表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
血塗れ湖畔が嗤う ~25 HOURS ― 30人の生き残りを懸けた地獄のサバイバル~  作者: 霧原零時(orすっとぼけん太)
第13話 容易ならざる決意を胸に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/84

【1】 沈黙の部屋で、わずかな息

薄暗い部屋で、時貞の意識が、半分だけ戻った。


「……痛てて……」


脇腹がズキズキと痛む。怪物に引き裂かれた傷が、焼けるように疼く。


そして――なぜか、顔も痛かった。


「なんで顔が……?」


時貞は右手で頬を擦った。

ヒリヒリする。ぶつけたのか、誰かに踏まれたのか……よく思い出せない。


気がつくと、自分は、硬い床の上に仰向けに寝かされていた。

後頭部もズキリと痛む。


(……なんか、枕ほしい)


目を閉じたまま、時貞は右手をゆっくり伸ばした。

届く範囲を手探りで探ると――何か、柔らかい布の感触。


(おお、ラッキー……)


そのまま、ぐいっと勢いよく引っ張った――その瞬間。


〈ゴツゥン!!〉


鈍い音が頭の横で響いた。

思いのほか重い手応え。まるで誰かの“頭”が落ちたような――


(……ん?)


驚いて、時貞は薄目を開け、そっと横を見た。


……うわ。


引き寄せた布の先には、鉄板の横に寝転ぶ龍信。

その後頭部が、まさに布からずり落ちた直後だった。


「……あっぶね……」


心臓が跳ねた。

思わず、時貞は一瞬で目を閉じ、寝たフリを決め込んだ。


(……知りません、知りません)


そのまま、静かに布を丸め、そっと自分の頭の下へ忍ばせる。

“借りた”枕の上で、またゆっくりと眠りの中へ沈んでいった。


――その時だった。


――ズゴゴゴゴッ!!


突如、爆音とともに壁が揺れた。


続けざまに――


――ズガガガッ、グァシャーーン!!!


隣の部屋で、何かが崩れるような轟音。


――だが、この部屋の誰ひとりとして、動くことは出来なかった。





【バトルロワイヤル戦況ログ】


<現在時刻> 2時30分。


――諏訪湖畔・プレハブ本部棟(解剖室)。

午前4時30分の物語開始から22時間が経過。

生存者たちの息遣いは、もう風の音に紛れるほどにか細い。


――◇――


■ 生存者:3名

・碧:中庭にて活動中(目的不明)

・翔太:採集室にて彗の死亡確認後、停滞

・一織:研究棟別室にて熟睡中


■ 負傷者:3名


・龍信/時貞/日向:解剖室内で重体。意識なし。

 (止血処置済み、呼吸微弱)


■ 生死不明:1名


・源次:死亡/瀕死?――遺体未確認。


■ 死亡者:23名


・チャンネル9撮影班:風見麟太郎(死亡)

・田辺研究所:田辺博士、丹波助手(死亡)

・水篠物産:東峰、林、山本(死亡)

・長野県警:金田、斉藤(死亡)

・賀寿蓮組:彗(左腕切断・腹部損壊により死亡)

・賀寿蓮組:他作業員14名(全員死亡)


■ 獄禍(GOKKA)個体データ


・個体A:鎖吊り個体 ― 右眼損壊/活動再開 → セメント封印中。

・個体B:石箱由来個体 ― 腹部破壊/活動停止確認。

・他個体:未確認。


■ 現在状況


・戦場区域はプレハブ本部棟の解剖室/採集室に限定。

・建物構造の崩壊進行率: 28%。

・電力系統は断絶、非常灯のみ稼働。

・セメント封印作戦は成功と推定されるが、完全沈黙状態。


<残り時間>


・終了予定時刻:午前5時30分。

 → 「25時間」より逆算――残り3時間。

 無傷の者は、わずか3名。

 絶望的な獄禍との戦いは、まだ終わりを知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