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さあ、火をつけろ!
つい先日まで、絶望の中にあった町
そんな町での賑やかな夜
丸太に縛り付けられた勇者
勇者の周りには円状に薪が並べられている。
「よし!火をつけるぞ!間違っても勇者に火をつけるなよー!」
ヨヅルの声に、大勢の声が重なる。
「この勇者は大した事ないやつだ!恐れる事はない!」
更に
「もし、もしもだ!この勇者が恐ろしい奴だったなら!こんな事にはなってないだろ?」
「おぉおおおおおおおおおお!」
「この叫びを!俺達の!勝鬨とするために!さあ、火をつけろ!」
「さて、これくらいの火力なら料理も出来るだろう!」
円の内側には、勇者とヨヅル
外側に村人という、なんとも不思議な位置ではある
しかし、この位置ならば、万が一にも勇者が縄を抜けた際に捕らえる事ができるのだ。
そしてなにより・・・
「やっぱり火力が違うな!森の中じゃ出来ないぜ!」
そう、調理しているヨヅルの邪魔をする人がいないのだ。
「さあ、どんどん作るぞー!」
今回は揚げ物コース
色んな野菜の天ぷらと、カツ・コロッケを振舞う予定だ。
準備を進めていると、背後から声がした。
「あれ?ここどこだ?」




