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初めてのレストラン

割り勘

ワイそれで1度損した記憶がある

初めてのレストランにフレイヤは目を輝かせながら見ている。


その姿はとても微笑ましい姿だ。


元々このレストラン自体洋風な雰囲気を醸し出しているのでかなりオシャレだ。


ここに来た初めての人は絶対高級料理店と見間違えるほど装飾、照明に至るまでオシャレを極めまくっている。


「あのお兄さん、ここかなり高そうな雰囲気がするのですが」


「大丈夫ここ安いで有名の店だから・・・クリート、席に先行っててくれ、俺水取ってくるから」


「了解、荷物持とうか?」


「気が利くねー、じゃあお言葉に甘えて」


「俺のも取っとけよ」


そう言うとクリートはフレドの荷物を持ち席へと向かった。


席は2人2人の対面になれるような席だ。


1番ベーシックで1番使ったことのあるタイプの席なのが良かった。


とりあえずフレドとフレイヤは隣同士で座りそうな気がするのでクリートの隣にフレドの荷物を置いておいた。


ちょっとしたクリートの気づかいだ。


2人が水を取ってきてくれたようでちゃんと3つある。


「ありがとうな、おいひたひたじゃねぇか!」


クリートのコップの水だけ明らかにひたひただ。


フレドの謎技術と謎バランスが光ってできた賜物だろう。


迷惑極まりない。


ニヤニヤした顔と声でフレドはクリートに、


「イタズラだ」


「あぁ、ひたひただと最初飲むのに苦労するから嫌いなんだよなぁ」


そう言うとコップを持ち上げず頭を動かし飲んだ。


正直行儀が悪いっちゃありゃしない。


フレドはすまんすまんと全く反省していない誤りを見せながら席に座った。


それに続くようにフレイヤは多少オドオドしながらであるが座った。


慣れない空間はきっとフレイヤにとっては苦痛だと思うと少し申し訳ない気分だ。


「フレイヤ、ごめんな無理矢理連れてきた感じで」


「大丈夫ですよクリートさん、私はお兄さんと一緒にこういうところに行きたかったのですよ・・・そのために色々と慣れたいので今日は本当に良い経験です」


「そう言って貰えると少し嬉しいよ」


フレドはそう言われてるのにも気づかずメニューを凝視している。


そんなに見てもメニューは変わらないぞと助言したいが多分何かあるのだろうと思いながら無視しておいた。


「フレイヤ、アレルギーとかは無いよな」


「はい、特には」


「フレド?アレルギーとか知らないのか?」


「いつもフレイヤが作ってくれるからつい甘えちゃって・・・アレルギー聞く機会が無かったから」


「お前だいぶダメ人間になって来てるぞ」


「それはいつも思ってる・・・まじで」


「大丈夫ですよお兄さん、私家事は得意なのでできる限り見せつけたいと言いますか・・・得意なものは見せつけたくありません?」


クリートは顎を持ち考えた。


フレイヤの言う心理は間違えては無いしなんならクリートにもフレドにも当てはまる。


「確かにそう言われればそんな感じはあるな」


「そういうものですよ・・・私尽くすのが大好きなので」


「良い人に出会えたな・・・フレド」


「少し恥ずかしいけど、ありがとう」


フレイヤは笑顔とドヤ顔混じりの顔で笑ってくれていた。


良い人に出会えたというのは本当のことだ、その点はフレドがとても羨ましいこと限りない。


クリートはもう1冊あるメニュー表を見ながら料理を決めた。


フレドとフレイヤは2人で1冊で考えている。


傍から見るとカップルか家族か分からない距離感だ。


(俺の周りって無意識バカップル多くね)


少し自分が浮いている劣等感があるけどそんなに気にするものでもないかと気を変えるしか出来ない。


若干周りからの視線があるが2人は気づいていない。


クリートは気まずさで死にそうだ。


(悪かったな俺が居て!)


