②ブレーキストッパーラバー
私の車がこうなっているというだけで別の回路もあるかもしれません。
昨年(2021年)12月の仕事帰り。
駐車場に車を止めて降りた時、ふと違和感を覚えた。いやそんな曖昧な感覚ではなくて、車の後方が赤く光っていた。要するにブレーキランプが点いたままになっていた。
(やられた……)
そう思って運転席を確認するが、誰も乗っていない。車の中を確認する。当然、悪戯妖精が入り込んでいるわけもない。故障だ。
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運転席に戻り、ブレーキペダルが何かに押されたままになっていないか確認するが、そんなことはなかった。何度か踏んでみるが、ちゃんとペダルは戻る。ただ、ペダルを踏もうが戻そうが点いたままだ。
(……)
エンジンをかけたり切ったり、他のライトを点けてみたり消したりしてみたが、駄目だった。何をしようがブレーキランプは点いたままになっている。
腕時計で時間を確認する。
(今は19時過ぎ、修理屋に持って行っても間に合うだろうか。ギリギリだろうか)
とりあえず近所迷惑にならないように(ブレーキランプって明るい。当たり前ですが)部屋で段ボールを切ってきて、テープで車のライトの所に貼り付けた。
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一旦落ち着いて、車内灯を点ける。
運転席のマットの辺りを確認すると、黒くて小さな樹脂のようなものが落ちていた。割れている。(今思うと最初に確認するべき場所だった気がします)
(これが原因なんだろうか)
…
……
………?
この部品が壊れたことでランプが点きっぱなしになったのか?
……?
ブレーキランプってブレーキペダルを踏むと点灯する。そういう回路になっているんじゃないの?
(いわゆる『a接点』と言われるものだと考えています。
①ブレーキペダルがスイッチになっていて、それを踏む。②スイッチが入ったのでランプが点く。こんな感じに考えていました)
何か部品が壊れて、スイッチが押されなくなって、その結果ペダルを踏んでも『ランプが点かなくなる』のなら納得できるけれど、壊れた結果、常時点灯状態になるってどういうことだろうか。
この部品が壊れたことによって回りまわってブレーキランプのスイッチが押されたままになっているということなのか。
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・a接点(メーク接点):通常は回路が切れている(開放)が、スイッチを押したりすると回路がつながる接点。
・b接点(ブレイク接点):通常回路が閉じているけれど、スイッチを押すなどすると回路が開く(切れる)回路。
簡単に言うとこんな感じです。(というより私の能力的に簡単にしか説明できません)
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【問題】
条件を満たす回路をよかったら、考えてみて下さい。
【条件】
【現在の状態】
①ブレーキペダルを踏んでも踏まなくてもずっと、ブレーキランプは点きっぱなし。
②壊れた部品のせいで、この症状が出ている。(確定条件として考えてください)
③この部品がスイッチを押していたが、壊れたことによってスイッチが押されなくなった。(これも当時は判らなかったのですが確定条件と考えてください)
【正常な状態】
④普段はブレーキペダルを踏むことによって(というよりは踏んだときに)、ランプが点灯する。
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【ヒント】
・否定の否定(なきにしもあらず、のような感じです)
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【解答】
ブレーキランプの回路は『b接点』でした。
壊れていた部品はb接点のスイッチを押していたものです。「ストッパーラバー」と呼ばれるものらしいです。ブレーキペダルの上の方についています。これが壊れたことにより、b接点のスイッチが押されなくなり、常時点灯した状態になっていました。
【普段の状態】
①なにもされなければ(?)は回路は繋がっていて、ランプは光る状態になっています。
②それが、ブレーキペダルが機械的に『戻る』ことによってスイッチ(b接点)が押されます。これによって回路が解放されてランプが消えます。消えています。
【ブレーキペダルを踏んだとき】
ブレーキペダルが『戻る』ことによって押されるスイッチなので、ペダルを踏むとスイッチが押されなくなり、回路がつながりランプが点きます。
大人気ロボットアニメ風に言うと、回路の邪魔(ペダルの戻り)をキャンセル(ペダルを踏むこと)することによって点灯する回路と言った感じです。
【ストッパーラバーが壊れた時】
b接点のスイッチが押されなくなり、回路が閉じたままになります。常時点灯します。
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『b接点』かなるほど、と思っていたのですが、考えれば考えるほどこの回路にとっての通常状態というのがよく判らなくなってきました。
まあ、名称はともかく仕組みが判ればいいかなと思います。テストがあるわけでもないですし。
もしもこの症状が出た時は、あたふたせずに、応急処置としてこのスイッチを他のもので押さえておけばいいのかもしれません。それから次の日修理屋に持ち込めばいいのかなと思いました。
私はてんやわんやになってしまいましたが、冷静に調べればよかったなと後悔しました。
このブレーキランプの回路については動画サイトで見るのが判りやすいと思います。多くの方が動画を上げてくれています。それだけよくある故障なのかもしれません。
では、今回はこれで終わらせていただきます。
ヘッドランプ交換編に続きます。
【終わり】
……。
もしかしたら推理小説が好きな方はこう思われたのではないでしょうか。
『どうしてそうなったかは判ったが、なぜそうなっているかの説明はないの?』と。
推理小説で言うところのホワイダニットの説明がない。つまりb接点だからということは判ったけれど、なぜb接点でなければならなかったのか。
単純にブレーキを踏んだらランプが点灯するという回路、a接点では駄目だったのか。そっちの方が判りやすい気もする。その回路であれば、今回のような事態にはならなかったはず。
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ちょっと答えが見つけられなかったので、自分で考えてみました。なのでこれは間違っているかもしれません。ご了承ください。
なにか嫌な事があったとき、ブレーキペダルを思いっきり踏みこんでしまい、ペダルをぶっ壊してしまったとする。根元からちぎれてしまった。(そんなことある?)こんなとき、b接点ならブレーキランプが点きっぱなしになって後続車に危険を知らせることができるが。a接点なら逆に、ペダルがないのでランプを点けることができない。
強い衝撃(ストッパーラバーが壊れたり、ブレーキペダルが正常に戻らなくなるほどの)が加わったときも、b接点ならランプを点けることができる。
なんとなく踏んだときにスイッチが押されるよりも、戻るときにスイッチが押された方がスイッチ自体が壊れにくい気がする。
これは本当に私が勝手に考えただけです。間違っていたら申し訳ないです。なんか言ってるくらいに思ってください。
【終わり】
【2022/5/10追記】
今さらですが、踏む方には制動のための機構があるので、その邪魔にならないようにペダルの戻る側にランプのスイッチがついているのかもしれません。いい加減なことばかり言って申し訳ないです。




