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電験三種と過ごした日々  作者: 37,5or9
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・成長、劣化 / テセウスの船


 『今年も気が付いたら半年が過ぎた』、というのを毎年やっている。ふと思ったのだが、以前(今は違うのかもしれませんが)独身男性の平均寿命は65歳だという話を聞いたことがある。ならばもう、人生も折り返してしまったのかもしれない。


□□


 オイル漏れの修理に出していた車だが、やっと戻ってきてくれた。(自分が取りに行っただけですが)

 最初は3日の予定だったが、1週間になり、さらに3日延び、さらに試運転したい、ということでさらに1日延びた。10日以上離れていた。1年の36分の1くらいも離れていたことになる。(そのまんまですね)

 代車は本当に快適だったのだけれども、いかんせんしっくりこなかった。あとはやはりCDが聴けないのは辛かった。そんなわけで修理屋に入って、自分の車の顔を見た時『うわー!』となった。久しぶり! という感じだ。


 延び延びになったのがちょっとあれだったけれど、ボンネットを見せてもらった瞬間、不満は吹き飛んでしまった。


『エンジンめっちゃ綺麗になってる!』


 パッキンを変えるだけの予定だったが、エンジンの上部のカバーも交換しなければならなくなったそうだ。その所為か、かなり綺麗になっていた。


 天井の天井の低い運転席に乗り込みエンジンをかける。エンジンキーの挿入角度がしっくりくる。シフトレバーを操作してDレンジに入れる。サイドブレーキを戻そうとして……最初から引かれていなかった。動き出す前に代車に乗っていた時の癖で、ブレーキペダルの左(代車のパーキングブレーキのあった場所)を踏もうとしたが、当然何もなかった。


 少し走らせてから河川敷の公園に止めて、ボンネットを開けてみる。


(あれ?) となった。以前ボンネットステー(ボンネットのつっかえ棒)を保持する樹脂パーツが壊れて、それを両面テープとネオジム磁石で代用したという話をしたのだが……磁石が外されていた。(なんで? 気に入らなかったのだろうか)

 まあそれはともかく、新しくなったエンジン(カバーだけです)は綺麗だった。他にも微妙に、修理明細には書かれていなかったけれど、取り換えられているような気がした。一番はっきり判ったのはバッテリーのプラス端子から延びるケーブルなのだが、1本しか繋がっていなかったはずなのに、プラス端子の所から二股に別れていた。どこの電源に繋がっているのかはよく判らなかった。

(※ 昔の写真を確認したらもともと2本出ていました。ただ少しケーブルのまとめ方が違っていただけでした。すいません。2022/7/30追記)

 とにかく、まあオイル漏れが直ったのならそれでいい。料金は当初言われていた通り15万円かかった。


□□


 もしかしたらエンジンが修理された結果、なぜか加速が速くなっていたりしないかなー、とか妄想していたのだが、そういったことはなさそうだった。そんなことを考えて、思い出したのが『テセウスの船』の話だ。思い出したというか、いつまでこの車に乗るのだろうかと考えるときは大体この話を考える。


 テセウスというのはギリシア神話の英雄で牛頭人身のミノタウロスを……、ただ今回はあまりテセウス氏だから、という話ではないので説明は止めておこうと思う。気になった方は調べてみてほしい。検索した方が正確な情報を得られる。

 

 船の部品を少しずつ交換していき、最終的にオリジナルの元々の部品が一つもなくなってしまったその時、その船は最初のものと同一だと言えるのかという話だ。


 たまにもっといいエンジンを載せたなら、とできもしないことを思ったりするのだがエンジンといえば心臓のようなものだ。それを交換してしまったら、それは……どうなんだろうか。だが人間でも心臓移植の話を聞いたことがある。


 実際の所、車は機械で私が勝手に人間以上に愛着を持っているが、彼には人格のようなものはない……のだと思うし、エンジンもたくさんの部品から組み上げられている物でしかない。仮にエンジンが壊れても、部品を取り寄せることができれば……金はものすごくかかるかもしれないが、同じエンジンを組んで載せればまた車は動いてくれるだろう。

 脳はどこに当たるんだろうか。ヒューズボックス、基盤だろうか。それもやはりないのだろうか。


挿絵(By みてみん)


