4、3年目 理論の取り組み
2019年 第三種電気主任技術者試験
理論:50点 不合格
法規:70点超 合格(正確な点数は忘れましたすみません)
ちなみに点数は公表されません。上記は自己採点のもの。
私は試験の終わった後しばらくして30歳になった。30歳になるまでにどうにかして、地に足をつけて働きたい、なんてことを思っていた。
それがどうだ。この様だ。
2019年の試験を受ける前、私は自分に言い聞かせていた。受かっても落ちても、これで最後にしよう。俺は限界だと。それなのに、しばらくしてまた自分は理論の勉強を再開した。
本当にこれでいいのか。また苦しむだけではないのか。でもあと1科目、それに1年費やせばきっと受かる。それにここで止めたら今まで頑張ったのが無駄になってしまう。
それに、他に縋れるものはなんにもない。
このまま派遣を続けても、正社員になれそうにないことはとうに判っている。資格を取れば、また別の派遣先を紹介してもらえたり、あるいは就職先が見つかるかもしれない。
そうだ。勉強を続けるのは間違っていないはずだ。今までの努力を無駄にすることはない。でも、もし今年も駄目だったらどうなる? そうなればその翌年には電力と機械が復活してしまう。多分、そうなったらもう終わりだ。流石にそれ以上は頑張れない。無理だ。だ
が、もしかしたら今までの努力を無駄にできないと言ってまだ続けるのかもしれない。この前だってもう最後にすると言って、今、これなのだから。
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2年間勉強した。それで2年とも駄目だった。50点、実を言うと2018年も50点であと1問が足りなかった。
根本的になにか間違っているのだろうか、自分は結局参考書を解いて、過去問を繰り返す以外の勉強法が思いつかない。こんなときは5chだ。
ROMった結果。どうも高校物理をやるのが判りやすく、基礎を固めるのによいとのことだった。早速、本屋で高校物理の参考書を探す。某大人気ゲームのイラストレーターの人が表紙を書いている本がよさそうだったのでそれを買って、合間を見ては読み進めていった。
電験の参考書と同じことが書いてあるように見えて、やはりこちらの方が分かりやすく洗練?されている気がした。電験ではあっさり流されがちな、位置エネルギーや力学的エネルギー、ローレンツ力、仕事そのあたりの内容が今までの参考書よりも詳しいように感じられた。というよりもその辺はもしかしたら基礎中の基礎ということで電験の参考書には書いていないのかもしれなかったが、私は基礎中の基礎もできてないのだ。
センター試験の問題も電磁気の部分だけやってみようと思い、この年の正月に普段は買わない新聞を買って解いてみたりした。
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さらにはもうとにかく今年取るしかないということで、通信教育の会社に申し込むことにした。4科目だと目眩のする金額を持っていかれるのだが、かろうじて1科目だけならどうにか許せた。会社はいくつもあったが、サンプルを取り寄せ、電話営業の方が熱心で質問の回数が無制限の会社を選んだ。(実は2年続けて50点で~~と言ってみたら、同情を示してくれてうれしかった。誰も話せる相手がいなかったのだ)
正直、その会社ならではの教材が欲しいというよりも、質問がしたかった。特に勉強方法についての。過去問で解き方だけは判っているけどもやもやしている部分を快刀乱麻で判りやすく教えてもらえるんじゃないかと期待していた。
もしかしたら、そんなことも判らないのかよ、的な感じで返されたら辛いなと思っていたが、そんなことはなくて自分の馬鹿っぽい質問にもちゃんと答えてくれた。
(これは通信教育会社のステマ小説ではありません)
ただ質問をかなり明確にしないと、相手もどう答えていいのか判らないようで(当たり前だが)、質問を判りやすく伝えるために自分で何が判らないのかを言語化しようと努力しているうちに、だいたいの答えが判ってしまい、結果的に質問はこういう認識でいいんですよね? みたいなただ確認をするような感じになってしまった。いいことなのかもしれないが、結構それにエネルギーを使った。自分はやっぱり伝えるのが下手なのかもしれない。というより下手なんだろう。
過去問を解くだけでいいんでしょうかという質問に対して、過去問を解く際なぜそうしたのかを説明できるようになるといいと教えて頂いた。確かに、ひとつひとつ説明していこうとすると、なあなあで流れでやっていた部分の理由が必要になってくるので、これは確かにその通りだと思った。
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2020年に入るとこの期に及んで、評判の良い初心者向けの参考書を買ってしまった。今まで持っていたのや資格会社の参考書は既に解いてしまっていた。同じことを何度も繰り返すのが苦痛なのだ。
同じ内容について書かれていても、説明する人や説明に使う言葉や図が異なるというだけで微妙に、物事が立体的に見えてくるような、そんな感覚があった。だから無駄ではないとは思う。実際、その参考書は評判通り判りやすかった。最初はこの本で勉強しておけばよかったなと思った。
本当は1冊ですべて理解できるような本があればいいのだろうけれど。
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3年目に入ってノートを使わなくなった。
自分の気質なのか、ノートを見返すということをほとんどしなかったからだ。資格の雑誌を読んでいると、計算用紙は破って捨てるとストレス解消になりますと言っている人が多かった。じゃあ、自分もと思ってコピー用紙に計算を書きなぐるようようになった。計算が終わってじゃあ、破くか、と思って手が止まる。結局自分は破くことができず棚に積み上げていった。
理論に関しては要点だけをノートにまとめればいいように思う。それも公式なんかはどうせ参考書に乗っているから、それにも載っていないものでなおかつ、自分に必要なものを。そこまでいくともうわざわざ別に作る必要もないような気がするが。
会社の休憩時間はメモ帳に仕事のことを書くふりをして、公式の変形をしたり、公式を見返したりしていた。(別に勉強が禁止されていたわけではないのだが、なんとなく)
3月くらいになってくるとまた過去問を繰り返すしかやることがなくなってしまう。
過去問は実力がついてきたから解けるようになったのか、単に問題を覚えてしまって解けるようになったのかがよく判らなくなってくる。問題を解くだけではなく参考書の基本の説明も繰り返し見返すようにしていた。基礎がないと見たこともない問題に対応ができないと思ったからだ。
散々過去問をやった自分が言うのもなんだが、電験は過去問と同じ問題が出ない試験でだからこそ難しいと言われている。
それは自分も判るが、じゃあなにをすればいいのか?
過去問は完璧みたいな感じ誤解を与えたかもしれないが、実はもうどれだけ考えても判らない問題は捨てていた。選択問題の電子回路ならまあ、選ばないしという言い訳もできる。が、まあそうでないものもあったし、今もある。
こんな感じでどうにかなってほしい。
なるよな。なるよね……
そんなことを思っていると、3月に派遣先から4月いっぱいで首だと言われた。