借金返済ゲーム
『貴殿に1億円の返済を命じる』
………な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
「家に帰った途端に給与明細じゃなくて借金支払命令書!?」
俺――――高原祐樹がいつものバイトから帰って来て居間に行くと
テーブルの上に1枚の封筒があったからそれを見てみたらそう書いてあった。
俺はいったい何をやらかしたんだぁぁぁぁぁ!
『メールだよ~』
あ!?こんな時にメール!?
俺はイラつきながらも携帯を開いて新着のメールを開いてみると
母さんからのメールが来ていた。
『ちゃお!祐君元気~?多分家に支払命令書来てるよね~?
実はさ~黙ってたんだけど………今、ダーリンと世界一周旅行中で~す★!
しかも親切な会社さんが肩代わりしてくれるってさー!
テヘッ★!だから祐くん……一億円払ってね~☆』
メールの一番最後の下に楽しそうに母さんと父さんが笑ってる
写真が添付されていた。
バキィッ!
「ふざけんなよ!キチガイすぎんだろ!あのくそ婆とクソ爺!」
俺は怒りに任せて携帯を逆パカにして床に叩きつけた。
「1億なんか払いきれねえよ!」
あぁ~泣けてきた……俺の人生借金返済で大半を消費してグッバイだ。
…ひと先ずテレビ見よ…あ、あれ?テレビがつかない…
「……で、電気止められちゃってる!?」
あのキチガイたち、いつからこの家の
電気代払ってねえんだよ!……ま、まさか!
ガチャッ!バサバサ!
「……支払命令書。電気代、家賃その他もろもろ……合計で…1億と100万……」
ゴンゴンゴン!!
「ひっ!…まさか、取り立て?」
俺は静かに覗き穴を覗いてみるが……
「ゆ、郵便か」
ドアの前にいたのは普通の郵便屋さんの人だった。
てっきり取り立て屋の893みたいな人かと思った。
「は~」
ドスッ!
「うぅ!」
俺がドアを開けて対応した瞬間腹部に強烈な痛みが走って目の前が真っ暗になった。
……眩しい…えっと、俺なんで寝てたんだっけ……あ!借金!
俺は慌てて眼を開けて起き上がるとそこは
「………な、何故にこんなにも人がいるの?」
俺の周りにはいっぱい人が俺と同じようにベッドで横になっていた。
おじいさんもいればおばあさんもいるし外人さんもいるし俺と同い年
くらいの女の子もいるし…まあ、多種多様な人種がいるよ。
皆ここがどこだか分からないのか不安そうな表情で周りを見ていた。
『あ~テストテスト。やあ、不運な諸君たち。私はラグナロク社のCEOの如月だ』
ラ、ラグナログ社!?……なんだそれ
「お、おい!今の聞いたか!?」
「ああ、あのラグナロク社の如月さんだ!」
はは~……そんなにラグナロク社の如月さんと言うお方は
知られているのかね~…まあ、CEOだって言ってたし。
『まあ、突然知らない場所に連れてこられて困惑している諸君もいるだろう。
簡潔に説明する。今ここにいる君たちは全員ラグナロク社に借金している者たちだ』
っ!ここにいる人たち全員が俺みたいに借金を……
『中には何億という借金を抱えている者もいる』
はーい!俺でーす!
『本来ならば君達をラグナロク社に有無を言わさず
就職させ返済しきるまでただ働きをさせるつもりだった…が
私もそこまで鬼じゃない。そこで君たちにはラグナロク社が今開発中の
新感覚MMORPGのベータテストを頼みたい』
……なんじゃそりゃ?
『今開発しているのは精神を電子化し自分をアバターとして
オンラインゲームを攻略していくというものだ。そのオンラインゲームで
稼いだ金の10分の1を現実のお金として換金し返済に充てる。君達は
ベータテスター用の寮に住んでもらう事になる。テレビ、扇風機、ベッドなどの
生活必ず……んん!生活ひちゅ……まあ、あれだ。娯楽関係は借金に
上乗せしてもいいのなら君たちの手元に送ることもできる』
おいおい、そんな事で噛んでどうするんだよ。
要するに生活必需品は用意するが娯楽関係は借金に
上乗せしていく感じでという訳でしょ?
『主要な説明は以上だ。ひと先ず君達の通っている学校、職場などには
こちらから連絡をして退学、退職にしてもらい我々が用意する
学校、仕事に従事してもらう。あと、ベッドの
まくら元に置いてある鍵が遼のカギだ。それじゃ』
とにかく説明を受けた俺達はベッドのまくら元にある鍵を持って係員の
誘導に従って寮に向かった。
「なあ、お前」
「ん?俺?」
エレベーターに乗っていると急に誰かに話しかけられた。
「お前以外にだれがいるんだよ。名前は?」
「高原祐樹。お前は?」
「稲原和人。ちなみに部屋番号は36-564」
「あ、俺その上の階だわ」
「そっか。まあ、何かあったら言ってくれよな」
「ああ、ありがと稲原」
エレベーターが36棟に止まるとぞろぞろと出ていき
残ったのは俺と女の子だけだった。
…えっと、流石にこの空気は辛いな。
37棟に着くまでの間の静けさはメチャクチャ辛かった。
無事に何も起こらずに37棟について部屋に向かっているんだけどどうやら
女の子も同じ方向に部屋があるらしく隣を歩いている。
こういう場合って何か自己紹介とかした方がいいのかな……
「な、なあ君の名前は?」
「………」
あ~すいません、無視っすか。まあ、そうするのが普通か。
お、着いた着いた……あ、さっきの女の子部屋、隣なんだ。
「絶対に1億と100万、返済してあのキチガイ両親をぶっ飛ばしてやる」
俺はそう誓いカギを開けようと鍵穴に差し込んでまわした瞬間!
