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ガゼルの手品師  作者: ドアノブ
3/10

2 追いかけっこ

町を求めて30分程度。

草原を抜け、今は森林地帯の中を足元の道を頼りに歩くのみ。


「暑い・・・。」


本来の自分なら、今頃クーラーをガンガンに効かせた部屋でゲームを貪っていたはず。


俺は何故ここまで来たんだろう?もしくは連れて来られた?

そしてここに来るまでの記憶が無い。俺は記憶喪失者?


考えれば考えるほど謎が深まるばかり。

止めだ止め、考えると貴重なカロリーが落ちる。


・・・そういえば喉が渇いた。

しまった、勝手に脳内で「カロリーが落ちる→食べ物→口に入れる→喉が渇く」というロジックが喉の渇きを刺激してしまった!

水が欲しい・・・いやダメだ!そんなこと考えるな!今はただ歩くだけだ!


と、その時に右斜め前の方向から水の音が。

「みみ水!?」

大量のカロリーと水分を消費し、その水の音がした方向へ走る。


「か・・・かわ!川だあ!」

それにしても結構大きい川だ。向こう岸まで10mはありそうだ。

しかも流れが滝のように速い。だがそんなことはどうでもいい。身体が水分を催促する。

自らの手で皿を作り、水を汲み、口に運ぶ。これを何十回も満足するまで繰り返した。


ようやく一息つくことができた。

それにしても、川はいいものだ。

冷たくて気持ちいいし。ここで野宿するというのもアリかもしれないが、町を探すという目標がある為、旅を続けることにした。


しかし何か変だ。川の流れがさらに速くなっている気がする。

・・・あれおかしいね、川の真ん中に大きな穴が開いた。

そこから大きなザリガニが・・・ってえ!?


「ヴゥ・・・・バウゥ・・・」

巨大なザニガニはまっすぐ俺の方向に進んでいる。

体長5mはあるだろうか。


ザリガニモンスターが俺に向かって一声上げる。


「うわああああああああああ!!!」


ただ走る。闇雲に走る。逃げる逃げる逃げる!殺される殺される殺される!!!

前が見えない。ただ走ることに必死。


そのまま走っていると、気がつけば森を抜けていた。

ザリガニも追ってきてはいなかった。


「はああぁ~・・・」


思わずため息が漏れ、その場で倒れこむ。

森の先も草原だった。

草木が心地良い。


「どうなってんだよ、これ」


もうわからない。なにもわからない。わからなくなりたい。

それにさっき全力疾走した結果、体力が無くなった。

疲労も十分溜まり、疲労は睡魔を誘った。

眠い・・・眠すぎる・・・寝・・・


その時だった。

聞こえた、確かに聞こえた。その音は・・・。


「人!?」

睡魔はどこかのバイキンキャラのように吹っ飛んだ。

人間の声だった!仲間だ!助かったんだ!


疲れた身体を引きずりながら、その声の方向へ向かった。

そして思わず声を上げた。


「町だ!」



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