奇妙な出会い
初めての小説作品になります。
私の故郷である田舎の方言や場所を題材にした作品です。
最後まで読んで頂けると幸いです。
あらすじ
主人公の名前は尾籠拓哉
田舎に住む祖父母に育てられ
ある日 祖父母が事故に合い亡くなった。
大きな屋敷に住んでいた祖父母の遺品を整理
していた拓哉は、祖父が子供の頃に出会った1人の妖怪に出くわす。
それからと言うもの祖父母が亡くなり静かだった屋敷から騒々しい毎日が始まる事となる。
第1話 奇妙な出会い
りり じりり 鈴虫の大合唱
夏が終わりを向かえていた。
俺の名前は尾籠和哉 とある田舎に住んでいる母方の祖父母は俺が産まれる前に亡くなっていたので父方の祖父母が俺を引き取り暮らしていた。
広い屋敷みたいな家だ。
俺が二十歳になるある日の昼の出来事だった。。
じいさん「おーい和哉ちょっと婆さんと田んぼの水を見てくるからの留守番頼むぞ」
和哉「はーいっっ!」
祖父の名前は 尾籠 一二三
祖母の名前は 尾籠 さよ子
いつも、じいちゃんとばあちゃんは仲良く
農作業をしていた。
祖父母は軽トラに乗り自宅から離れた田んぼの様子を見に出かけた。
俺は自分の部屋で祖父母の帰りを待つことにした。
………………ん? 俺は目を覚ました。
和哉【あー。。。寝ていたのか…。。。
そろそろじいちゃんもばあちゃんも帰ってくる頃か…もう、17時か…。。。】
和哉「じいちゃーんばあちゃーん帰っちょる?
」
外に出て祖父母がいつも車を停めている車庫に向かう 車は無かった…。。。
和哉【…?帰ってない】
俺は歩いて祖父母を探しに田んぼに行こうとしていたその時…
キキキキキッ 近所のおばさんが慌てた様子で
俺の目の前に車を停め 真っ青な顔をして俺に話しかける。
和哉「どっどうしたんですか?危ないじゃないです…か…?」
近所のおばさん「和哉くんっ!大変な事がおきたっちゃ!あんたのじいさんばあさんが車の運転の操作を誤ったんか軽トラごと段差のあるとこからおてて車がひっくり返ちょってじいさんとばあさんの意識が無くて救急車に運ばれたんばい!救急隊員の人があんたに連絡とりょったけど
繋がらんっち言いよったけんここまで私が来たんよ!」
俺は 突然の事に驚き 呆然としていた
隣のおばさん「あんた車はあるんかい?
無いんなら私が病院まで連れていくけん
乗んない!」
和哉「すみません。。」
俺は そんな言葉しか出てこなかった…
隣のおばさんが車で祖父母が搬送された病院へ行った。
そして受付へ…
和哉「尾籠和哉ですけどうちの祖父母が搬送されたと聞いたのですが…?」
受付「確認を取りますので少々お待ちください。」
暫く待っていると
受付「尾籠さーん尾籠和哉さん?尾籠さんご夫婦を担当した先生から至急お話をしたいとのことですがよろしいでしょうか?」
和哉「?はい…」
そして、医者に呼ばれ診察室へ…
医者は重苦しい顔をしていた…。。。
………………。診察室の時計の秒針だけが聞こえ静まりかえる。
沈黙していた医者が口を開く
医者「……。お伝えしにくい事なのですが…
落ち着いてお聞きください。。」
和哉「はい」
医者「……。尾籠夫妻は救急車に搬送され
来られたのですが…誠に残念なのですが
…お2人共 懸命な救急隊員の救命処置も虚しく
搬送していた救急車内でお2人共
息を引き取られたとの事です。外傷はシートベルトの圧迫による肋骨骨折そして頭蓋骨も車が落ちた時の衝撃でフロントガラスに頭を激しくぶつけ80代と言う高齢の方ということで骨が脆くなっており骨折した肋骨が折れて心臓に刺さっていたのが死因です。」
和哉「えっ?」
頭の中が真っ白になり…
和哉【嘘だろ?えっ?じいちゃんばあちゃんが死ぬなんて…】
医者 「大変申し訳ありません。安置所の方に移動をさせていただいておりますのでお迎えに行きましょう」
安置所に着いた… ドアを開けると…
白い布を顔に被さった祖父母がベットに寝かされていた。。
俺は2人に被さっている布を取る…
すると、顔に傷があるものの2人共 今にも
起きてきそうな顔をして眠っていた。。
俺は我慢していた感情が爆発する………。。。
和哉「あぁあああああああああああ!
あぁああああああっっっっっっ!!
