クラス対抗試合2
代表選手に選ばれてから、約1週間が経過した。
通常の授業とは別に僕を含めた選手4名は放課後に訓練を行っていた。
僕ら4人はフラッグ争奪戦と仮想敵を討伐する模擬戦には各自どちらか1競技にしか参加できず、2名ずつでそれぞれに割り振らなければならない。
話し合いの結果、クレセアとフィオナはフラッグ争奪戦、僕とガルドで仮想敵との模擬戦に参加することになった。
フィオナは事前に聞いていた通り、魔力量こそ少ないものの非常に頭が良く魔法理論の知識に長けているため、幅広い魔法の行使、応用などが得意なようだ。
ガルドはテリーと同じくギアスト志望で、魔法で身体強化を行いながら魔力を付与した武器で戦うのを得意としているらしい。
フィオナは豊富な魔力量と高い技術力で高位の魔法を習得している。
中でも氷系の魔法は1年生のレベルを遥かに超えているそうだ。
僕はといえば、やはり強みである術式を生かして身体強化や拘束などを駆使して戦う方向で訓練を進めている。
ちなみに、魔法による身体強化の場合他人への付与となると効果が半分以下にまで落ちてしまうのに対し、術式を使用して直接他人に付与する身体強化であれば込める魔力量にもよるが損失なく付与することができる。
それを利用して模擬戦ではクラスメイトのサポートに回ろうと思う。
そうして、それぞれの役割を決めて訓練するのと同時に代表選手としての一番の課題である実践形式のトーナメントのために個人戦の技術を磨いていく必要があるのだ。
「はあ。」とつい不安からため息を漏らす。
「クロ君どうしたっすか?ため息なんかついて」
一緒に訓練をしていたガルドが心配そうな目で問いかけてきた。
「あ、ああごめん。代表戦がやっぱり不安でつい…」
「何言ってるっすか!あの鬼教官と戦える生徒と戦うことになる他のクラスの人たちの方がよっぽど不安っすよ!」
ガルドは笑いながらそう言うと先に戻ると言い残し寮へと向かった
「ありがとう。少しは気が晴れるよ。」
口ではそう言いつつもやはり不安感はどうしても拭えない。
「僕もそろそろ戻るか。」
片付けをして寮へと向かおうとしたところで、見覚えのある3人組が話しかけてきた
「やあ。コネ入学君。今度はコネを使ってクラスの代表選手に選ばれたんだって?」
入学初日に声をかけてきた3人、ニヤニヤとした強気な顔で自慢の金髪髪を綺麗に後ろで束ねた生徒ーラクティ・エアル と取り巻きのバンザスとロイだ。
「えっと、エアル君。何か用かな…」
正直、彼らのことは苦手だ。
入学初日以降、廊下などですれ違う際にもこうして「コネ入学君」と絡んでくるのだ。
どうやらリーダー格のラクティ・エアルが名門の生まれだとかで周りの生徒たちや先生達ですら気軽に注意が出来ないようだ。
「コネを使って選ばれた君とは違い、実力で代表に選ばれた僕がアドバイスでもしてあげようかと思ってね。」
実際、名門の生まれというだけあって幼い頃からの英才教育や名門ならではの生まれもった高い魔力量なども相まってかなりの実力者らしい。
ちなみに、クレセアも同じく名門の家系と知った時には驚いた。
「あ、ありがとう。でもアドバイスは平気だよ。」
角が立たないよう気をつけながら返答する。
「おい。ラクティ様がせっかくアドバイスをくださると言ってるのに断るのか?」
「身の程を弁えろよ!」
僕の返答が気に食わなかったらしいバンザスとロイが声を荒げる。
「いいんだ二人とも。彼もコネを使った手前、伴わない実力を自覚しているのだろう。」
「当日は僕と当たらないように祈っておくんだな。」
そう言い残して3人は去っていった。
一体何がそんなに気に食わないのだろう。
そう思いつつ、彼のいう通りトーナメントでは当たらずに済むことを願いながら寮へと戻った。




