表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/57

いざ創作合宿へ!山道と物語の入り口

夏の朝。

照りつける陽射しの中、僕は駅前のロータリーで汗をぬぐっていた。


手にはリュック、そしてノートPCの入ったサブバッグ。

なんだか修学旅行前のような、不思議な緊張感。


「お、佐藤。早いな」


声をかけてきたのは、クラスメイトの 安宅マコト。

普段はちょっと飄々としてるけど、どこか空気を読むのがうまい、創作肌の持ち主。


「バス、もう来るってさ。乗っちゃおうぜ」



---


僕と安宅は、地元市内の創作合宿に参加するため、山間にある研修施設へ向かっていた。


主催は地域の文化交流団体。

“文章書き”や“イラスト描き”たちが集まり、泊まり込みで作品制作に打ち込むイベントだ。


「緊張してんの?」


「……ちょっとだけ。どんな人が来るんだろうって」


「まぁ、変人ばっかりだよ。俺も含めてな」


安宅がにやりと笑う。


「でもさ、“本気で何かを作ってる人たち”と過ごすのって、結構いい刺激になるぜ」


僕は、ちょっとだけ心が軽くなった気がした。



---


山道を抜けたバスは、やがて木々に囲まれた研修施設の前で停車した。


バスを降りた瞬間、ひんやりとした風が僕の頬を撫でた。


「……うわ、空気……冷たい」


「標高高いからね。昼は涼しいけど、夜はけっこう冷えるぞ」


周囲は、見渡す限りの森。

虫の声が遠くで響き、どこか懐かしい土の匂いが鼻に届く。


施設の建物は、木造のロッジ風。

エントランスには「創作交流キャンプ in 八ヶやつがたけ」と手書きの横断幕。


(……本当に来たんだな)


どこか非日常的な、けれど居心地のよさを感じる場所だった。


参加者たちは次々と施設内に吸い込まれていく。


大学生っぽい人、眼鏡をかけた文学青年風の人、スケッチブックを抱えた女の子。


「さ、行こうぜ。受付はあっちだ」


安宅の背を追いながら、僕は思った。


ここは、僕の“物語”を見つめ直す場所になるかもしれない。

あのキャラクターたちの声が――もしかしたら、ここでまた聞こえてくるかもしれない。


荷物を抱え直して、僕は一歩、合宿所の中へと足を踏み入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