復活
ここから戻るって何となく察しついてたでしょ、在り来りな展開で申し訳ありません
クリートは目を開けない。
あの事件から一日が経った。
そして悲しみにくれる中スクルドはクリートを目覚ますために何かを考えた。
「待って!」
「な、何!?」
「クリートは最期AI兵のベルトを使っていた、AI兵のベルトにはシステムがあったはずよ!」
「確か、!?」
「そう、戦闘不能になっても電気ショックで動かすということ」
「てことはクリートさんはまだ」
「可能性はある、私が斬ってしまったベルトがあるの、そこから電気ショックを出すわ!」
「回復魔法、物にも効くのかな」
「安心して、効くわ!実の息子が生き返るかもしれないチャンス、逃すわけないわ」
「ならこの2つをひとつに戻して」
と言うとスクルドは最期にクリートが使ったベルトを出した。
「はぁー!」
と声を出すとベルトから光が放ち元通りへと直ったのだ。
「この部分に、あったあった」
「電気ショックの場所が分かるの?」
「一応ね、気になって1回分解したことがあるからその時の記憶を頼りに」
作業が終わりクリートの体に着け
「ちょっと離れて!」
と言うとスクルドはボタンを押し辺り一面に光が放たれた。
光が小さくなるとみんな心電図を見た。
若干だが動き出してきた。
顔に張りが戻ってき、呼吸などが再開された。
「く、クリートさん!」
「貴様!」
「良かったわ、本当に良かった」
「クリート君、後の対応は医者にやって貰うしかない!心臓は動き出したけど傷がかなり酷いからそれで死ぬかもしれないし」
スクルドはそう言うと部屋を出て受付へと向かった。
「そうね、私も魔力を使いすぎてこれ以上出せないし」
「わかりました、ヴェル行くよ」
みんな部屋を出た。
クリートは意識が戻った。
見るとそこは手術室だった。
(あれ、俺は)
「目が覚めたぞ!連絡しろ!」
(医者?まさか俺はあのベルトを使って後ろから斬られて、後はなんだったけ)
クリートは自分がどんな状態かまだ把握し切れていなかった。
「聞こえていますか、あなたは1度心臓が完全に止まりました」
「そ、そうなのですか」
「はい、でも1日後にスクルドさんという方から心臓が動き出したと言われ今に至ります」
「スクルドが、後で礼を言わないと」
「ひとまず傷も治したので1週間入院してもらいます」
「1週間でいいのです?」
「はい、かなりの傷でしたがそれなりに治しやすい傷だったので一気にやっていき今は何一つ怪我などない状態なはずです」
「本当にありがとう」
「とりあえず体を休めるための入院なので無理はしないでください」
とだけ言うと医者はベッドを移動させ入院室にクリートを送った。
「少し寝るか」
クリートは寝ようとすると急に扉が開きみんながやってきた。
「クリートさん!」
「貴様!」
「我が息子よ!」
「クリート君!」
「病み上がりそうそううるせぇな!」
「クリートさん!大丈夫ですか!」
「一応な、体自体は痛くない」
「でも何でAI兵の変身機器なんか使ったの?」
「いや腕時計を使うと制御ができるようにしたんだけど腕時計を奪われてしまって」
「貴様!それは本当か!」
「本当さ、ごめん無理をしたばかり」
「確かにノルンさん達に取ってこれはかなりやばいわ、でも今は生き返った事を喜ばなくちゃ、そしてスクルドさんが良いニュースを手に入れたみたいなの」
「そうそう、クリート君、相手も同じ変身機器を使っていたのでしょ、その原因が今までクリート君1人のせいだと思ってた、でも本当はあのテロリスト自ら製作したっていうのがわかったの」
「てことは」
「そう、あなたの殺害命令は消えたわ」
「よ、良かった〜、でもテロリストの技術を高めてしまう、取られてしまって」
「それも安心よ、クリート君のやつで技術が上がるわけが無いから」
「くっ!嬉しい半面腹立つ」
「貴様!本当に大丈夫か」
「大丈夫大丈夫、みんな、心配かけたな」
「本当よ、でも私の息子だから信頼していたわ」
「母さんはタフすぎるよ、精神が」
「でもあなたがやってくれたおかげでテロリストの情報が一気に掴めたわ」
「良かった、無駄じゃなかったんだ」
「あなたの記憶にテロリストの顔は記憶されているでしょ、それを使わしてもらったの」
「いつの間に!」
「あなたが倒れた時、心臓マッサージをしながらね」
「それを提出して今捜査中」
「スクルド、ありがとう、俺を助けてくれたのはお前だろ」
「いや、みんなよ、みんなあなたの事を見守っていたし観葉植物とか変えてくれてたよ」
「そうか、みんなありがとう」
そこから数十分後面会が終わりみんなが帰っていった。
クリートはあの戦闘に唯一心残りがあった。
あの変身機を盗られてしまいテロリストにリベンジが出来ないということが心残りだった。
「今手にある力はこれだけか」
クリートの手にAI兵の変身機を改造させた物があった。
「必ず、必ず、必ず!」
そうつぶやくとクリートは1度寝た。
1週間後、クリートは退院した。
ドアを開くとみんなが居た。
「おかえりなさい!」
と開けた瞬間クラッカーを鳴らして祝福していた。
(こんな日々も悪くないかな)
と初めて思った、自分という存在の復活が周りから祝福されていた。
その事が本当に嬉しかった。
「ありがとう、みんな」
と言うとクリートは家へ入った。
ブックマークをしてくれると本当にやる気が湧きます、どんどんしてください




