なっ!
「肥料だと!人殺しめ!やはりお前は悪だ!俺の正義で消滅させてやる!」
「あーあー、うっせーなー」
現状の理解も出来ず喚くだけ、そのくせ正義を語るなどなんとも阿呆なことを言う。
「殺しやしねーって言ってんだろ、生かしもしねーがな。」
ただ植えるだけだし・・・
「ま、お前の大好きな魔王も一緒だから心配ないだろ?」
「なっ!」
魔王という言葉を聞いた瞬間から青ざめていく勇者
これはもしかして・・・
「なあ?お前本当に魔王を倒すだけの力があるのか?」
聞いてしまった。
「あっ!あるに決まってるだろ!だから早く解け!開放しろ!」
いっそう暴れる勇者だが、こんな奴が言う事など端から信用できない。
ならば、もう聞くことはないだろう。
そして、勇者を掴み移動する。
「おっす!久しぶりだな!」
「あ!よっちゃんだー!えへへー!」
ヨヅルの元に走ってきたのはイチゴウだった。
「肥料捕まえてきたぞ!今度は悪い勇者だ!栄養がいきわたるぞー!」
「おー!それならちょっと待ってね!供給する養分をちょっと抑えてくる!」
畑のはずだが、ヨヅルとイチゴウの改良によってアンプル剤のような勇者と魔王
そこから供給される栄養の全てを管理できるようになっている。
生かさず殺さず。
それを成すために作り上げられたシステムなのだ。
なんてことはない。
死なないように管理こそされるものの、ただただ永遠とも思えるほどに長い時間を
全て退屈に置き換えるだけ。
身動ぎ一つできず、声すら出せず、辛うじて呼吸ができるだけ。
それを延々と続けていくこと、それこそが断罪である。
「よっちゃん、本当にこれが罰になるの?」
イチゴウが前々から気になっていた疑問を投げかける。
「ああ、もちろんなるさ。」
退屈は人を殺すって言う言葉があるらしいからな・・・