ポキン!
「………は?」
え、えっと…俺の鍵がポキンと折れているように見えるのは現実か?
ギュゥゥゥゥゥ!
「イタタ!現実だ……どうやって入るんだよー!」
ガチャッ。
「へ?開いた?」
「…うるさい」
あれ?この子さっき隣の部屋に入っていった子だよな?
なんで俺の部屋にいる訳?
とにもかくにも俺は部屋の中に入ってみたらめっちゃ驚いた。
「へ、部屋と部屋が繋がってるの!?」
そう、壁にそれはそれは大きな穴が開いており隣の部屋と開通しちゃっているわけである。
それ以前の問題として……外観はマンション、中身はぼろアパートっすか。
テレビはブラウン管のテレビにチューナーをつけてどうにかしてデジタル放送を
見れるようにしたテレビ、エアコンは一昔前の古い貫禄を放っていて、
ベッドは……言うまでもない。
『全員部屋に入ったみたいだね』
……おいおい、部屋の中にまで放送を聞こえるようにするか普通?
『ひと先ずベッドに置いてあるギアを作動させ、
説明書に従って設定をしてオンラインの世界にダイブしてくれたまえ』
放送の指示通りに俺はギアを作動させて説明書を見ながら設定を
していくのだが
「全く分からん!」
なんせこういうものは初めてなので設定など一切意味不明なのだ。
ひとまず俺は説明書と睨めっこをしながら初期設定をやっていき
10分かけてようやくダイブした。
「…お、おぉ!これが」
目を開けると俺の眼前には凄い光景が広がっていた。
広場みたいな場所で中央には噴水、そして周りには彫刻がいっぱい置かれていた。
既にダイブしていた人たちは何やら弄っている。
俺も見よう見まねで何もないところを軽く押してみると画面が出てきた。
『高原祐樹様。Lv1、武装⇒無し』
………はぁぁぁ!?
いやいやいや!最初はレベルは1ってのは分かるけどなんで武装がないわけ!?
よく見たら周りの人も何かしらの武器を装備していた。
「…ひと先ず武器を探すか」
『エリア1、ブレイドタウン』
空間に表示が出た…つまりここで刀を買えるって言うのか?
俺はスタート場所から少し歩き町に入るとめちゃくちゃいっぱい人がいた。
「えっと…ひと先ず武器、武器」
俺はステータス画面らしきものを出して確認するが所持金はたったの10円、
現実換算すると1円か……1円を笑う者は1円に泣くと言うけど…これはないだろ。
これじゃ、剣すら買えねえぞ。
とにかく俺はひたすら歩き続けていくといつの間にか町をぬけて
人が誰もいない山奥にたどり着いた。
「だ、誰かいないか~?」
ガサッ!
っ!な、なんだ!?人か!?
「だ、誰かいるのか?」
茂みをじっと注意して見ているとそこからなにやら
機械の兵隊さんみたいなのが一体出てきた。
その容姿は顔に一つだけの目に左腕には電流がバチバチいっている
棒みたいなのを装備していた。
『ギジジジジ』
「ま、待って!お、俺まだ始めたばっかで!」
『ギジジジー!』
「ひっ!」
言葉が通じないのかはたまた無視しているのか、兵隊さんは
俺に向かって棒を振りかぶってきた。
「うわぁ!」
俺は逃げようとするけど後ろを見ると断崖絶壁だった!
ぜ、絶体絶命ってこういう事を言うんだよな!?
『ギジィ!』
「ひぃ!」
ボコォォォン!
屈むと偶然棒を避けれて後ろの断崖絶壁に棒が当たって岩の壁が大きく抉れた。
っ!あんなもん喰らったらお終い…なんだこれ。
ふと後ろを振り向くとさっきの機械兵士さんが穴を開けた岩の壁に
刀が埋まっていた。
「使わせてもらうぜ!」
俺は壁から刀を抜くと刀身がいきなり輝き始めた。
「な、なんだ!?」
『所有者を高原祐樹に設定。プログラムを再構築』
バキバキバキバキィ!
な、なんだ!?刀にヒビが!
パキィィィィン!
「うわっ!」
刀が砕け散ったかと思うと砕けた破片達がまた集合して薄い緑色をした
ブレードへと変化した。
「な、なんなんだよこれ」
『ギジジジー!』
俺はこんな所で負けるわけにはいかねえんだよ!
「ウオオオォォォォォォォ!」
もう何が何だか分からない状態に陥りながら俺は刀を振るうと
機械の兵士の腕を切断した。
『ギジジィィィィ!』
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は絶叫しながら剣をまっすぐ機械に向かって振り下ろすと綺麗に
真っ二つに切り裂かれて光の粒子になって消え去った。
『ウォリアー撃破。獲得金、10円』
「ハァ、ハァ、ハァ…やったぁぁぁぁぁぁ!」
やったやったやった!俺は勝ったんだ!あの得体のしれない奴に勝ったんだ!
ひとまず俺は息を整えてからスタート地点に戻ってきた。
その道中で雑魚敵らしき猪やらウォリアーやらが襲い掛かってきたけど
慣れた俺の敵ではなく一体一体撃破して戻ってきた。
『所持金、40円』
「そうか。敵を倒していくと金が手に入るのか…よし!
この調子で絶対に一億と百万返済してやるかんな!」
こうして俺の借金返済ゲームは始まったのである。
こんばんわ……最近連載作の案が思い浮かばん!