じいちゃんばあちゃん起きろよ!
起きてくれよ!!冗談だろ?
何かの冗談だろ?なぁ? 今度はじいちゃんばあちゃんまで俺を1人にするのかよ?
なぁ?うわあぁああああああああ!」
俺は一目も憚らず泣き叫んだ。
そして 時間が経ち 俺は祖父母の親戚に電話をし葬式の事や遺産の話 相続の話
そして、俺の事を話をしていた。。
俺はもう居場所が無いのか…と思っていた
そして、葬式の日
親戚のおばさん「和哉くん…おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなったけどあの家はおばちゃん達が産まれた所やけどもうおばちゃん達も早く結婚して家を買ってるから和哉くんが良ければそのまま住んでもいいけんね。ただ、お墓の事とかはよろしくお願いね。」
また 田舎暮らしが始まる じいちゃんとばあちゃんもいないたった1人の田舎暮らしが…。。。
あれから 月日が経ち 祖父母の遺品整理をしていた…奥座敷 そこはじいちゃんとばあちゃんが生前使っていた部屋だ…
整理をしていると俺の後から視線を感じる…
背筋がゾッとしてきた…
和哉【いやいやいやいやないわー自分家でないわー】
遺品を片付けていく…
ゴトッ!ゴトゴトゴトッ!
和哉【ないってだって俺は赤ん坊の頃からここに住んでるんだぞ?今さら…】ゴトッ!
ビクゥゥゥゥ!
和哉【ないって】
俺は物音にびくつきながら遺品整理をしていた。
❓「うぅうううう」今度は人のうめき声が聞こえてくる…
俺【今度はうめき声!いやぁないわぁ】
ゴトッ ゴトゴト ゴトッ ばんっ!
いきなり押し入れの襖が開く
俺【!!!】言葉が出ない…。。。
ズリズリ ズリズリ 薄暗い 押し入れから
何かが俺の方へ向かって這いずり出てきた
俺は逃げようにも腰が抜けて立って逃げることもできなかった…。。。
ズリズリ ズリズリ…
❓「うぅぅぅぅ」
俺の近くまで這いずってきた
よく見ると 今の時代ではない
薄汚れた着物を着ていた
年齢は5歳か6歳の見た目をした少女だった。
そして
❓「ううぅぅ…さい」
和哉「えっ?なにっっ!」俺は 聞き返した
❓「ううぅぅ…る…い」
和哉「なななななっなに?」俺はビビりまくった
❓「うーるーさぁーいいいい!」
和哉「ええええええ!」
❓「押し入れの中で寝てたのにガタガタガタガタ!してうるさいの! 」
和哉「ごめんなさぁああいっ!」
【ん?】
和哉「いやいやいや ここは俺の家だし
じいちゃんばあちゃんが死んだから遺品整理をしてんだけど?誰だよお前」
❓「えっ?おじいちゃんとおばあちゃん死んじゃったの?」
和哉「そうだよ。この間 車の事故で亡くなったの」
そう言うと少女は
❓「そっかおじいちゃんとおばあちゃん亡くなちゃったのか…」
すると少女は寂しげにしている。
和哉「んで、お前は何処の誰だよ!
勝手に押し入れに入って寝るなんて
親御さんは?連絡するけど?」
❓「何を言ってるんだ?」
和哉「いやっ、そっちこそ何を言って…」
【はっっ!俺はバカだった
普通 よその家の押し入れで寝る子供なんているわけない…しかも俺は薄暗い奥座敷が嫌いで小さい頃からこの部屋には近づかなかった…】
和哉「もっもしかして…おばっ?幽霊?」
❓「おい 今頃気がついたのか?
お前は教養と言うものが無いのか?」
和哉【イラッ】
❓「ふふんっっお前はバカだなぁ…
古い屋敷に住む着物姿の見た目は子供の妖怪で福をもたらすと言えば?」
和哉【イラッなんだこいつ】
❓「ほれほれ言ってみ?言ってみ?
ほらほらぁああ?」くくくっ
あまりの気の抜けた感で体が動くようになった。
俺は無視して 遺品整理を再開
❓「無視すんなよぉぉお!何で無視するんだよおおお?」 少女は慌てる
和哉【うぜぇええ】
❓「分かった分かったから自分で名乗るから
お願いだから無視しないでよお!
無視が一番堪えるんだよおおお」
和哉【構ってちゃんか!うぜぇし話を聞いたら居なくなるのかな?】
俺はめんどくさそうにその少女の話を聞くことにした…
和哉「んで?あなた様は何処のどちら様で?」
❓「よくぞ聞いてくれた」
和哉【お前が聞いてくれって言ったんだろ?】
❓「別に隠してるわけではないが私はお前のおじいちゃんが子供の頃からいる座敷わらしっていう幽霊だっ妖怪?とも言われているけどな。
そう!その者が住まうと福をもたらすと言う
あの妖怪こそが座敷わらしである私の事なのだ!
