表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

Chapter 3.2



ああ、この人は……。



千は、ふと目をそらす一瞬前には少女がいなかったこと、また、雨の中だと


いうのに少女の体が全く濡れていないことを、不思議には思わなかった。



「……あなたは、巫女様ですね?」


少女は不思議そうに首をかしげる。


「巫女様……?」



 美しい少女の外見は、背中まで髪を伸ばした髪は、あるいは神に仕える処女を連想させるものであったかもしれない。


 ……が、白い服ではあるがワンピース姿である。



 千は遠い昔を思い出していた。……まだ自分が少女の頃だ。ちょうどこの少女にそっくりの横顔、そしてその力は……



「はいはい、巫女様。それにしても念話が実体化するとは……大変なお力ですねえ……」



「まあ……おばあさんにはわたしの姿が見えるのですか……? おばあさんもお力をお持ちなのですね」


  


「巫女様には遠く及びませんが……長い間生きてきて、あなたほどのお力の方にお会いするのは、この婆もめったにありません」 



 千は少女の頃にあった、巫女の顔を思い出していた。この方にそっくりだねえ……そう、あれは……



「……白川の巫女様以来ですねえ」



「! おばあさんは、わたしのご先祖様をご存知なのですね!!……ということは、やはり、わたしがあなたに呼ばれたのは、偶然ではないのですね」



「巫女様……」



 偶然ではない……ということは、やはりなにかが起こるという事。


 千のこころは波立ったが、



「おばあさん、わたしの実体はこの山のふもとのバス停の近くにいます!それで……そちらに行くには……?」



 眉間に少ししわを寄せて考えていた現代の巫女様は、少女らしい結論を出した。



「とりあえず、おばあさんちの電話番号教えてください! わたしの名前は 白川美亜 です。はじめまして!! わたしの携帯番号を……」




下記にも書いています

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880249330/episodes/1177354054880283163

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