NAROちゃんのフィードバック炸裂!?短編クリアと次なる課題
「……ふぅーっ」
僕はノートパソコンを閉じ、伸びをした。
『静寂の本棚、その手がふれたら』
“Re:恋コメ”短編第1作。ヒロイン・柊ミオの物語は、さっきようやく完成した。
思ったよりずっと、時間がかかった。
恋愛って、感情を書くって、こんなに難しいのか――。
でも。
(……書けた、んだ)
その実感が、胸の奥でぽっと灯っていた。
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「よっしゃ! 執筆おつかれっサトウ♡」
声と同時に、ピンクの魔法陣が足元に出現。
そこから現れたのは、相変わらずギャルテンション高めのナビゲーター、NAROちゃん。
「いやぁ〜、まさかアンタが“静かな距離感”系で攻めるとはね〜。正直、意外っちゃ意外!」
「へ、変だった……?」
「んーん、逆よ逆。
《自分の得意じゃないジャンルに、自分のペースで“向き合った”》っていうのが超グッド♡」
そう言いながら、NAROちゃんはピンクのステッキで空中にウィンドウを表示する。
> 『Re:恋コメ』短編スコア
▶共感度:高
▶情緒バランス:良好
▶エモさ:静かに刺さる
▶セリフ演出:控えめ(もう少し攻めてもヨシ!)
▶読後感:しみじみ甘い(だがまだ“恋”の温度ではない)
「……なにこれ、創作評価シート?」
「評価ってより、“今のサトウの現在地”を可視化したやつって感じ?
ま、ナビゲーター特権ってやつ〜♡」
「(……テンション高いのに、こういうの作り込んでくるの、すごいな)」
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「でさっ、ここからが本題!」
NAROちゃんが、きらりと目を光らせる。
「サトウ、“恋愛短編”の第一歩は見事合格〜〜〜!
だけど、まだ“片思い”しか描いてないのよね?」
「……あっ」
確かに。
柊ミオとの話は、“始まりそうな気配”で終わった。
「次の課題はズバリ……“関係性の変化”、これっ!」
ステッキをくるくる回すと、空中に新たな課題ボードが浮かぶ。
> 【創作課題No.2】 『キャラとキャラの“距離”を動かせ!』
▶ 片思い → 両想い? ▶ すれ違い → 理解? ▶ 無関心 → 興味?
小さくてもいい。“感情の動き”を描いて、読者の胸を動かせ!
「つまり、“恋が進む瞬間”を書いてみなさいってこと!」
「……進む瞬間、か」
僕は頷いた。
たしかに、今回は“手がふれただけ”だった。
けど、もっと踏み込んだ気持ち――
“好きって言えない、でも伝えたい”みたいな、その一歩先の距離。
それを描けたら、もっと「恋愛小説」を理解できるかもしれない。
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「じゃ〜今度はどの子にする?
ツンデレ会長? 元気系の幼なじみ?
“物語が動き出すタイミング”が、それぞれ違うから面白いよ〜」
僕は少しだけ笑って、ノートを開いた。
「まずは……芹沢カレンの方、いってみようかな」
「おっ、あえてツンから攻める?やるじゃ〜ん☆」
NAROちゃんがひらひら手を振る。
「じゃ、がんばりなよ、サトウ。
“感情の距離”を進めるってのは、創作でも人生でも――最高にドキドキするヤツだからさ!」
“ツン”の奥にある、“誰にも見せない素直”を描く物語が、今始まる。




