クズ共め
「さて、じゃあ教えてもらえるかな?」
「はい!勇者はこの森を抜けたところにいます!」
「この森っていうと・・・ああ、確かなんか町があったな!」
少女の返答に、少しの間考えて思い出す。
「なんていったっけ・・・ぐら?ぐり?」
「グレーゼです!」
「それだ!グレーゼ!いやー、長いこと生きてると忘れっぽくていかん!」
よし!と声をあげ
「じゃあ行ってくる!一応倒したら戻ってくるからさ、この辺りの果物を1種類づつ、集められるだけ集めておいて貰えるかな?」
「お安い御用です!」
少女の言葉を聞き、ヨヅルは駆け出した。
景色を楽しむ余裕など無く、その顔は怒りに満ちていた。
10分ほど駆け抜けていると、遠くに町が見えてきた。
「あれがグレーゼ・・・勇者を降ろした町だな・・・・」
そもそも、勇者は自然に現れることは無い。
詳しくはわかっていないが、何かしらの条件が揃う事により、次元の門が開かれるのだ。
そのわからない条件が崩されない限り世界の脅威は現れ続ける。
ならば当然・・・
「町ごと崩してから勇者を殺す。」
そう呟くと、ヨヅルは地面に手をつける
「崩れろ・・・」
ヨヅルの声に反応するように地面が盛り上がると、そこからは巨大な蔓が現れた。
「怒りを思い知れ、クズ共め・・・」
町を覆うように蔓が絡み合っていき
最後にその場に残っていたのは更地だった。
「こい」
呟いたヨヅルの足元には、先程の蔓と
その蔓に捕らえられている勇者がいた。




