彼の人となりを
こんにちは見て下さってありがとうございます。本作品は「ランダムお題」を使用して、テーマを決めました。テーマは「遠い・隠しごと」です。
本作品はBLとなっておりますが、性描写はございません。
それでは本編をご覧ください。
住んでいる距離が遠くて、尚且つ中々会えないと隠しごとをしていても明るみに出にくい。
少しまで、私はルームシェアをしていた。髪がさらさらとしていて背が低くて、顔は童顔な同性だった。彼との1年弱の生活はとても楽しくて解消するのはとても苦しかったが、そうしないと彼の夢を潰してしまうことになるから仕方なかった。
彼の生まれは岡山だった。とても大きな実家らしくって、その昔は庄屋をやっていたらしい。彼は中学まで実家で暮らし、高校からは寮で暮らした。大阪に来たのはいくつかの菓子作り専門学校を受けて合格をもらったのが大阪の専門学校と福井の専門学校で、大阪なら何かあっても新幹線に乗ればすぐに帰れるし、学費も安かったから大阪にしたらしい。
大阪で生活をスタートさせてしばらくは順調だった。伯父夫婦が管理をしている賃貸アパートが学校から何駅か離れた場所にあって、そこで生活を始めた。学校の近くにバイト先を見つけ、一人で難なく暮らしていた。忙しくも楽しい日々だったと彼は言っていた。
転機を迎えたのは、その生活が始まり半年が経った時だった。交通事故で伯父夫婦が大けがをした。賃貸は伯父夫婦が住み込みで管理をしていたため、管理人が一時期居なくなった。親戚同士の相談で伯父夫婦の息子で、彼の従兄に当たる人が無職だったので、その人に管理人を任せることにしたのだが、ギャンブル狂いの男で、彼に「臨時家賃」と言い金をせびることもあったらしい。他に住んでいる人にも金をせびり、無ければトイレが壊れようが何があろうと手を貸さずに放置した。彼も実家に相談したのだが、「半年すれば夫婦が帰ってくるので、我慢してくれ」と言われ我慢を続けた。
ある日、家に帰ると部屋が荒らされており、物置の貯金箱にいれていた小銭が無くなっていた。全部で数千円分の小銭が入っていたらしい。彼はすぐに家主である従兄の元に行った。従兄は何やら口ごもるので、事情を聴くと「あんなはした金で大騒ぎするな」と白状したらしい。更に聞き出すと他の部屋でも同じことをやったらしく、全て競馬やボート、パチンコに溶かしたらしい。彼は迷わず警察に連絡し、実家にも連絡をつけ全てを話した。その後分かったことだが、従兄は家賃も全て違法ギャンブルに溶かしていたらしく。警察から帰って来なかった。
あくる日、伯父夫婦を見舞った際、土下座で謝罪された。夫婦の姿を見て、その様をとても気の毒に思ったらしいが、親戚のことはアテにしないほうが良いと判断し、スーツケースに全ての荷物を詰め、友達の家を転々とした。(1話終)