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鏡合わせの自分

「お、俺が目の、前に……」


目の前にいたのは誰でもないクリート、クリート自身なのだ。


姿や背などほとんど一緒だ。


服は白色のロングカーディガンを着ている。


そこ以外相違点がない。


「そう、俺とお前は同一だよ」


「な、ならお、お前は」


「まず名前を言うよ、俺の名前はオーディン、早速だが君たちの世界にもう興味は無い……だから御役御免な世界は」


「どうするつもりだー!」


「破壊する」


その時周りの雰囲気が凍りついた。


いきなりのことが多すぎて誰も理解できないようだ。


みんなが理解できていない状態だがオーディンはまた話し出した。


「な、なぜ、なぜ世界を壊す!」


「俺は全てを創った、もちろん人間もだ、しかし人間とはとことんクソな生き物だ、吐き気がする」


「そ、そういうお前は人間の姿を……」


「人間と最初は対話するつもりだったさ、でもな人間は変わらない……なら何度でも世界を壊し創り替え人間を正す!」


そう言うとオーディンは姿を変えた。


キメラ体に姿を変えていたのだ。


見た目はほとんどクリートと似ている。


しかし少し見た目はクリートの方が悪役っぽい。


姿を変えた瞬間クリートは立ち上がったが手に異変を感じる。


立ち上がった瞬間一瞬怯んだのでここに居るみんながクリートの異変に気づいたのだろう。


(て、手が、手が痺れる?)


クリートは腕時計型バックルのある腕を抑えた。


その腕が一番手の痺れが酷いからだ。


クリート自身も腕の痺れの原因は何となく分かりきっている。


きっとあのバックルのせいだろう。


それに気づいたかオーディンはそちらに話を向けた。


「もうクリートも限界だし諦めろ」


「くっ!?仮に世界をこの手で守れるのならお前の人形でも構わない」


「そうか……ならまずお前を消そう」


そう言うとオーディンは走り出した。


「ふん!」


グン!


「うぐっ!」


オーディンのスピードはとても早くクリートは防御が精一杯だ。


攻撃の音も今までで聞いた事のない音だ。


その音から分かるくらい攻撃力は高い。


クリートはその攻撃で一気に防御を振り落とされた。


(う、腕の痺れが!)


