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08



 「ね、どう思う?ミカちゃんよ。」

 「ね、って言われてもそのリアジュー?なるものがわかんないんだけど」


 「リア充爆発しろの呪いかなぁと思ったんだけど違うの?」

 「多分違うと思うよ」


 革のブックマーカーを珍しそうに眺めるミカちゃん。

 そう、初めてこっちに持ち込むことになったブックマーカー。

 握り締めて寝てしまったせいなのか…自分の乙女っぽい部分が恥ずかしい…!


 本に色移りしたりしないの?と聞かれて確かに!と思ってしまった。

 ミカちゃんは金属のものを愛用しているそうな。きっとお高いんでしょうね~



 てことで今日も無事やってきてくれました。

 大体場所の見当はついたみたいで、前回は建物に放り込んだら本当に別荘まで帰っちゃったらしい。


 あとは私が起きて窓なり扉なり開ければ黒ネコのヨハンが気付いて来てくれる。

 ミカちゃん曰く、「僕たちよりもかなり年上でかなり賢いから敬っておいたほうがいいよ」とのこと。


 うーん、こんなにゴロゴロ甘えられていると敬える気がしないんだけどなぁ…。

 仰向けになって私の胸を枕にしつつ時折ベロンベロン首舐められてるんですけど…賢いの?


 僕は今爆発すればいいのにって思ってるよ、なんて可愛くため息つきながら言うもんだから

 私の隣をてしてし叩いてミカちゃんを呼んで片手で抱き寄せて頬っぺたうりうりの刑!

 セクハラと罵られないこの世界に感謝です!

 

 頬をピンクに染めたミカちゃんに満足した私は昼食の準備を始めることにした。

 キッチンの床下収納には大量のじゃが芋があるし、薪もあるしかまどもある。

 マッチらしきものもあるし、紙はデッサンの紙がある。

 家電はないけどまぁどうにかなる感じではある!


 ないものを数えても何もできないからね!

 料理の腕もあるかどうかは数えないからね!

 こまめに味見してたらどうにかなるはず!


 メイド連れてくるべきだったー!!!!とミカちゃんが叫ぶがもう遅い!

 人生は冒険だ!挑戦だ!七転び八起きだー!ヒャッホー!


 

 まぁ塩と胡椒だけじゃあ失敗しようもないので。

 物足りなさを感じつつも食べられるものは出来てお腹に入りましたよ。


 今度マヨと醤油のメモ握り締めて寝よう。そうしよう。




 無難なスープと野菜(ほぼ芋)炒めを食べた後、まったり過ごしていると、ゴンゴンと扉を叩く音がした。


 あ、玄関あったんだと言わんばかりのミカちゃんと思わず目が合う。

 そういえば君たちいつもテラスからの不法侵入系ですね。

 いや、それ言い出すと私は不法滞在か?


 どちら様でしょう?って私が出ていいのか迷っているとミカちゃんが隠れていてとベッド下を指差す。

 え、この年齢であゆとこ隠れるの?ホームなアローン少年くらいまでじゃない?


 「いいから早くしてっ」


 小声で13歳の少年に頭押さえ込まれてベッド下にヨハンと一緒に詰められ怒られた。しょぼん。


 渋い声に応じてミカちゃんが玄関の扉を開く。

 何か揉めているよう。


 暫くしてコツコツと軽い足音だけが部屋に戻ってくる。


 「ごめん上着取りにきただけだからこのまま大人しくしてて」


 ベッド下を覗くことなく小声でミカちゃんは言う。


 「ヨハンはこのままここに居て。封される前に帰ってきたらいいから…」

 

 トランクからいくつかの書類と日持ちしそうなパンや服を取り出して置いていく。


 「ちゃんとヨハンが話したほうがいいよ」と言い残して去っていった。




 ・・・・・ん?


 ヨハンって喋れるの?



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