ちなみに名前は花子だっ」
和哉「座敷わらしなのに花子?」
花子「ぐっっ!気にしてる事を言いおってぇえ!
今のは腹が立ったぞ!生前付けられた名前なのだから仕方ないだろ!」
和哉「はいはい」
花子「くぅううーこのおおおおお!良いのか?
私がこの屋敷から出ていっても良いのか?」
和哉「どうぞご自由に…俺は遺品整理をしなきゃいけないのお遊びにつき合ってられません。」
花子「良いんだな?私がこの屋敷から出ていくと不幸が訪れるんだぞ?」
和哉「チッ何が福だよ…」ボソッ
花子「え?」
和哉「何が福なんだよ!!って言ってんだ!!
お前が居ると福が訪れる?
はっ!ふざけんじゃねぇよ!!
お前はここにずっと居たんだよな?
じゃあ、奥座敷に飾ってある遺影が見えるか?
そんなに年月が経ってない遺影があるだろ?まだ若い男と女が写ってる…あれは俺の父さんと母さんだよ…ここへ帰省した帰りに車の事故に巻き込まれ
運転席と助手席全部潰れて後部座席にいた俺は助かったんだよ。そして、父方の祖父母が俺を育ててくれた。。。今度は じいちゃんばあちゃんがいなくなって俺は1人だ…。なぁ…お前が福をもたらす?嘘だろ?お前なんか居ても不幸ばかりそれなら
お前なんて疫病神の間違いじゃねぇのか!」
花子「!!!」
花子「ごめんなさい。ごめんなさい。」
花子は泣きじゃくる
和哉「つっ!」 黙り込む
花子「私はここにずっと何年も何年も昔からこの家に住み着き見てきたのあなたのおじいちゃんが子供だった頃からここにいるの。ここに居ても良いって言ってくれたのはあなたのおじいちゃんだった。座敷わらしは家主が怠慢になると家を出ていかなくちゃいけなくて、でも何処に行けば良いのか分からなくて転々と居場所を探していたの
たまたまこの家に辿り着いた。
そして奥座敷の押し入れに身をよせてて」
回想シーン
あなたのおじいちゃんがまだ子供の頃だった
あの日 母親に頼まれて奥座敷の掃除を手伝ってたの するとおじいちゃんが押し入れの襖を開けると…私は身をひそめた
一二三 「そこで何してるの?」
花子「えっ?私が見えるの?」
一二三 「うん?でも何でいるの?」
花子「私は座視わらしの花子…あなたには見えるみたいだね
単刀直入にいうとここに住まわせてください!
」
一二三 「えっ?」
花子「もう、行くとこないんですっっ!
ここに住まわせてください!私は妖怪なのでごはんも何もいらないので住まわせてくれるだけでいいです!」
一二三 「びっくりしたけど…
僕のお友達になってくれるのならいいよ。ずっとずーっと居ていいんだよ 」
回想シーン終わり
花子「私はずっとずーっと見守ってきた
見守ることしかできなかった。。
あなたのお父さんが産まれて
あなたが産まれてみんな幸せそうだった
私も幸せだったみんなの笑顔を見れるのはとても
私は嬉しかった。でも、私は座敷わらしだけど
福なんてもたらす力なんて無いんだよ。」
和哉「っっごめん 俺…
お前のせいじゃないのに八つ当たりして
ごめん。」
花子「ううん、聞いてもいい❓」
和也「何だよ?」
花子をこの家に住まわせますか?
はい ◀️
はい ◀️
はい ◀️
いいえ と見せかけて はい◀️
和哉「選択肢がはいしかねぇだろ? 」
花子「えへっ」
和哉「うぜぇえええ!! ったくしょうがねぇな
いいよここへいても」照れ笑い
花子「ありがとう」
和哉【ん?待てよ。。。そう言えば俺は普通に花子が最初から見えてたけど俺ってもしかして霊感があるのか?】
花子「どうかしたのか?」
和哉「べつにぃいー」【まぁいいか。。。】
なんやかんや?で俺と花子の奇妙な2人暮らし?が始まる。。色んな事に巻き込まれていくと知らずに。。。
とぅびーこんてにゅーどぅぅ!
最後まで作品を読んで頂きありがとうございました。
初めて小説を書いたので物語が伝わりにくかったりもあると思いますが最後まで読んでくださった事を光栄に思います。次回作もありますのでよろしければ読んで頂けると嬉しいです。