそれぞれ学びたい学者や技術者の元で研究や修行に明け暮れるらしい、もちろん複数の人の元で学ぶ事も出来る。

 選択の取り方次第では移動が大変らしく学内用の馬車もある。移動用の魔法とか覚えないと駄目かもしれない。


 その他諸々の説明を受けて最後に全員に1つずつカードが配られた。

 これには名前や年齢、入学の年と学生番号が割り振られていて、講義に出席する際に必要になるとのこと、なくさない様に気を付けよう。

 この後は解散となりルースと解れて、一度荷物を取りに戻ってから本決まりの寮の部屋に運んで行った。部屋は二人部屋でもう一人は既に部屋に居た。


「こんにちは、私はレイア=フォーゲン、これからよろしくね!」


 銀髪のロングヘアが輝く大人っぽい人だ。


「リタ=ラインバースです、こちらこそよろしくお願いします、フォーゲンさん」

「レイアって呼んで、フォーゲンだとなんか男っぽいし」

「私もリタで構いません、ラインバースだと呼びづらいですから」

「そうね、あと私の方が年上だと思うけど敬語じゃなくて最も砕けた話方でいいよ、しゃべり辛いでしょ?」

「元々こんな喋り方なので辛くは無いです、多分そのうち馴れてくると思いますよ、ああ、そうだ、これをお近づきの印に」


 魔法の箱(マジックボックス)から何時もの内彫り水晶を取り出す、今回の作品はシンプルな星と月を彫り込んで有る物だ。


「わー!きれいね!これって何処で買ったの?」

「私作です、気に入って貰えたようで良かったです」

「凄いわね、と言う事は、宝石細工を学びに来たのかな?」

「いえ、ここでは魔法や剣術等を学びに来ました」

「あら、私と近いのね、う~ん、今は手持ちに無いから今度これのお返しをするわ。けど、何で魔法や剣術を学びに来たの?」


 聞かれて困ることではないのでざっくりと卒業後の目標を教えた、逆にレイアさんは何故学びに来たのか聞いてみた。


「私?、私はね、魔道具屋の生まれで父さんに教えてもらってたんだけど、もっと面白い物を作りたくなってきちゃってね、その為に珍しい素材を集めるために世界中回ろうと思ってるの、卒業後は流しの魔道具師か冒険者に成って世界中巡って新しい魔道具を開発しようと思ってるの」

「冒険者ですか、いいですね、探しながら旅をするにもお金がいりますから、鉱石を探しながらついでに依頼を受けてお金を貰えればいいですね」

「だったら卒業したら一緒に冒険者に成って旅をするのもいいかもね!」

「そうですね、卒業までに意志が変わって無ければ一緒に世界を巡りましょう!」


 早速未来の冒険者仲間ができた、今のうちから気心知れた人でパーティーを組むのもいいかもしれない。けど、ここで学んだあと冒険者に成ろうという酔狂な人はそんなに多くは居ないかな。


「ところで、この机に置かれた服は制服ですか?」

「そうそう、どうもサイズ調整の魔法が掛かってる見たいで着たら自動調節されるはずよ、パーティーにはこれを着て行くようにって言ってたから今のうちに確認しなくちゃね」


 そういってするする来ていた服を脱ぎ始めた、さっと目線を外して後ろを向いてから自分も着替え始めた。


「女同士なんだからべつに気にしなくてもいいのに」


 ごめんなさい、中身は男なんです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