やはり知らない人から見るとカップルに謎の人間という本当に謎なメンバー状態なのが余計注目を集めている。


「なぁ決めたか?」


「俺は決めたぞ、フレイヤは?」


「私も決まりました」


「じゃあ押すぞ2人とも」


なんかすごく時間が長く感じた。


変な緊張があったのか汗がすごい。


それはクリート自身気づいていない。


その汗に気づいたのかフレイヤはハンカチを1枚渡した。


「あの?変な汗出てますよ」


「あ、す、すまない」


その時初めて自分が変な汗をかいていたということに気がついた。


とても恥ずかしい。


フレドはそれを見ると笑いながら水を飲んだ。


つまらないか心配だったが普通につまることなく飲みきった。


やはりフレイヤは初めてなので周りをキョロキョロしている。


今までこの時間軸に来て以降旅行を除き行動範囲がとてつもなく狭いフレイヤにはこの時代のレストラン等は初めてだからやはりワクワク感や探究心があるに違いない。


フレドはフレイヤの質問に全て答えていった。


「ねぇねぇお兄さん」


「なんだ?」


「ここ毎日人がいるの?」


「そりゃファミレスだしな・・・初めてかファミレスは?」


「未来にもあるっちゃあるけど私行ったことがないので・・・」


「そうなのか、じゃあここで思う存分楽しんだら?行きたい日とかあれば全然一緒に行くよ」


「ありがとうございますお兄さん!」


だからさっきまで周りをキョロキョロしながら歩いていたのだと考えるとさっきまでのフレイヤの行動に全て意味がわかった。


2人の仲睦まじい会話を聞きながら料理を来るのを待った。


割とこの待ち時間もレストランの醍醐味だからクリートは全然苦に感じないしならない。


しかしこのレストランは注文されると割とすぐに来るのが特徴なので注文から五分くらいで着いた。


その速さにフレイヤは心底驚いている。


フレイヤはハンバーグを注文していた。


湯気が出ていてとても熱そうだ。


鉄板の上にあるので尚更雰囲気がある。


ちなみにクリートとフレドは同じパスタを頼んでいた。


その点にも驚いていたがやはり驚くべきはその速さだ。


「凄いですねお兄さん!これだけ早く作れるって」


「ほんといつもすごいよな・・・まぁ企業や従業員のちから賜物だろ、ホントすごいしか言いようがない」


「わぁ!これ出来たてじゃないです!?」


フレイヤは初めてのレストランに興味津々だしすごく興奮しているので見ているだけで楽しくなった。


本当に彼女にとっては凄いという言葉しか見つからないのだろう。


近くに置いてあるフォークとナイフをフレドとフレイヤに配り食べ始めた。


フレドとクリートは食べなれた味なので余り新鮮な気分にはなれないが初めてのフレイヤは新鮮な気持ちで食べれていた。


「おいしいですね!とても肉が熱くてソースも美味いです!」


「これほど喜んで食べてくれると嬉しいよ、俺作って無いけど」


「この鉄板も美味しさの秘訣なのですかね?」


「いつ来てもこの値段でこの充実っぷりにはいつ来ても驚かされるよ」


「うふふ・・・おいしい」


フレイヤの幸せそうな今にも溶けちゃいそうなとろけた顔はとても癒しだと思うくらい可愛い。


これだけ笑顔で食べてくれると何度でも言うが本当に一緒に居てて楽しくなる。


食い終わる頃にはフレイヤは満足した顔で待っていた。


満腹美味しいものが食べれて心底嬉しいだろうと顔から見ても分かるくらい変わっていた。


「じゃあ会計するか・・・クリート割り勘だと言ったよな」


「そのつもりだよ」


「分かりました、割り勘というのがよく分かりませんが」


「割り勘というのはな・・・」


フレドのお得意の説明はいつ聞いてもじょうず上手だと思う。


フレイヤはその割り勘というものにも驚いていた。


「そんなことまであるのですね・・・でもそれじゃ安い人だけ損じゃ・・・」


「まぁあまりそういうことなったことないし分からないがたしかにな、まぁそういうところも面白い所だ」


そうこうしている間にクリートは1人何円かを計算してくれていたようだ。


「これ、1人の代金だよ」


「ナイスクリート!」


「ありがとうございますクリートさん」


もう一度このメンバーで食いに行きたいと思えるような外食だった。

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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