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ゆりはれ!  作者: れの。
3/5

ゆりはれ!~お泊まり会編その3~

中に入ると、広々としたエントランスが広がっていた。エントランスだけでも物凄い大きさで、少なくとも私の家より広い。

エレベーターのボタンを押しながら咲が、

「そういえば、私、行ってみたいところがあるの。荷物置いたら少し付き合ってよ。…そ、その、迷惑じゃなければ…」

可愛いですなぁ。

そしてもちろん、みんな行く気満々である。

「……あ、ありがと。」

可愛い。あぁ、可愛い。なんかこう、抱きしめてナデナデしたくなる。

「…翔、目が怖いよ…」

ちっ、京香め、中々鋭いじゃないか。折角ナデナデしようと思ってたのに。

「ほら、もう着くわよ?」

少し緊張しつつ、扉が開くのを待つ。

そして、私は気づいてしまった。

見てしまった。

…扉の上の『R』の文字を。

!?!?

言葉にならない声。

高級マンションの最上階に独り暮らしの高校生…だと…!?

「もう、なんか驚きすぎて驚けなくなってきた…」

京香が疲れた顔でため息混じりに囁く。京香はいちいちオーバーリアクションするからじゃない?…まぁ私もだけどさ。


私の家の玄関の倍はあるであろう玄関に靴を置き、ちっちゃくなって京香と入る。

「おじゃましまーす」

そして家の中の大きさに本日2度目の絶句をするのだった。



荷物を置いてリビングに戻ると、京香と美智子が休んでいた。そりゃスクワット100回もやらされたら疲れるよ。

「だしょー?まったく、咲ってば容赦ないんだから」

文句を言う京香の顔は、とても楽しそうだった。


⚫ ⚫ ⚫ ⚫


「ふはぁ~。楽しかったね~。」

「疲れましたね…。でも、楽しかったです」

「みんな付き合ってくれてありがうね」

あの後私達は咲の服を買いに街まで買い物に行って、ついでにカラオケやらゲーセンにも行ってきた。時計は丁度4時を過ぎた所だった。

「夕飯にはまだ早いですし…」

美智子はニヤリと微笑んで、

「京香、あれをやりましょう。」

あれ?何も知らない私と咲は顔を見合わせて首を傾げた。

「お二人さん。女子高生のお泊まり会でやることっつったら、あれしかないっしょ?ジョーシキっしょ?」

京香がケケケ、と笑いながら美智子と声を揃えて、

「「E⭐RO⭐GE!」」

そんな常識があってたまるか。

「な…な…え、えろ…」

咲も真っ赤になって声にならない声をあげている。可愛い。

しかし火が点いた腐女子二人を前に、私達は成す術もなくエロゲをさせられるのだった。

女子高生4人でエロゲって……。

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