腕の痺れは更に強まる一方だ。


しかしそれでもオーディンの攻撃は強まる。


ドンドン


ドン


ドンドン


「がはっ!」


「もう限界なんだろ!?お前の体は!」


「ま、まだだ!」


「どうして戦う!お前が戦っても何も変わらない、苦しんで死ぬより楽に死にたいだろ」


オーディンの攻撃がどんどん激しくなる一方だ。


その攻撃に対応しようとクリートも攻撃を仕返すが全く当たらない。


ドンドン


傍から見るとクリートが一方的にやられているように見える。


ついに限界を迎えたのかクリートは思いっきり吹き飛んでしまった。


「がはっ!がぁつ!がはっ!」


クリートは今でも立ち上がろうとするがその度に口から紫色の血を吐き出す。


もうクリートは人間では無い。


オーディンはそのクリートにどんどん近づいていく。


こん


こん


こん


こん


「辞めて!変身!」


ノルンがモージの姿に変身した。


その姿でオーディンにまとわりついた。


ノルン自身この力では圧倒的力不足なのはわかっている。


だからこの行動は時間稼ぎのための行動だ。


しかしオーディンは強く。


「そんなヤワな拘束なんぞな!」


そう言うとオーディンは肘でノルンの腹を思いっきり殴った。


その瞬間ノルンの拘束が緩まり緩まった時を狙いたくさんの攻撃でノルンを攻めた。


ドンドン


ごんごん


ガンガン


「う、うぐっ!」


「これがベルトか!」


そう言うとオーディンはベルトを思いっきり殴りノルンの変身体を解除させた。


「し、しまっ……」


「さぁ、審判の時!」


ノルンの首をオーディンは思いっきり掴む。


ノルンは苦しそうにもがくがオーディンは全く力を緩めない。


「君たち人間では俺を倒せない……だから諦めろ」


「そう、なら僕たちは死ぬ最期まで足掻くよ」


スクルドはモージのバックルを持っている。


しかしスクルドも満身創痍な状態だ。


まともに戦えるわけが無いのはみんなわかっている。


「そうか、なら今ここで最期を迎えさせてやるよ!」


オーディンは止めようと走るが動かない。


体にまとわりついているのものがあるのをオーディンは気づいた。


体を動かし回るが一向に解ける気がしない。


オーディンはその糸が伸びてる方向を見るとそこに金髪のツインテールの少女が居た。


「仮に今気を貴様と戦っても負けるしか未来は無い……でもクリートが目覚めると何か未来は変わる、それに賭けるよ」


「そ、そんな無駄な賭けにわざわざやるとはな!?」


そうヴェルの居る方に向き話し終わると前を向いた。


前を向くと変身体のスクルドが居てアパッチリボルバーのメリケンサック状態で顔を思いっきり殴られた。


「ごふっ!」


その時オーディンを拘束していた糸が全て解け地面に力無く倒れた。


スクルドはアパッチリボルバーをリボルバー状態に変え銃身をゆっくりとオーディンにへと向ける。


しかしオーディンの体は意外にも元気だったようだ。


すぐに立ち上がり手を広げなにか喋り出した。


「ははは!人間もここまでやるようになったのか!面白い、なら少し猶予を与えるよ!今日1日だ!それで何とかするんだな!場所はイテシーのショッピングモールだ!」


そう言うとオーディンは灰になり消えた。


みんなが見ているが理解出来るわけが無い。


しかし世界の終焉を迎えるかのように雨は更に強まる。


地下駐車場からも音が聞こえるくらい音が強くなってきている。


「みんな!」


どこかから声がした。


「ノルンもみんなも、そしてクリートもどうしたのその怪我!」


「は、話は後だ、少し体を支えてくれ、もう動けない」


「わ、わかった!」


ウルズはクリートの肩に手を当てクリートとウルズの二人三脚状態で歩き出した。


しかしウルズもクリートの異変に気づいたのか質問をひとつ投げかける。


「クリート、正直に答えて、キメラでしょ」


「あぁ」


「やっぱりか、最初から思ってたんだよ、ノルンが変身する時のあの苦痛に叫ぶ声、そして過去の報告書からの情報から分かるクリートの怪我、そしてクリートの戦闘の期間、クリートの体の頑丈さから最初から何となくわかってたよ」


「やっぱり隠し事はできないかー」


「まぁクリートらしいっちゃらしいね、過ごした期間は短いけど」


ウルズはなんでもわかっていた。


短い期間なのに全ての特徴を掴むのは本当にノルンの先輩として実力があるようだ。


「と、とりあえずイテシーのショッピングモールに行く」


「貴様その体では」


確かにヴェルノ言うことは一理ある。


しかしクリートは自分の体より自分の知的好奇心の方が強く早く行きたいのだ。


「ごめん、俺は行かなくちゃ行けない、どうしても気になるんだ、俺が何者なのか、それがあそこに行くと分かるかもしれない」


「とりあえず今マームさんが車で来てくれているから待ってて」


「母さんが?危険すぎる!」


「今はそんなこと言ってる場合ではないでしょ!」


「うぐ、わかった」


ウルズは何でも先のことを考えているのは本当に凄い。


その視点の広さは勝てるわけが無い。


「ほんと、ウルズ、凄いな」


「むーっクリートさん!」


「すまんすまん、お前も頑張ってくれたよ、ありがとな」


クリートは空いている手でノルンの頭を優しく撫でた。


正直腕の震えが止まらないため上手く撫でているか分からない。


(もっとこういう生活をしたかったよ、もう俺の体は限界なのかもな)


クリートは自身の体にタイムリミットが生まれているのが自身で感じてきた。















タイムリミットまで残り23時間















イテシーショッピングモールにてオーディン発見。

挿絵(By みてみん)

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)



ちなみにオーディンさんについて簡単に解説


異現混合の原因となった人物

つよい

それだけ

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