□□


 今年に入ってからたて続けに身内が倒れた。

 自分が30を過ぎたから、親たちはもうそれ以上ということだ。当たり前だけれども。

 入院した、と連絡は来るのだがコロナウイルスのためにお見舞いには行けない。一時的に実家に戻った際、これで最後かもしれないから、と呼ばれて帰る。

【実家に帰るには峠道を越えないといけないのだが、最近夜は土砂降りの日が多くてかなり怖かった。当たり前だけど路面が濡れていれば滑るし、隣を走る車の水しぶきで前が見えなくなったりする。運転は気を付けてください】

 

 不謹慎かもしれないし何が間違いで何が正しいか判らない。病状とかは詳しく書かないのだが、まだ延命はできるそうだ。ただこう……なんというかこう、痛い思いをさせてまで……みたいな話だ。


□□


 人間の体は簡単に部品交換とかはできないので、大事に使っていくしかない。それでもどうしたところで劣化していくだろう。10年くらい前までなら、それは成長と呼べたのかもしれないが、今はもう衰えないように錆びつかないように、大事に使っていこうという段階に入ってしまった気がする。

 ただ身体能力や体力は衰えていくにしても、新しいことを勉強することはできる。現に10年前の自分は今よりもっと電気のことが判っていなかった。直流と交流の違いも判らなかった。


 サイボーグ技術が発達してさらにそれが気軽に庶民でも利用できるようになるころには、私はもう死んでいるだろう。人体のパーツをどこまで置き換えても、それが自分であると認識できるのか、とか脳を交換したら意識は……、とかSFの話みたいになってくる。自分が悩んでも仕方のない話だ。


 体はできる事なら大切にしてほしい。健康的な食事、適切な運動、十分な睡眠、ストレスを貯めない生活……まあ、それができれば誰も苦労しないのだが。


 個人的には走るのをお勧めする。それから歯磨き粉はフッ素濃度の高いやつの方がいいと思う。歯ブラシは定期的に交換して、甘い飲み物は飲みすぎないように気を付けてほしい。

 

 死ぬというのは電池が切れるようなものという言い回しを耳にする。(これはもうどなたか先に言っているかもしれないのですが)最近は電池というよりも二次電池かもなと思っている。(※ 二次電池というのは充電して繰り返し使える電池のことです)


□□


 自分は長生きをしてまでやりたい事というのが……とか、書きそうになったのだがやめる事にする。不謹慎だし、暗い感じになるのも嫌だ。皆さんが電験取るまでは死ねない、と考えているように私もこれを書き終わるまでは、と考えている。(※ 書き終わっても別に死にません)

                                    【終わり】


■■


 先日、海に行った。

 石川県羽咋市の千里浜というところだ。素敵な所で砂浜を車で走らせることができる。電験が終わって……あとコロナ禍も終息したら、訪れてみてほしい。(※ 天候によっては砂浜に入れないこともあるので注意してください)羽咋市はUFOや宇宙に関する施設もあるので是非楽しんできてほしいと思います。


 代車で行ったの? と疑問に思われるかもしれない。それは……。

 

 帰りに何か飲み物を買おうとスーパーに立ち寄り、ペットボトルを選んでいる時にふと思い出した。そういえば、2020年に白衣を買おうと考えていた時期があった。


 何のために白衣を買うのか? と聞かれるともちろん着るために買う。

 着て何をするのか?     着て、電験の勉強をするのだ。

 着る必要はあるのか?    気分が高揚するというのは重要なことだ。


 ただ、かなり悩んだが結局買わなかった。


―――――――――――――――――――――――


 最近、小説に画像を付けていた。実は前々から図があった方が判りやすいよなあ……というか今の状態だと判りにくい、と思っていた。のだけれど、いろいろ悩んでいた。まあそこはどうでもいい。画像の貼り付けた話をもう一回読んで下さい、というのもあれなのでここに貼り付けておこうと思う。ただ何度も書いているけれど、私は所詮ただのオッサンなので間違っていたら申し訳ない。責任は取れません。


挿絵(By みてみん)

ブレーキランプ


挿絵(By みてみん)

ヘッドランプ


挿絵(By みてみん)

レールガン


挿絵(By みてみん)

電子の……なにか


挿絵(By みてみん)

くまとりモーター


挿絵(By みてみん)

車幅灯


挿絵(By みてみん)

オルタ―ネーター……だと思う


「みてみん」様に感謝します。


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