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電験三種と過ごした日々  作者: 37,5or9
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・幸福なシーシュポス王

 『シーシュポスの岩』というのが日本の『賽の河原』のようなものだという話は以前にも書いたのですが、今回もまたシーシュポス王について書こうと思います。

 この間、図書館へ行って本を調べていたのですが、知っていた彼の物語とは異なるものを見つけました。


 ざっくりシーシュポス王の説明をすると、彼はギリシア神話の登場人物でコリントスの王。狡猾な人物とされています。


■■

 あるときギリシアの大神ゼウスの怒りを買い(これは逆恨みのようにも思えます)、死の神タナトスに冥界に連れて行かれそうになったのですが、そのとき逆にタナトス神を拘束し逃げてしまいます。タナトス神が捕らえられている間、人々は死ぬことがなかったそうです。その後、戦いの神アレスによりタナトス神は解放され、シーシュポス王は冥界に連れていかれます。


 と、ここでシーシュポス王は事前に、妻のメロペー氏に『自分の葬儀を取り行わないように』と命じていました。


 そして彼は冥界で冥王ハーデースに『妻を叱るために』と許可をもらい地上に戻りました。(私の読んだ本だとハーデース神とされていたのですが調べてみると冥界の女王ペルセポネーから許可を与えられたとするものの方がメジャーなようです。どちらが正しいのかは判りません。すいません)

 もちろん彼は地上に戻ると、冥界に下ろうとはしませんでした。

■■


 問題はこの後で私の記憶していた内容だとこの後、結局冥界に連れ戻されるのですが、先日読んだ本では結末は違っていました。結末というか、正確にはどちらも最後じゃ『シーシュポスの岩』に示されるものになるのですが、その過程が違っていました。


 その本では彼は地上に戻った後、そのまま冥界に戻らず妻と共に老いて死んだとされていました。


 あれ? と思ってまた調べてみたのですが、その本以外ではやはりシーシュポス王はヘルメス神により冥界に連れ戻されたとされていました。確かに話としても、神を偽って地上に戻った彼をそのままにしておくわけもないような気がします。


 ただ、私はこれでいいかなと思いました。終わりに永遠の刑罰が待っているとしても彼は地上に戻り、妻と共に生きたのなら十分幸福だったのだと勝手に思うことにしました。


残り3回で、7月中に終わらせる予定です。

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