DestinyEXAM(運命のテスト)後編
グレネードランチャーの男はピストルを静かに構え放とうとしていた。
「これで終わりだー!」
ノルンは何とかの思いで動けたが動いた先にも撃たれた為ワイヤーを飛ばし回避する。
だがそれ以降のことを全く考えていなかったためこれ以降の行動ができず立ち止まってしまった。
そのためすぐにまた隙を大きく見せてしまうことになってしまう。
「・・・少し手間取らせやがって」
男は1度ピストルをノルンの手でがっちりと握っているピストルに放ちそのせいでノルンのピストルを落としてしまった。
「さぁ終わりだな・・・ほんと手間取らせやがって」
グレネードランチャーの男がピストルを構え今度こそちゃんと終わりだ。
(うそ!また!私ってやっぱり)
「・・・うおりゃァァ!」
グレネードランチャーの男の後ろから剣を大きくふりかざしてきた者が居た。
一瞬すぎて良く見えなかったがきっとスクルドだ。
「スクルドさん!いつの間に!」
「ノルン君・・・単独突撃は危険だよ」
少しその声はキレかけているというかキレてる。
ノルン自身申し訳ないと思う。
グレネードランチャーの男に馬乗りの体勢になり行動を封じている。
ノルンは体を無理やり立ち上がらせピストルをもう一度握り直し構えた。
「これで・・・ごめん!」
ノルンはピストルを放ちグレネードランチャーの男を撃破することに成功した。
(ふぅーかなりやばかった、私みんなに迷惑しかかけてない・・・どうしたら)
ノルンは生き残れたがそれ以上に悩みが生まれてくる。
自分の強さについて本当に悩みが出てきていく。
「ノルン君・・・あまり気にしなくていいよ・・・この戦いに生き残ることに集中しないとね」
その様子を汲み取ったのか優しい声で励ましてくれる。
その優しさを無下に出来ない。
「はい!わかりました」
そのためノルンは明るい対応で応答した。
あまり気を使わせすぎるとスクルドにも迷惑をかけることになるのであまり気を使わせないようにする。
しかし1人忘れている気がノルンにはある。
大事なメンバーである・・・
「待ってください!ヴェルさんは!?」
「ヴェルなら撃破したみたいだよ」
「す、すごい・・・本当にすごいです」
もう小学生並みの感想しか出てこない。
ひとりで無双していたようだ。
そんなことを話しているとゆっくり片手にネックレスを持ちながら歩いて来ている人が来た。
さっきの戦いの勝者ことヴェルだ。
「ヴェルさん、すごいですね!」
「・・・簡単に倒せたから」
ヴェルは眉ひとつ動かさず無表情で言う。
その様子に少しベテラン感すら感じる。
同い年なのに。
「すごいよヴェル君・・・じゃああと何グループあるのかっと・・・おぉ!あと1つのグループがやられるとクリアだよ!」
スクルドが1グループに1つある小型モニターをみんなに見せた。
モニターの画面には残り4グループとはっきりと書いてある。
「どうします?戦いに行きますか?」
「うーんここは安全策を取ろうかな」
スクルドは近くを見回すと1つ空き小屋があるのを見つけた。
二階建てでかなり壊れている家だったようなものだ。
かなり年季があると見て分かる。
大きさも小さくもなければ大きくもない程度なのでちょうど3人で良い程度だ。
中に入ると二階建てなのもあり割と快適に過ごせてよかった。
「中々良いね・・・これ・・・うん、これって」
中にある違和感をスクルドは感じたようだ。
「ねぇ・・・よく見るとここ糸がある」
ノルンも違和感を感じていたようだ、ヴェルとは違う糸なので一瞬で理解出来る。
それと同時に後ろからの視線を感じた。
その視線は徐々にヴェルに向いたのがわかった。
「ヴェルさん!危ない!」
ヴェルはその時自分が危険な状態なのを初めて理解したようだ。
蛇に睨まれた蛙のような顔をしていた。
そんなヴェルを突き飛ばし庇う。
ノルンは突き飛ばした時に脇腹に謎の違和感を感じた。
「うぐっ!」
ヴェルが壁に突き飛ばされた。
しかしノルンの方が状態は酷いようだ。
「うぅ、体がぼーっとしてくる」
「大丈夫!?ノルン君!?」
「だ、大丈夫よ、う」
ノルンが立ち上がろうとするが体に上手く力が入らない。
ずっとぼーっとした感じだ。
近いのはインフルエンザの時の体のだるさぐらい。
「・・・ノルン・・・ノルンは私が守るからスクルドは周りを見て!」
ヴェルが初めてよく喋っているのが少し嬉しいのはあるが今はそのようなことを言ってる場合では無い。
「ありがとうヴェル・・・」
感謝を伝えるとスクルドはノルンに放たれた弾の方へ走り出した。
ヴェルの膝にノルンの頭を乗せ様態を聞いた。
今までヴェルは気持ちの表現が苦手だったが初めてドキドキする気持ちに襲われる。
初めての感情で何と言えば良いか分からないものだ。
「・・・ノルン大丈夫?」
「・・・ごめん少しぼーっとする」
「・・・大丈夫私が守るから」
そう言われるとノルンは笑顔で答えた。
