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秘宝
「なんじゃこりゃ!」
「がんばったの!」
彼が戻ると、そこには青々とした葉と、色とりどりの果物が成っていた。
畑一面に。
土をつまみこすってみる。
「うん、栄養は大丈夫そうだな。」
パラリと指から落ちる土を見て呟いた。
「さて、味見だ!サンゴウ!お勧めはどれだー?」
「この赤いのなのー!」
サンゴウはリンゴのような真っ赤な果実を持ち出し、彼に渡した。
「ありがとう!自分の分はもったか?」
「もっちろん!」
「よし!じゃあ・・・」
「「たべますか!」」
シャクリ・・・
さらりと流れる蜜のような甘さの中に、一本通った筋のような酸味が残る。
しかし、くどくはない。
僅かな苦味が残るが、それがまた甘さを欲するいい刺激になる。
うまい。
この言葉に尽きる。
「サンゴウ!よくやった!」
「やったー!ほめられたのー!」
収穫を終え、くつろぐ彼はしらない。
これは、果実であり秘宝。
一つ食べると一年若返る効果を持ち、後に国中で大騒乱がおこることを。




