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第11話 初冒険者活動

 朝の一回目の鐘(6時)で起きた俺は朝食を食べに青熊亭の食堂に向かう。


 昨日の夕食のシチューはすごくうまかったからな。Cランクのビックボアの肉を使っていたらしく、食べ応えも抜群だった。これからの朝食も期待できそうだ。


 今度、食える魔物肉を持って行って料理してもらおう。差し入れにもなるしな。


「お!早起きだなスターク」

「おはよう。コーヘンさんは俺より早起きだろ?」

「そりゃそうだ、みんなの朝飯作らなきゃいけないからな」


 カウンター席に座ると厨房から声を掛けられた。

 コーヘンはこの青熊亭の料理人で ナターシャさんの旦那さんだ。見た目は熊のような大男で、青熊亭の名前は冒険者時代に倒したブルーベアと自分の見た目を掛けたものらしい。


 ……エミリーはナターシャさんに似て良かったな。

 


「ごちそうさん。うまかったよ」

「おうよ!今日は何すんだ?」

「九時に防具を受け取りに行って、それからは適当な依頼でも受けるつもりだ。二回目の鐘が鳴るまでは昨日買った本を読む」

「ほー、金持ってんなぁ。食える魔物狩ったら肉持って来いよ、夕飯増やしてやるぜ?」

「狩れたらな」


 食堂から自分の部屋に戻りアイテムボックスから本を取り出す。


 昨日は服や薬など色々買ったな。アイテムボックスの容量がデカくて助かった。


 この本は魔物の図鑑のような物で生態や弱点などが詳しく載っている。

 金があるなら買った方が良いと言われているだけあるな。おすすめしてくれたマリーに感謝だ。


 集中して本を読んでいると九時の鐘の音が聞こえてきた。気づけば二時間近くぶっ通しで読んでいたらしい。

 有益な情報が沢山あって今後の活動に活かせそうだな。

 切りのいいところで読むのを止めてシュミットの工房へ向かう。


 工房に着いたのは九時半頃だった。中に入ると昨日、双龍牙に群がっていた内の一人が店番をしていた。


「あ、いらっしゃいませ!親方なら奥です、案内しますね!」


 ふむ、普段は普通の人の様だ。

 案内された先にはシュミットと双龍牙、調整されたブラックドラゴン一式が置かれていた。


「おぉ来たか!見ろ、スターク!完璧な仕事だぞ!」

「おはよう、シュミット。楽しみにしてたぜ」

「さっそく着てみろ!調整はバッチリだからな!」


 シュミットにも急かされたのでさっさと着るか。ズボンとブーツを履き、シャツの上から胸当てを着け上からコートを羽織る。

 動きに違和感が無いが確認するために体を動かす。すごい伸縮性だな、どの動きも阻害されずに可能だ。


「問題無いみたいだな。我ながら良い仕事したぜ」

「ああ、最高だよ。これなら崩牙ほうがを振り回しても問題ない」

「その崩牙たちもしっかり研いでおいたぜ。元々の双龍牙そうりゅうがの特性と使い手のおかげで軽く研いで磨いた程度だけどな」

「それでも本職の手入れは必要だな。昨日よりも良い状態だ。俺も手入れは良くするが職人には敵わないからな。また顔出すよ、シュミット」


 冒険者ギルドで討伐依頼でも受けるか。この防具を早く実戦で使いたい。



 冒険者ギルドで依頼を受けるには、掲示板に貼ってある依頼書を受付に持って行く事で依頼を受けられる。そう説明を受けたが、掲示板の依頼書はかなり少なく、常設依頼と稼ぎの少ない依頼しか残っていない。


 来る時間が遅かったようだな。こればかりは仕方ない。一応マリーに聞いてみるか。


「あらスタークさん、こんにちは。来るのが遅かったわね。割りのいい依頼はほとんど他の冒険者が受けちゃってるわよ」

「あぁ、この防具を受け取りに行ってたからな。余りで何かおすすめの依頼ってあるか?」

「そうねぇ。東の森の深い所なら強い魔物が多く生息しているわ。そこの魔物の素材を売れば依頼を受けなくてもかなりのお金になるはずよ。」

「へぇ。でもあそこの魔物達は依頼だとBランクだろ?いいのか?」

「普通の人にはおすすめしないわよ。命の危険があるからね。でも、あなたは元Aランク冒険者も倒しているし今更でしょ?ギルドマスターも実力はAランク上位って言ってたし」


 サーニャさん(ギルドマスター)から評価は思ったより高かったみたいだな。それとマリーの言い方では同じランクでも上下があるようだ。

 あと、魔物の討伐依頼は後からでも受注、達成が出来るらしい。依頼があればの話だが。


 マリーに礼として大銀貨《約一万円》を渡して東の大森林へ向かう。


 東の森には一時間程度で到着した。


 丁度昼前だな。屋台の串焼きを買っておいて良かったな、昼抜きなんて事にはならずに済む。


「お、これうまいな。また行くか」


 さて、腹拵えも済んだし魔物を探すとしよう。

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