しかしやはり体のだるさがあり自分でもよく覚えていない。
「ふふふ、ありがとう」
「だから待ってて」
「ありがとう」
そういうとヴェルは2階に行き周りを見回した。
周りはあまり遮蔽物等がないので丸見えだ。
しかしそれはこちらもだ。
そのため的にならないためにボロボロ壁からちらっと覗いている。
少しの視界でも安心ができるものだ。
周りを見ると少し周りの緑と上手く同化ができていないのが見えた。
「・・・ここね」
ヴェルは糸を放ち同化している所にちょっかいをかける感じに放った。
「うわ!な、何!?」
「同化の得意武装ね、こっちは糸だから」
「くぅ!」
同化の人はマントで隠れていたらしくそのマントの強奪に成功した。
「よし」
マントを自分の体に法被のように被り走り出した。
しかしそれはヴェルの行った最大の大誤算だった。
「し、しまった!」
草村だと思っていたところから急に人が現れた。
そうこのグループは同化がとくいなが得意なグループなのだ。
もう1人の敵が待機していたのだ。
完全に同化していた敵からピストルの射撃が飛んできた。
糸で壁を作るがマントで隠れていた敵はあれが得意武装ではなかったようだ。
その男はアサルトライフルを所持している。
アサルトライフルのターゲットをヴェルに決めトリガーを引いた。
「あばよ糸使い」
そういうとアサルトライフルから大量の鉛弾が飛んできた。
(避けれない!?このままじゃやられる!?)
もう諦めて1度目を閉じた。
しかし自体は思わぬ方向へ進んでいたのだ。
ウィーン!
何かが飛んできている音だ。
かなりのスピードで近づいてくる。
明らかに人間では耐えれないスピードに感じるがよく見ると人間だ。
1番その音が近いときに体が持たれた感覚が全身を包んだ。
不安感などなくただただ安心する抱き方なので心が一瞬落ち着いきその後にドキドキが止まらない。
「うぐっ!くぅ!」
目を見ると足にアサルトライフルの弾を大量に被弾していたノルンが居た。
目がどんどん閉じかかってきている。
普通ならとっくに寝ているものなのにそれでも寝ない姿はとても男らしい。
その様子にノルンに対し友達を超えた「何か」を初めて感じた。
普通なら男に感じるこの感情だがヴェルはノルンに抱いた。
「ノルン!?」
「ヴェル・・・さん、少し動きますので気をつけてください」
ノルンはワイヤーを滑空中に解除しヴェルの体を固く抱き空中一回転を決めた。
なぜ一回転したかと言うと照準を合わせるためだからだ。
さすがに少しでも油断したら寝てしまうこの状態でノールック射撃は無理だと判断したノルンの行動だ。
だがノルンの手が震えているせいか上手く定まっていない。
「くぅ!中々合わさ・・・らない」
声を漏らすとノルンの腕が糸で固定される感覚を感じた。
固く二度と離さない意志を感じ落ち着いてくるのもある。
隣を見るとヴェルが糸を出しノルンの腕を固定させていた。
「ノルン!糸で手を支えるよ」
「あ、ありがとうございます!」
たくさんの銃弾が飛んでくるが被弾前にノルンが的確に一発一発相手に当てることが出来た。
「うぐっ!ヴ、エルさん、ネックレスの回収を」
「・・・わかった」
地面に着く頃にはもう意識はほとんど無いに等しい状態なので着地体勢がとても危険な状態だ。
それを真っ先に理解したヴェルは糸でネットを作った。
近くに2本の木がなかったら出来ない技だ。
弾を全弾ノルンが受けたおかげで耐えれぬくなりついにその意識が着地時に閉じた。
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目を覚ますと目の前に大事な人がいる。
その顔はもはや安心感すら感じる。
「く、クリートさん!?」
「本当に危険だな、このバックルを使ったのか・・・とりあえず良かった」
目の前には本当に安心している顔のクリートが居た。
隣にはフレドも居る。
クリートは変身していないのにどうやって捕えれたのかは気になったがまた今度聞くことにした。
「フェークだな・・・俺たち見たんだよ・・・フェークがゴリを無視して歩くところをな」
「・・・正解ですけど中々な考え方ですね」
「まぁ話は後だ・・・体がなかなか動かなかっただけだ」
クリートの察しの良さに少し感心するしかできない。
「フレド・・・行くぞ」
「おう、変身」
フレドはさっそくエンドスカパの時の見た目になり走り出した。
「じゃあ俺行くよ・・・変身」
クリートはノルンを下に優しく置き変身した。
クリートはブラスターフォームに変身した。
ガントレット付きでは無い。
久しぶりに見たので少し懐かしさがある。
2人は校舎の入口にへと走り出した。
ノルンはただただ見ることだけしかできずにいる。
(クリートさん、頑張ってください)
その2人の姿はとても男らしくそして大きな背中に見える。
ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω•˘ )




