クラス対抗試合3
さて、いよいよクラス対抗試合の当日だ。
とは言っても、対抗試合は各科目を3日間に分けて行い
1日目 フラッグ争奪戦
2日目 仮想敵討伐戦
3日目 代表選手トーナメント
といった日程で行う。
つまり僕とガルドは観戦がメインとなる。
競技は学校が所有する広大な土地を使い行われるらしい。
競技場は結界で覆われた山岳地帯となっており、その様子を観戦できるよう遠隔投影魔法で学校内で中継されることになっている。
ちなみに、このエペソルーラには僕たちのような戦闘職志望の生徒が大半だが、中には一般職志望の者が自衛の手段を学ぶためにこの学校で学んでいる生徒もいる。
そうした生徒達は今回のような戦闘系のイベントに参加するかは自由となっており、参加しない場合は学校内の広場にて出店などを出しており、イベントに参加していない上級生や、生徒の親族や関係者達はお祭り気分で中継を楽しむのだそうだ。
僕とガルドも試合の開始までは出店で食事を楽しんだ後、遠隔投影魔法が見られる屋外の演習場へ向かい席を確保することにした。
しばらく談笑をしていると、円状になった屋外演習場の中央に司会を務める上級生が現れた。
観戦をする人たちはそれを取り囲むように設置された観客席に座り開始の演説を待った。
「ご来場の皆様!大変お待たせいたしました。これより毎年恒例、一年生同士のクラス対抗試合を開始いたします!ルール説明の前に、まずは、アルス・ハーランド校長先生からの挨拶です!」
そう言うと先生達が座る特別席の方に視線を促す。
「お集まりの皆様、並びに自分たちの後輩の実力を見定め、クラブ活動やそば付きとしての人材を見定めようと躍起になっている上級生諸君。まぜは今年もこの日を迎えられた事を嬉しく思う。今回も試験の内容は同じとなっておるが、毎年様々な展開が待っており、非常に楽しみにしておった。選手を務める一年生達には、大いに期待しておる。」
話し終えるより先に会場中から大きな拍手が巻き起こる。
「ハーランド校長先生、ありがとうございました。 それでは!毎年恒例ではありますがルール説明を行います!」
司会の先輩のルール説明を要約するとこうだ
1、各競技は全て特殊な結界内で行われ、この結界内では致命傷となる怪我をおった場や、重大な違反行為をしたものなど学区側が継続不可と判断した生徒は自動で結果以外に転移されるようになっている。
2、各生徒の頭上にはHPゲージというものが表示され、これが0になった場合も強制退場となり転送される。
3、上記のゲージは実際のダメージに基づき表示されるが、体へのダメージ還元は実際の1/10となる。
これが対抗戦全体の共通ルールらしい。
要するに競技中は大怪我をしないし不正行為もできない。ということだ。
「ここからは、本日開催の フラッグ争奪戦の細かいルールをご説明いたします!」
共通ルールは僕らも聞かされていたが、フラッグ争奪戦には僕とガルドは参加しないため詳しいルールは知らない。
ルール説明に先ほどよりもしっかりと耳を傾ける。
1、A〜Cの各クラスは結界内の4隅にスタート位置を置き、各クラスその地点を自陣とする。
2、結界内のフィールド中央にフラッグと呼ばれるものが設置されており、これを自陣へと持ち帰り 10分間自陣内に所有 していたクラスの勝利となる。
3、フラッグを自陣で10分間保持したクラス、または競技開始から60分が経過した時点で競技は終了、終了までの間に・フラッグを所持した時間 ・自陣に保持した時間に応じてポイントを得られる。
4、ポイントの内訳は ・フラッグの所有時間(1ポイント/1分) ・自陣での保持時間(10ポイント/1分)
所有時間と自陣での保持時間は重複しないため最大150ポイントとなる
以上がフラッグ争奪戦のルールとのことだ。
ちなみに、どの競技も他クラスへの攻撃ももちろん認められているので全員を退場させても勝利となるだろう。
「戦略が重要になるね。勝てるかな…。」
「なんとかなるっすよ!大丈夫っす!」
不安を口走る僕と楽観的なガルド。
どちらを友達にしたいかを考えれば圧倒的に後者だろう。
そんな悲観的な事を考えていると、僕らのいる観客席の中央、司会の先輩の頭上に投影魔法による映像が映し出される。
「さてさて、いよいよ各クラスが配置についたようです!まもなく競技開始となります!今年は一体どのような戦いが見られるのか、楽しみで仕方ありません!」
客席にいるみんながどんどん盛り上がり、熱気を放つ。
「みんな、頑張って。」
祈るように呟く。
「さあそれでは、只今よりクラス対抗試合1日目! フラッグ争奪戦 スタートです!!」
実況のかけ声と共に花火がうち上がる。
会場はさらに盛り上がり、皆一様に歓声をあげている。
投影魔法には各クラスの生徒達が一斉に走り出す様子が映し出されていた。




