世界樹は激怒した。
「ふーふーんふふーん♪」
森の中に鼻歌が響く。
「いやー、朝の森の空気はたまりませんな!ひんやりと冷たくて、スーッと通るこの感じ!冬の空気に似てるけどちょっと違うんだなー!」
上機嫌の彼の元に、馬車が猛スピードで追いかけてきた。
「まってくれえええええええええ!」
「ん?なんだ?」
ガラガラと響く騒音に顔をしかめるが、その相手を見ると、それも無くなった。
「お!爺さんたちやっと起きたのか?って、なんか焦ってるみたいだけど・・・」
「そ・・・それ!まあ、馬車に入りなさい。」
「やだー!俺歩きたい!この空気は馬車に乗ってちゃ味わえないんだぜ!」
「そ・・・そうか、ならこのまま話してもいいかな?」
「おうよ!話しながら歩くっていうのはいいものだ!時間を忘れちまうよな!」
「なら、そうだな。ちょっと聞きたいことがあるんのだが、聞いてもいいか?」
「質問にもよるけどね!大体は答えられるぞ!」
「そうか!では、昨夜話していた世界樹の場所を・・・」
「それはダメだな、俺は・・・まあちょっと特別だけどな、世界樹の周りは人間が近づけないんだ。」
「近づけない?」
「ああ、大昔に人間が世界樹に対して火を放ったんだ。世界樹は力があるが、その周りの草木はそうじゃない。当然焼け野原になってしまったんだ。」
「な・・・なんと・・・」
「それに世界樹は激怒した。人間が近づくと、硬質化させた葉を飛ばしてくるようになったんだ。」
「でもきみは・・・」
「だから言っただろ?俺は特別なんだって、そもそも人間と読んでいいかすら微妙なラインだからな!」




