期末ですって!? いろんな意味でドキドキ最終決戦!
「……あのさ。期末テストって、ほんとに“また”あるんですか?」
「あるに決まってるでしょ、何言ってんの?」
朝の教室、僕は現実逃避のようにカレンダーを見つめていた。
そう、期末テストまで、あと5日。
(やっと追試を乗り越えたのに……また戦い!?)
「しかも今回は“全教科”。逃げ場なし、補習もなし、心の余裕もなし……」
──まさに、学園生活の最終決戦。
期末が近づくにつれ、昼休みの創作ノートは閉じっぱなしになった。
頭の中では、ヒロインたちの物語がふわっと浮かんでは消えるけれど、 それを書き留める暇も気力もない。
(今は、“恋愛の続きを書く余裕”すらない……!)
でも――
“それでも、書きたい”って気持ちが残っている。
そのことが、どこか誇らしくもあった。
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「――やっぱり、赤点は取りたくないんだよな」
放課後、そう呟いて帰りの支度をしていると、あの霜降 明香音が声をかけてきた。
「前の追試で、アンタたち、変わった気がしたからさ。ちゃんと“やる時はやる”人間でしょ?」
「う……まぁ、やれと言われれば、やるタイプですけど……」
「じゃあさ。今回も、一緒に勉強する?」
「え……」
「“赤点同盟”じゃなくて、“目指せ平均点クラブ”ってことで」
不器用な笑顔で言う委員長に、僕もつられて笑ってしまう。
「はい。よろしくお願いします、“部長”」
「誰が部長よ!」
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テスト前日の夜、いつもより少しだけ机に向かう時間が長くなった。
勉強の合間に、ふとノートを開いてみる。
そこに綴られた“Re:恋コメ”の冒頭文。
> この物語は、好きになるまでの物語だ。
読み返すたびに、胸が少し温かくなる。
(待ってろ、ミオ。カレン。ユナ。……続き、ちゃんと書くから)
――そして、期末テスト当日。
風紀委員の静流先輩は、教室を見回しながら小さくつぶやいた。
「空気は、確かに変わってきてるわね」
雨宮さんは窓際で、少しだけ頬をゆるめていた。
その視線の先にいるのは、机に向かって真剣に鉛筆を走らせる、僕――佐藤ユウ。




