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運命  作者: 古井たいせい
4/7

中2、5月。

この日は宿泊研修の帰りだった。


案の定、安藤さんとは別のクラスになり、自分は2年3組になった。しかしその3組はとても楽しいクラスで、男女問わず仲良くなり、宿泊研修もいい思い出になった。そういう環境もあり、安藤さんに出した手紙のことはほとんど忘れかけていた。16時頃バスが学校に到着し、すぐ解散となった。一緒に歩いて帰る友達を探していると、後ろから名前を呼ばれた。


「かいせい君。」


女子の声だが不思議に思った。なぜなら下の名前に君付けをする子は知らないからだ。


同じ小学校出身である子は「かいちゃん」か「かいせい」と呼ぶ。中学校で知り合った子は「岡田君」と呼ぶ。もしかしたら3組の誰かが呼び方を変えたのかもしれない。そんなことを思いながら振り返ると、なんとあの安藤さんだった。


確かに安藤さんから自分の名前を呼ばれたことは今までになかった。しかしその「かいせい君」と呼んだ声がとても愛らしく、可愛かった。安藤さんはある手紙らしきものを渡してきた。綺麗に折ってあり、何が書いてあるかは分からない。


「これ、遅くなったけどお返しです。」


驚きと動揺で「え、あ、ありがと」としか言うことはできなかったが、安藤さんはニコっと笑った。


帰り道、友達と喋りながら帰っていたが、その内容はほとんど頭に入っていなかった。手紙は読まずにすぐ自分のカバンの中に入れたため、気になってしょうがなかった。


自宅に着き、すぐ手紙を開いた。女の子らしい、綺麗な字だった。所々消し跡があり、書き直されているのが分かった。


『岡田海成くんへ

手紙は宿泊研修の荷物を準備しているときに初めて見つけました。今まで気づかなくて本当にごめんなさい‼でも手紙見たときは、「これ現実か⁉」と思うくらいうれしかったです。今好きな人がちがったら邪魔になるかもしれないけど、私も一年生のときから好きだったよ‼あと勉強できるとか、運動できるとかって書いてくれてたけど、私よりも海成くんの方が百倍頭もいいし、運動も確実にできると思う‼でもちゃんと見ていてくれてありがとう。これからもよろしく。サッカーがんばれ!

席が一番はじめとなりだった人物より』

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