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短編集

なろうウイルス感染症サバイバル! ~南廊大学附属病院の外来診療の医療従事者は全員感染せずにいられるか!?~

作者: 楠木 翡翠

【作者より】


拙作は「第7回 下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」に参加させていただいた作品です。

テーマは「サバイバル」を使わせていただきました。

 この話は2025年12月上旬に起きた出来事である。


「こんにちは! マイナンバーカードか資格確認書はお持ちですか?」

「えー……そんなもの持ってないよ」

「これからは従来の保険証は使えなくなりますので、次回からはマイナンバーカードか資格確認書をお持ちくださいね」

「わかったよ」


 ここ最近の病院受付はこのやり取りがお決まりのパターンと化している。


 私立南廊(なろう)大学附属病院の外来診療でも今月から従来の保険証は使えず、マイナンバーカードに保険証を紐付けたマイナ保険証か資格確認書しか使えない。

 感染症が猛威を震い出すこれからの時期の病院や薬局が大混乱だ。


「○○さーん!」

「はい……ケホッ、ケホッ」


 マスクにフェイスシールドをつけた女性看護師がカルテを片手に患者の名前を呼び、咳き込みながら彼女と共に診察室へ入っていく。


「こんにちは」

「こんにちは。○○さん、今日はどういった症状で?」


 先ほどの看護師と同様にマスクにフェイスシールドを身につけ、聴診器を首からかけている男性医師が座っていた。


「頭痛と、咳と鼻水が少し……」

「じゃあ、念のために抗原検査をしましょう。キットを準備して」

「はい」


 彼が看護師に抗原検査キットを準備してもらい、実際に検査を行うと――


()()()()()()()、陽性ですね」

「なんですか? なろうウイルスって?」

「あなたはなろうユーザですか?」

「はい、そうです」

「やはりな……ここ最近の気温差の変動や本業の多忙さにも関わらず無理して執筆活動したり、作品を面白いからといって最後まで読んで睡眠不足になって体調を崩すといった風邪のような症状ですね」

「これは流行っているんですか!?」

「ええ。今年は特に流行しています」


 現にこの病院の医療従事者は先月の下旬からこのウイルスに感染するスタッフが増え、かなりの欠員が出てきている。

 次第に出勤できるスタッフが減り、完全に外来診療の医療崩壊待ったなしという状態なのだ。



 *



 そして、数日後――


 ついに外来診療の医療従事者は3人になってしまった。


「明日以降の外来は休診にしませんか?」

「いくらなんでも3人で外来はしんどいと思います」

「忙しすぎて俺らが感染しそうだ……院長に報告しておくわ」

「「お願いします」」


 最後まで残ったのは男性医師、女性看護師、女性医療事務員の各1人ずつだけだった。


 何故(なぜ)ならば、彼らは南廊大学附属病院勤務でありながらも「小説家になろう」のユーザではないのだから――

最後までご覧いただきありがとうございました。


これからの時期は風邪やインフルエンザに罹りやすい時期になって参りました。

体調には十分気を付けてお過ごしくださいね。


※拙作に出てくるウイルス「なろうウイルス感染症」は実在するウイルスではありません。


2025/12/02 本投稿

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― 新着の感想 ―
残った三人はカクヨムユーザーですかね? (´・ω・`)
あっ、もうマイナ保険証しか使えなくなっちゃう! 今の保険証ってどうしたらいいんでしょう?家に飾っといたらいいんですかね…? 奈朗市とはまた違う、南廊市はっけーん♪ なろうウイルスは猛威をふるっており…
なろうユーザーは、なろうウイルス感染症へ……:(;゛゜'ω゜'): なっちゃう。なっちゃいそうです! マイナンバーカードとか時事ネタも入っておりまして、いいな(╹◡╹)と思いましたー!
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