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月

寝室の窓を開けて空を見あげた

月面のクレーターがよく見える

都市の夜景は何故か綺麗とは思えなかった

ビル群の明かりを見ると頭痛がしてくる

道路では車が通り人が歩く

急に吐き気がしてきたのでトイレに向かい胃の中を全て吐いた

鉄の味がする

便器の中に出たそれを流して口をゆすぐため台所に向かった

手で水を口に流し込みシンクに吐き出す

赤い水が排水溝に流れていった

口の中を切っている



私はまた月を見るために寝室に戻った

窓の外から秋の風が部屋に入り込んでくる

窓枠に手をあてて空を見あげた

月はあいも変わらずそこにある

誰かの記憶が頭に込み上げてきた

夜の草原に1本の木がある

そこに少年と少女が一人ずついた

月明かりが全てを照らしていた

少年は木の根元に

少女は草原にそれぞれ立っていた

少女は少年に向かって言った

「なにを怖がってるの?」

昔に言われた言葉を思い出した

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